川の果ての更に果てに

Svensk,Danmark,Norges,Suomen応援ブログ

第40回スーパーボウル

2006-02-06 22:35:26 | NFL
この試合、スポーツバーをわざわざ探してそこで観戦してきました。
もちろん、自分の部屋で観戦してもいいのですけれど、スーパーボウルの熱気を少しでも感じたいということでアメリカ人の多そうなところでね。
本当に多すぎて、完全に孤立してしまいましたが(笑)。クラウドノイズがすごいっす。「ディー、フェンス! ディー、フェンス!」とか…

どこから話を切り出すべきか悩みますが…
まずは存命中のスーパーボウルMVP受賞者の入場セレモニーからスタートしましょう(笑)。
ジョー・ネーマスとかバート・スターといったレジェンド達が次々と入ってきていました。いやいや、スターに関しては「まだ生きてたの?」みたいな失礼なことも思ったりしました(笑)。すみません。長生きしてください。

コイントスを行うのは、何とパッツのトム・ブレイディ。3度のスーパー制覇の大物といえば大物ですが、引退した人とかが出てくる印象があったので意外です。
本人は何を思ったでしょうか。名誉ではあるでしょうけれど、その場にパッドを着けて立てない無念さの方が大きかったのでは…
ともあれ、コイントスが終わり、スティーラーズのキックオフで試合開始です。


第1Q、スタートはシーホークスがQBハッセルベックから見て右へのショートパス主体に少しずつ攻めていきます。
一方のスティーラーズは攻撃権を得ても反則もあってほとんど進めません。

両者2回の攻撃シリーズを終えて、シーホークスの3回目の攻撃シリーズ。
ハッセルベックから中央エンドゾーンへのパスがダレン・ジャクソンにヒット! 先制タッチダウン、かと思われましたが、そのジャクソンが相手CBを僅かにプッシングしていたということでパスインターフェアの反則、TD取り消し。やや厳しい判定でした。大勢詰め掛けたスティーラーズファンの勢いにオフィシャルが押されたということもないでしょうけれど…
結局、もう一本TDを狙ったパスがありました(ハケットへのパス。ややオーバー気味でインコンプリート)が、このシリーズはFGの3点のみ(3-0)。
結局、第1Qを終えて3-0。シーホークスリードで第2Qに入ります。


第2Q。スティーラーズは苦しみながらも、何とかダウンを重ねられるようになってきます。
まずはランドールエルのアクロバティックなレシーブで初のファーストダウン。
次いでリバースからテンポ良く更新。
が、次のプレーでロスリスバーガーの投げたロングパスがボールウェアにインターセプト(Sボールウェア)。
解説は、「これで向きかけた流れをまた悪い方に戻してしまいました」と言っていましたが、個人的にはそういうプレーもやるぞという意思表示みたいな部分もあり、あまり嫌な予感は感じませんでした。
もちろん、これは次のシーホークスの攻撃シリーズをきっちり抑えたからそういえるのかもしれませんけれど。少なくともこのインターセプトに関しては、あまり痛いプレーではなかったでしょう。

シーホークスの3&アウトを経た次のスティーラーズの攻撃シリーズ。
今度もまた少しずつ前進していきます。
が、ファーストダウンを2度重ねた後に反則とサックがあり、気づけば3rdダウン28ydロング。途中までFG圏内まで進んでいたのにもったいない…
その3rdダウンのプレー。ショットガンからロスリスバーガーが左へロールし、相手DFのプレッシャーをよく把握しつつフィールドをクロスさせるようなロングパス。これが見事にウォードにヒット。思わず「おぉーっ、通った!」と叫んでしまいましたが、去年までのビッグベンなら投げ捨てかスクランブルだったかもしれません。
このロングパスでエンドゾーンまで3yd。こうなるともちろんバス・ベティスの出番ですが、2度走って失敗(もっとも、一度目はチキン食べてて把握していなかったのですが。気付いたら3rdダウンで「あれ?」って感じ)。
周囲ではプレイアクションを予想。私は無骨にベティスに三度目のランを予想。
実際は左にロールしたロスリスバーガーがベティスをリードにそのまま突進。最後は飛び込んでタッチダウン! ラインぎりぎりで微妙ではありましたが、オフィシャルリプレーの結果もTD。スローVTRで見ても、ビッグベンの持つボールの先端が辛うじてラインにかかっていましたので、判定通りでしょう(3-7)。
その後、シーホークスが2ミニッツの攻防戦で前進していきますが、ブラウンが54ydのFGを右に外して前半終了。
3-7。スティーラーズリードという渋いスコアで終了します。

