牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月31日(木) 「教会を成長させるリーダーシップ」 ピーター・ワグナー著  いのちのことば社

2013-01-31 08:08:35 | 日記

 本書は題名通り、教会成長のためのリーダーシップに関するものである。著者は、アメリカの宣教学者で「教会成長学」の権威と言われている。

 著者は、「健康な教会の生命活力のしるし」として7つをあげている。
 1.可能思考を持ち、そのダイナミックなリーダーシップが教会全体を成長に向けて活性化するために触媒として用いられる牧師。
 2.教会の成長のためにすべての御霊の賜物を発見し、育成し、用いている、良く動員された信徒。
 3.教会員の必要と期待を満足させる各種の集会・活動を供給するに十分な教会員数。
 4.祭典と会衆と細胞との間に、ダイナミックな関係が適度のバランスを保っている。
 5.構造的均質群によって基本的に構成されている教会員。
 6.弟子を作り出す伝道方法。
 7.聖書的秩序に従った優先順位。

 本からの引用。「以上7つの「活力のしるし」のうち、本書が論じているのは最初の二つのしるし、すなわち、教会を成長させるために牧師と教会員がどのように協力し合うかということである。」

 
 「牧師と教会員が教会が成長することを望み、そのために進んで犠牲を払わなければならない。、、、教会を成長に導くためには、牧師がまず払わなければならない五つの犠牲がある。これらのことを率直にここに提示することにする。」
 1.成長のための責任をること。
 2.勤勉。
 3.牧会責任の委譲
 4.牧会できない教会員が出てくる。
 5.非成長神学の修正

 「これまで教会成長のために牧師が払わなければならない犠牲、代価を5つ見てきたが、ここでは教会員が払わなければならない4つの代価について考えることにする。」
 1.教会成長的リーダーシップに従う。
 2.献金をする。
 3.交わりのグループの再編成
 4.開かれたリーダーシップ


 続いて本からの引用。「本書が主眼としている主要な論旨は、教会がその持っている成長潜在力を最大限に生かそうと思うなら、強力なリーダーシップを牧師として持つ必要があるということである。、、、、そのようなリーダーとは、神のみこころに従って教会の目標を積極的に立て、会員をその目標の共有者とし、会員一人ひとりが、その目標達成のために自分の分を果たすようそれぞれに適した動機を与え、整える指導者のことである。」

 「聖書的に神に仕えようとする牧師は常に二つのジレンマに直面することになる。」
 1.謙虚さと権威
 2.仕える者と指導者


 「指導者とマネージャーという用語は同義語としてよく扱われている。しかし、現在の組織理論では、両者の間には重要な相違があるとされている。、、、まず、指導者が先に行動を起こす。そもそも、リーダーシップというのは、考えとかビジョンとか一般的方向づけをとらえるものであり、これらのものがはっきりすると、マネージメントがそれを実行に移すわけである。、、、、マネージメントとリーダーシップとは異なる。リーダーシップはビジョン、信仰、考えといったものに基づくものであるが、マネージメントは現実的な視点、事実、機能といったものをもって動くことである。また、前者は効果ということを考えるが後者は効率ということを考える。さらに、前者は自分たちがどこに向かって動いており、なぜそのようにしているのかを決定するのに対して、後者はどのようにしたら目標を達成することができるかということを考える。」

 「私はこのリーダーシップとマネジメントの違いを、聖書に見るリーダーシップと運営管理という二つの御霊の賜物との関連においてとらえている。私はリーダーシップと運営管理の二つの賜物を次のように定義している。リーダーシップの賜物とは、未来に対する神の目的に従って目標を設定し、それを他の者たちに伝えて、彼らが自ら進んで、調和を持って、神の栄光のために目標達成を目指して共に働くようにするために、神がキリストの体の特定の者たちに与えておられる特別の能力のことである。運営管理の賜物とは、キリストの体の中のある特定の群れの短期、長期目標を明確に理解して、それらの目標達成のために効果的計画を立案し、実行するよう、キリストの体の中のある人々に神が与えておられる特別の才能のことである。」

 教会と農業のどちらを考えても自分にはリーダーシップとマネジメントの勉強が必要だと感じる。1月はリーダーシップについて学んだので(もちろんこれからも継続して学んでいくが)、2月はマネジメントの学びをしていこうと思う。


 「教会が成長するためには牧師の強力なリーダーシップが要となっているが、それでは、どのようにして強いリーダーになるかとよく問われる。私が思うには、リーダーシップのよりどころとなる三大根拠とでも言うべきものがあると思う。」
 1.リーダーシップは(教会員から)獲得されるもの。
 2.リーダーシップは認識されるもの。
 3.リーダーシップは習得されるもの。

 リーダーとして成長のための責任を他の誰かに負わせるのではなく、自分自身が取ることの大切さを教えられた。失敗もあり得るので大きな賭けともなるが、リスクを自分が負って、自分が責任を取るという姿勢で臨みたい。