~旅とアート~

世界の秘境巡りの旅行記と絶景写真。
各国料理レストランの食べ歩きレポートや旅行情報など写真満載で発信。

ブログを引っ越しました

ブログを引っ越しました。新ブログはこちら↓

~旅とアート~KaycomDESIGN

また、旅行情報サイトTravel.jpの「たびねす」でナビゲーターとして記事の寄稿もしているのでご覧ください。

関連リンク 引き続きよろしくおねがいします!

おすすめ小説第15弾

2011-05-01 13:23:33 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第15弾。
3ヶ月以上ぶりの紹介になってしまいました。
今回はスケールの大きな冒険小説と巷でうわさのマネジメント小説が入っています。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■砂のクロニクル(上巻)[船戸与一]

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。かつて共和国が成立した聖地マハバードに集結して武装蜂起を企む彼らだったが、直面する問題は武器の決定的な欠乏だった。クルドがその命運を託したのは謎の日本人“ハジ”。武器の密輪を生業とする男だ。“ハジ”は2万梃のカラシニコフAKMをホメイニ体制下のイランに無事運び込むことができるのか。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
読み始めは難しそうな印象を受けたが、すぐに面白くなった。登場人物が多く、しかも名前が似た感じなので覚えるのが大変だが、主要人物さえおさえればなんとかなる。民族対立という重い問題を扱っているが、それぞれの立場で真っ直ぐに自分の信念のために戦う男たちがかっこいい。とても読み応えのある作品。後半が楽しみ。


■砂のクロニクル(下巻)[船戸与一]

機は熟した。運命の糸に操られるかのようにマハバードには様々な人間が集まっていた。革命防衛隊副部長のガマル・ウラディ、隊員のサミル・セイフ、クルド・ゲリラのハッサン・ヘルムート、過去を抱えた女シーリーン、そして二人の“ハジ”も。それぞれの思惑が絡み合い、マハバードは今、燃え上がる-冒険小説の第一人者が渾身の力を込めて描く壮大なる叙事詩。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
久しぶりに読み応えのある作品で傑作だった。巻末の解説に、「正史」ではなくその裏に潜む真実の「外史」を見ることになり、世界の見方がそら恐ろしいほど色合いを変えるだろう、と書いてあったが本当にその通りになった。「ゲリラ」とか「革命軍」とか聞くとひと括りに「銃を持った過激な人々」というイメージを受けていたが、作品では、立場が違えど戦わざるを得ないそれぞれの強い信念と、それに関わる一人ひとりの壮絶な人生が描かれている。同じ人間だけど、自分とは違いすぎる観念と世界になんだか圧倒されてしまった。


■もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
[岩崎夏海]

公立高校野球部のマネージャーみなみは、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。はじめは難しさにとまどうのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す青春物語。家庭、学校、会社、NPO…ひとがあつまっているすべての組織で役立つ本。(「BOOK」データベースより)
---感想---
気にはなっていたものの表紙のイメージなどで敬遠してなかなか手に取る気がしなかったが、読んでみてよかった。ドラッカーの言う「マネジメント」を野球部に置き換えて実践していくことでとてもわかりやすくなっている。マネジメントについてももちろん勉強になったが、物語としても面白かった。


■黒いトランク[鮎川哲也]

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。(「BOOK」データベースより)
---感想---
トリックが複雑で理解しながら読むと時間がかかる。もう一度通して読んでみたい。しかしこの難解さゆえ、読み応えがあり十分楽しめた。


■天空への回廊[笹本稜平]

エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘-。大藪賞作家、渾身の超大作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
純粋な山岳小説ではなく、それにテロ組織との戦いなどが絡んで複雑だが、文章が読みやすいのでサクサク進む。エベレストのあの状況で戦うサトシの驚異的な体力と精神力には感動。私はちょこちょことしか読めなかったが、時間のあるときに一気に読むのがおすすめ


■空の中[有川浩]

200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは-すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。(「BOOK」データベースより)
---感想---
フェイクや白鯨含め、キャラクターが個性的でそれぞれに光っていた。最初は着地がどうなるか全く読めなかったが、最後は「あーよかった」とほっとできる。無からの教育の重大さは人間にも通じるものを感じた。


■海の底[有川浩]

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく-ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。(「BOOK」データベースより)
---感想---
「空の中」に続き、とうていありそうもない設定だが、このリアリティには脱帽。有川さんの文章は、私のツボをちょいちょい刺激し軽い笑いが後を絶たない。ディテールの詳しさと、心理描写が素晴らしく、感心したり、涙したり、憤ったり…そのシーンごとに完全にこちらの感情が持っていかれた。ラストはスッキリ気持ちよく終わる。


■マルドゥック・スクランブル(The 1st Compres)完全版[冲方丁]

なぜ私なの?-賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版、始動。(「BOOK」データベースより)
---感想---
最初、場面転換していると気づかず読んでいて混乱したが、その書き方を理解してからは問題なくついていけた。ちょっとグロイ描写もあるがまあ許容範囲。バロットが刺客たちを次々打ち倒していく際のバロットの感覚がリアルに伝わってきた。まだ物語りは始まったばかりという感じなので次に期待。


■マルドゥック・スクランブル(The 2nd Combust)完全版[冲方丁]

少女は戦うことを選択した-人工皮膚をまとい、高度な電子干渉能力を得て再生したパロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で、次々に相手を仕留めていくバロット。しかしその表情には強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫る。緊迫の第2巻。(「BOOK」データベースより)
---感想---
ラノベっぽいイメージがあったがなかなか奥が深い。カジノの必勝法は論理的で面白かった。機会があったら挑戦してみたい。ボイルドの過去が明らかになってきて、だんだん魅力が沸いてきた。


■マルドゥック・スクランブル(The 3rd Exhaust)完全版[冲方丁]

それでも、この世界で生きる-バロットは壮絶な闘いを経て、科学技術発祥の地“楽園”を訪れ、シェルの犯罪を裏づけるデータがカジノに保管された4つの100万ドルチップ内にあることを知る。チップを合法的に入手すべく、ポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコックの奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、彼女は自らの存在証明をかけて、最後の勝負ブラックジャックに挑む。喪失と再生の完結篇。(「BOOK」データベースより)
---感想---
想像してたのとちょっと違ったが、気づけばどんどん引き込まれていた。特にカジノのシーンは秀逸。ウフコックとバロットの特殊な力があってこその偉業だが、次の展開と勝負の結末が気になって一気に読んでしまった。途中が盛り上がりすぎるとラストでがっかりされられることもあるが、これはその点でも満足のいく終わり方だった。


■ゴサインタン―神の座[篠田節子]

豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く第10回山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
終盤のネパールのくだり以外は、輝和の言動にイライラさせられ、内容自体も「淑子の不思議な力」→「疑心暗鬼の夫」の繰り返しで、結木家破滅の意味も結局なんだったのかよくわからなかった。とにかくくどいくらい長く、感動もそんなになかった。しかし、読者の評価は高いので読んでみてもいいかも。





にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材