ローリングストーンズのハーフタイムショーを経て後半戦。
追加:5時頃FMのラジオが言っていたところによると、「スーパーボウルはメイドインUSAなのに、ハーフタイムショーやるのは胸ポロやったの(ジャネット・ジャクソン)以外は英国系ばっかり」だそうです。

第3Q。
後半はスティーラーズのリターンでスタートです。キックオフを蹴ろうというブラウンが何度もボールをフィールドに押し付ける様子に何か起こりそうな予感がしました。このプレーでキックオフリターンTD、あるいはファンブルでいきなりシーホークスがいいポジションからスタート、なんてことが…
起きずに(笑)、25ydほどというごくごく標準のリターンに終わります。
が、波乱はこの後に。パスを一回失敗したあとのランプレー。右のタックルの内側をサクッと抜けたパーカーが何とそのまま75ydを独走してタッチダウン! マーカス・アレンの記録を抜くスーパーボウル新記録達成のTDで後半開始早々7点を追加してしまいました(3-14)。
しかし、このプレーは完全にシーホークスDFのミスでしょうね。LBタトゥープがブロックされ、Sボールウェアのタックルミスこそありましたが、それだけで75yd走られてはいけません。

直後の攻撃シリーズでシーホークスは今度は50ydのFGを失敗。
流れは完全にスティーラーズ。その直後のシリーズでもスイスイと相手陣奥深くまで攻め込んで行きます。
相手陣10.5ydくらいのところまで攻め入ったシリーズ。2度の攻撃で4ydほどゲインしたスティーラーズはタイムアウト。TDを狙うプレーを徹底させようという狙いでしょう。よしんば取れずにFGでも仕方ない…
と思っていましたら、タイムアウト直後、ビッグベンがフワリと投げたパスがこともあろうに相手CBハーンドンにインターセプト。そのまま自陣レッドゾーン付近まで76ydも返されてしまいます。
最初のはまだしも、このインターセプトはかなり「えぇーっ?」というプレーでした。ビッグベンには近くにいるDFが見えていなかったのか、あるいはパスミスだったのか。いずれにしましても、向いていた流れを逆行させてしまうようなプレーでした。
棚ボタで得たこのチャンスを逃すようならNFC王者にはなれない。ハッセルベックがしっかりTEスティーヴンスに通してタッチダウン! レシーバーを交差させてスティーヴンスにつくはずだったと思われるSSポラマルの走路を遮り、振り切らせたのが見事。クロスの模範みたいなプレーでした(10-14)。

形勢逆転。今度はスティーラーズが攻撃の形を作れなくなってしまいます。この競技は流れが変わるとそれまで巧くいっていたことが途端にできなくなってしまうから不思議です。再びシーホークスがジリジリと押す展開に。

