牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月28日(月) 「統率者の哲学⑦」 ジョン・マクスウェル著

2013-01-28 10:47:55 | 日記

 「統率者の哲学」を一日3章(3原則)ずつ読んで、一週間で読み終えた。第19の原則は、「タイミングの原則」である。本からの引用。「タイミングは、何をし、どこへ行くのかということと同じくらい重要である。リーダーが前進しようとした時、常に次の四つのうちの一つの結末しかないのです。」

 (1)間違ったタイミング + 間違った行動 = 悲劇へ通じる
 (2)間違ったタイミング + 正しい行動  = 抵抗をもたらす
 (3)正しいタイミング  + 間違った行動 = 失敗へ通じる
 (4)正しいタイミング  + 正しい行動  = 成功に繋がる

 「リーダーシップの成功において状況を読み、何をすべきかを知ることだけでは十分ではありません。正しいタイミングで正しい行動をとることのみが成功を呼びます。それ以外の方法では高い代償を求められるでしょう。これが「タイミングの法則」なのです。」

 いつ教会を開拓するかのタイミングは重要である。


 第20の法則は、「爆発的成長の法則」。本からの引用。「加算的に成長するには従う者たちを導け。乗算的に成長したければリーダーたちを導け。、、、、単に従う人を育てるリーダーは一歩一歩、一人ひとりずつ会社を発展させる。リーダーたちを育てるリーダーは発展を加速させる。、、、、爆発的な成長を経験する唯一の道は、乗算的なリーダーの方程式を実践することです。それが「爆発的成長の法則」の大きな力なのです。」

 これはイエス・キリストの方法であった。主イエスは大群衆を教えることもあったが、多くの時間とエネルギーを12人の弟子のために使った。


 最後の21の法則は、「遺産の法則」。本からの引用。「リーダーの究極的な評価は、次世代への円滑な継承の仕方で決まる。、、、、「遺産の法則」を実践するリーダーは希です。しかしそれを実際に行なう人たちは、次の事柄を実行することによって組織に後継の遺産を残します。」

 (1)「長期的視野」を持って組織をリードする。      彼らは現在と同じように未来のことをも念頭に入れて行動するのです。
 (2)リーダーシップ・育成カルチャーを創造する。     最も安定した会社には、組織のすべてのレベルにおいて強いリーダーたちがいます。
 (3)明日の成功の保証のために今日代償を払う。      犠牲なき成功はあり得ません。
 (4)個人一人のリーダーシップよりも、チームのリーダーシップを評価する。     スポーツにおいて、勝つためには監督に複数の優良な選手たちが必要なのと同じように、会社が成功するためには複数の優良なリーダが必要です。
 (5)会社から誠実に身を引く。            リーダーが会社を去る時が来たら未練を持たず、後継者にやりたいようにやらせなければなりません。院政を引き干渉することは後継者も会社も傷つけるだけです。

  自分 + 努力 = 個人的達成
 自分 + 他の人間 + 権限委譲 = チームの成功
 自分 × 自分が育てたリーダーたち = 偉業
 しかし、 自分がいない状態 + 会社が継続的にうまくやっていける =リーダーの遺産なのです。つまり、リーダーの遺産は、自分がいなくても会社がうまく立ちまわれるような状態にしておいた時にのみ造り出せるのです。

 最後にこのように書いています。「すべてをやり終えた、生涯の最後を迎える時、リーダとしてのあなたの最終的な評価は、在職中にあなたが個人的に成し遂げることや、現役中にあなたのチームが成し遂げた事業によって定まるのではありません。最終的な評価は、あなたが去った後に人々や会社がどれだけ十分に任務を遂行しているかによって定まるのです。あなたは「遺産の法則」に従って究極的に評価されます。リーダーの究極的な評価は、次世代への円滑な継承の仕方で決まるのです。」

 これは大きなチャレンジである。どうしても現在の自分とチームの働きを考えがちだが、たとえその時にうまくいっても自分がいなくなったらうまくいかないようでは、確かに成功とはいえないだろう。長期的な視野を持つことの大切さを改めて教えられる。そのことを2000年前にイエス・キリストは実践されていたのだ。主イエスは私が模範とする最高のリーダーである。
 

 著者は結論でこのように書いている。「あなたが自分の組織を築き上げる時には、次の事柄を肝に銘じておいていただきたいのです。」
 ・組織のポテンシャルを決定づけるのは「人」。
 ・組織の士気を決定づけるのは「人間関係」。
 ・組織の大小を決定づけるのは「仕組み」。
 ・組織の方向を決定づけるのは「ビジョン」。
 ・組織の成功を決定づけるのは「リーダーシップ」。

 21も原則があるのは多いように感じたし、正直すべてを消化できる自信がないが、一つずつ身につけることができるように引き続きリーダーシップについて学んでいきたいと思う。将来私についてくる人々のために。