「子どもの良い環境で育つ権利」を保障しよう~時代を読む(東京新聞)を読んで~

2016-04-24 16:49:00 | 政治
今日の東京新聞朝刊
時代を読むは関西大学准教授貴戸理恵氏であった。

タイトルは
保育の質と子どもの権利
である。
この間の
待機児問題と規制緩和への流れと
それに反対する子育てをする母親たちの動き
その直後の
認可外保育施設での乳児の死亡事故
などをうけ

貴戸准教授は
保育の質が重要なのだと指摘する。
そして
教育学者の弁も借りつつ
構造の質 として
園舎の広さ、保育士の資格有無と人数
過程の質 として
その中で子どもがどう過ごしているか
保育の中身に関わるもの
だとする。
そして
保育園の整備は
「親が働く権利」だけでなく
「子どもがよい環境で育つ権利」の問題でもある
と言う視点が重要だと説く。

その帰結として
貴戸准教授は
女性の労働力率が高まり
子どもと差し向かいの逃げ場のない子育てが
必ずしも望ましくないことも明らかになっているとし
保育園が
「子どものより良い育ちへの権利」を保障する場として
もっとポジティブな意義が語られてよい
という。
親たちの声が政治を動かしつつあるその先に
子どもが他者や社会との関係の中で育つ権利
を見据えていくことで運動はもっと広がる

親たちを励ましている。

子どもがより良い環境の中で育つ権利は
子どもの権利条約にも書かれている。
その条約の履行を政治がさぼっていることになる。
保育士の養成のためのカリキュラムは
厚生労働省などの基準に沿っている。
そしてそのカリキュラムには
貴戸准教授が指摘している視点が明確に入っている。
しかるになぜ政府自らがそうした視点なくし
基準緩和で量を増やし
一方で子どもの育つ権利を阻害するのか

貴戸准教授は
子育てが終わった我々の世代にも
質を問う声を上げるよう求めているのだろう。

子どものよい環境で育てられる権利
を保障できる政治へ
改めて責任を感じたコラムであった。

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