第4Q。
3Qの最後から続くシーホークスのシリーズ。
このシリーズ自体はスティーラーズPガードッキのナイスパントによって自陣2ydの時点から始まるかなり苦しいシリーズだったのですが、パスやランを絡めてポンポンと攻めていきます。
ダウンを4回更新し、迎えた敵陣19ydでのレッドゾーンオフェンス。
まずはTEスティーヴンスへの18ydのパスがヒット! …と思われましたが、攻撃側ホールディングの反則でプレー取消の上罰退。
今にして思えば、このプレーが試合の趨勢を決めてしまったプレーだったとも思えます。そこまで言うと反則をしたロックラーにとってはやや酷かもしれませんが、押されっぱなしだったスティーラーズDFにとって、残り1ydという背水の陣を敷かざるを得ない状況と、反則で10yd挽回できた状況とでは雲泥の差。
これで甦ったスティーラーズ。
反則直後の再1stダウンでNTハンプトンがハッセルベックを捕まえ、さらに後退させます。
次の2ndダウンではアレグザンダーに少し進まれるものの、3rdダウン18ydロングのプレーでCBテイラーがインターセプト。パス自体がややロング気味でハッセルベックのミスなのではと思いましたが、流れが変わる状況ではそういうことも多々おきうるものなのでしょう。
ともあれ、スティーラーズは逆転の大ピンチ、最低相手FG成功というピンチを凌いだどころか、逆に攻撃権を獲得しました。

直後のシリーズ。スティーラーズはチマチマとまず最初のダウンを更新。
続く自陣からの1stダウンでのプレー。
前半にも見せたバックトスからのリバース…と思いきや、ランドールエルがロングパス!
これが相手CBを振り切ったウォードに見事にヒット!
そのまま相手陣まで駆け抜けて決定的なタッチダウン!
スティーラーズがごくごくたまにやらかすランドールエルのパスというスペシャルプレーが、まさかこんなところで炸裂するとは…(10-21)
考えた人、決めた人、両方すごいとしか言いようがありません。

その後、シーホークスが2回、スティーラーズが1回の攻撃シリーズを経て、最後はビッグベンのニーダウンで試合終了。カウアーが妻と娘(?)らしき女性と抱き合いながら勝利を祝ったシーンを見ながらカフェを後にしました。

勝因は何なのでしょうか…
戦略的、マッチアップ的にスティーラーズがシーホークスに勝っていた部分というのは特になかったように思います。成績を見るとビッグベンは我らがカイル・オートン(笑)と互角(ついでにそれでも勝つところもオートンと共通[笑])。
虎視眈々とビッグプレーの機会を狙っていた集中力の差、というところになるのでしょうか…

MVPは5回のレシーヴで123ydを稼ぎ、何より2回のビッグレシーヴがあったWRハインズ・ウォードが獲得しました。まあ、彼かパーカーでしょうね。
ちなみにウォードの母親って韓国人らしいんですよね。純粋な日本人でNFLプレーヤーが出てくるのはまだまだ先でしょうが、片親日本人くらいは出てきてくれないかなぁ。
試合の帰趨が見えたのが第4Qの途中だったので、最後までハラハラとならなかったのはやや残念…しかし、熱い試合ではありました。

第6シードから敵地でのゲームを3戦続け、最後まで勝ちきったスティーラーズはとにかくお見事でした。しばし優勝の余韻に浸り、新たなるダイナスティ形成に向け頑張ってください。
そしてビッグベン。勝てるQBとして評価しつつも、一方で負ければかつてのエルウェイのように中々次の機会が回ってこないのではないかと個人的に思ったりしましたが、個人成績はともかくとしまして勝ったことは素晴らしい。
脱帽しました。
エルウェイは確か2年目くらいでスーパーに出たはずですが、そこで敗北。その後、スーパーに出ても勝てずが続き、「勝つ方法を教えてくれ、出る方法じゃない、勝つ方法だ」みたいなことも言っていたそうです。結局最晩年に二連覇しましたが。

ベティスは地元でのスーパー制覇。キャリアの幕を引くには最高のタイミングといえるでしょう。どうするのでしょうか。さすがにもう1000ydを走るだけの力はなさそうですが、偉大なRBが去るとなると少し寂しい気もします。

長いようで短かった(ブログ開設の頃にちょうどシーズンスタートだったわけですからねぇ)シーズンが終了。また長い休暇期間に入りますが、来シーズンも熱いシーズンを期待したいです。

プロボウルは…まあ、暇があれば見ますか(笑)…


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8 コメント

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ベティス (8)
2006-02-06 20:11:17
ベティスが、このまま引退としたらすごくカッコいいと思います。



でも、寂しいです。
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>8様 (川の果て)
2006-02-06 20:41:55
試合後に、「バスの終点はここデトロイトだ」みたいなかっこいい発言をしたそうです。

「これは公式のものだ」とも言ったそうですので、残念ながら引退するのでしょう。

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Unknown (yanz)
2006-02-07 10:44:18
管理人さん,いつも拝見させてもらっています.

