牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月26日(土) 「統率者の哲学⑤」 ジョン・マクスウェル著

2013-01-26 08:07:48 | 日記

 リーダーシップ第13の法則は、「再生の法則」である。本からの引用。「リーダーを育てることは、リーダーにしかできない。リーダーのみが他のリーダーを発掘し育成することができるといえます。自分の持っていないものは他人に与えることができません。他人についていくだけの人間にはリーダーを発掘し育成することができないのです。」

 「 「再生の法則」を如実に示す私の好きな話の一つに、旧約聖書に出てくる古代イスラエルのダビデ王の話があります。少年時代のダビデと巨人ゴリアテの決闘の話は聞いたことがあるでしょう。、、、、、しかし、この続きを知らない人がたくさんいます。ダビデは戦士となり、後には王座にまで上り詰めました。その間彼は、「ダビデの勇士たち」と呼ばれる偉大な戦士たちを育てたのです。少なくとも5人以上の戦士が、巨人を倒せるレベルにまで成長しました。まるで彼らのリーダー、ダビデのようになったのでした。前王であるサウル王はそのように行なったでしょうか? 否、です。自分で実際に戦ってみることなしにはそれができないからです。巨人を倒せるほどの戦士を育てるのは同レベルの戦士にしか、また、強力なリーダーを育てるのは、同列のリーダーにしかできないことなのです。 」

 著者は最後にこのように書いてます。「一人のリーダー的人間が、もう一人のリーダ的人間と出会い、生き様を見せつけ、育てていかなければ達成できないのです。これこそが「再生の法則」です。」


 第14の法則は、「人物買入れの法則」。本からの引用。「人はまずリーダーを受け入れ、次にそのビジョンを受け入れる。もしもそのメッセンジャーを信頼に足るとみなせば、メッセージには価値があると信じるでしょう。、、、リーダーとそのリーダーが掲げる崇高なビジョンを分けて考える訳にはいきません。どんなに頑張ってもそれは無理な話です。どちらか一方だけを取り上げる訳にはいかず、必ず二つ一組のセットなのです。」

 著者は以下のようになるとしています。
 ・リーダーとビジョンの両方とも気に入らない場合は他のリーダーを立てようとする。
 ・リーダーは気に入らないがビジョンが気に入った場合でも、他のリーダーを立てようとする。
 ・リーダーは気に入っているがビジョンが気に入らない場合、ビジョンを変えようとする。
 ・リーダーもビジョンも両方気に入っている場合、人々は両方を支持する。

 著者は最後にこのように書いています。「人々がまず始めにあなたを買ってくれなければ成功はあり得ません。これが「人物買入れの法則」の現実なのです。」


 第15の法則は、「勝利の法則」。本からの引用。「リーダーはチームに勝利をもたらす方法を知っている。第二次世界大戦の間、二人の優れたリーダーたちが連合軍に現れ、「勝利の法則」を実践しました。英国首相ウィンストン。チャーチルとアメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトです。彼らは、ナチス・ドイツを率いるアドラフ・ヒトラーがヨーロッパを蹂躙し、自分の野望に基づいて世界秩序を構築するのを未然に防ぎました。」

 「何度も何度も、チャーチルはイギリスの人々を励ましました。それは彼が首相になった直後の、最初の演説から始まりました。『私たちの前にあるのは、最も堪え難い種類の試練です。我々の前にあるのは長い、何ヶ月にも及ぶ苦闘と苦悩です。我々の政策は何なのかというあなたがたの問いに対する私の答えは、戦うことです。海から、地上から、空から、我々の全ての兵力と神が我々に与えてくださるすべての精神力を動員して、人類が犯してきたどんなに暗く、愚かな罪をもしのぐ巨大な圧政と戦うことです。それこそが我々の政策です。その目標は何かと問われれば、私は一言、勝利と答えます。そのためには、どんな犠牲も払い、どんな恐れも克服し、どんなに長く険しい道も歩みましょう。なぜなら、勝利なしには生存はあり得ないからです。』 

 「彼ら二人のリーダーたち(チャーチルとルーズベルト)にとって、勝利は唯一の選択しでした。もし彼らが勝利以外を受け入れていたならば、今日の世界は全く違う場所になっていたことでしょう。、、、、、アドルフ・ヒトラーと第三帝国の軍隊ですら、「勝利の法則」に身を投じた二人のリーダーたちに立ち向かうことはできなかったのです。」

 勝利以外に選択肢はないというチャーチルの強い姿勢に学びます。負けるという選択肢があるなら勝利することはできないだろう。多くあるリーダーシップ法則の中でも、「勝利の法則」は特にとても大切なものであると感じた。