スーパーボールを観戦しに,スポーツバーに行きたくなる気持ちはよくわかります.とても楽しかったでしょうね.

コルツファンの私は,二年続いた雪辱を期待していたのですが,プレーオフにとことん勝てないコルツを思い知らされたプレーオフでした(笑)

下馬評では優勝一番手だったコルツ(たぶん,多くのアメリカ人たちはそれを期待していたはず)があっさり負け,そのコルツに勝った第6シードのスティラーズが優勝.ドラマですよね.そして,それを素直に褒めたたえ,盛り上げる風土.日本のスポーツ界にもそんな成熟した貪欲さが必要ですね.
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>yanz様 (川の果て)
2006-02-07 18:07:18
見ていただきありがとうございます。アメフットに関してはプレー経験ゼロ、観戦歴も浅いので素人目丸出しなので恥ずかしい限りですが…

コルツはさほど…な私ですが、バックス時代からダンジーが好きでしたので、正直残念でした。パッツを倒して出てきてほしい、と思ったのですが…



最後の部分、私は去年の千葉ロッテのことを言っていると解釈しました。規定通りの勝利にケチをつける人達が多いのは残念だと思います。
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Unknown (SNAKE)
2006-02-07 22:35:16
こんばんは~♪

川の果てさんスポーツバー行かれたんですね~!

良いですねっ☆

でも僕が行ったら飲みすぎて試合の記憶がなくなっているかも知れません(笑)

今回のSUPERは…なんかコメントし辛いですね~(^_^;)

一言で表\せば"ベティスボール"でしょうかっ

ベティスSUPER BOWL RING取れて良かったなと。

ベンもまだまだ2年目でしたっ

怪我の影響もあったのでしょうが…彼も普通の人間でした(笑)

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>SNAKE様 (川の果て)
2006-02-08 06:23:51
どちらかと言いますと、飲むより食べるに集中する方ですので(笑)



印象ですか? スティーラーズファンの「ディー、フェンス!」が耳に残っております(笑)



ベティスは最高の形で幕を閉じることができましたね。幕引き自体は残念ですが、何年か後で「復帰する。バスの臨時便が出る」とか言って失意のプレーをするのだけはやめてほしいです(苦笑)。



ベンも若さを露呈してしまいましたが、それでも勝つあたり、単なる普通の人間ではないのかもしれません。
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ごめんなさい。 (fsc)
2006-02-09 14:28:26
TBを間違えて1件余計な物を付けてしまいました。

NFLを6年前から観戦をしてくれる人は貴重ですよ。

最近は私の周りでNFLの話題をする人も減ってしまいましたから。(泣)

シカゴは強いと思っていただけに残念ですね。

私はQBマクマーンの時代に見ましたが、恐ろしく強力なオフェンスラインとディフェンスに衝撃を受けました。

来年のNFCはシカゴと私の好きなダラスで覇権を争えると良いですね。
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>fsc様 (川の果て)
2006-02-09 15:27:48
プレー経験なく、6年前からでもそこそこですかね?

NFL記事の多いブロガーの方は大抵80年代くらいから観られているようですから、何か自分がそこに入るのが恐れ多いように感じてしまいます。



シカゴ。ディフェンスについては心配いらないのですが、攻撃陣、特に最低限のパス攻撃すらできないのが気になります。

今年に関しては対戦相手に恵まれたという部分もありますので、楽観はできません。が、NFC北で見る限り、パッカーズは出直し、ライオンズはまだ再建途上でバイキングスに勝てれば、という幸運な面があるので何とか来シーズンも頑張ってほしいところです。
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