『絆』日記

~ありがとう~

透明人間

2010-02-08 12:26:57 | 社会
今日は一段と寒さが厳しくなりました皆さん体調は如何ですか最近はあまりに寒いので、私も毎朝の通勤、身を縮めてマフラー、コートを手放すことができなくなりましたでも、何もない人はどうするんだろう・・満員電車の中、体温で車内の温度が上あがり、くもっていくガラス越しに外を見ながらふと気になりました・・・今日もあの人はいるのだろうかと職場の最寄り駅の改札から、出口に上がる階段の下にいつも座っている人がいます。髭が伸び放題で、いつも上半身は赤のトレーナ、そして下は黒のジャージにスリッパ年は60を超えているという感じでしょうか。彼の周りには誰かの飲み残したコーヒー缶が3~5本、そして、誰かの吸い残した短いタバコが散らかっていますそして足を伸ばして座ったまま、こっくりこっくり居眠りをしている姿が毎日私がであう彼の姿ですその彼の周りを何もみていないかのように、通勤客が階段を上ったり、降りたり・・・私は毎日、毎日その人をみているのですが、彼がどうしてそういう生活で過ごしているのか、役所にどうしてサポートを申請しないのか気になっていますこんなに寒い中・・・風邪をひいたらどうするんだろう・・・誰にも気が付かれることなく、まるで透明人間のようにそこにいる、その存在・・・なんだか切なくなってきます彼にも両親がいるだろうし、彼にも関わりを持ってきた人がいたはず。どうして今になって、地下通路に生活をしているのだろうかふと13年前にインドに旅をした時に見た光景と重なりました空港をでるなり取り巻いきました無数の子供の手。『Give me some money』『I haven't eaten anything for few days』っと。私はどうすることできないまま、ただ一点に焦点を定め前をみてバス停まで歩きましたそして街の中へバスを走らせると更にたくさんの矛盾の中に生きる人たちの姿がみえてきました豪華な服を着て歩く若い人もいれば、粗末な服のまま路上に寝そべっている人、灼熱の暑さの中、素足で熱くなったアスファルトの上を歩く人その時にとめどなく流れてきた涙を今も覚えています。でも、職場について思いました。今日の通勤時間彼をみて感じた気持ちとインド社会を目の前に感じた気持ちが合致しているとでも、インドでみた人々と今日目の前に見た彼の決定的な違いそれは、インド社会でみた人々はカーストにおける特殊なハイアラキーと長い歴史の中にあるその社会構造の中でそのうような生活をしているけれど、日本は、誰にも自由があり誰にも自分もが自分の道に選択できるチャンスがある経済大国である日本加えて、憲法で『人間の尊厳』が守られているはず。つまり、彼がそのような状態をもしも好んでいないのならば、何かしらの別の生き方もチャンスとしてあるはずということですでも、実際に彼のような人をみると日本社会がなんだか少し歪んできてしまっているような気がしてなりません人として人を守る、視点が弱者にある。そんな『人間の尊厳』を守り続ける社会であって欲しいと思います彼が風邪を引かないでこの冬も乗り越えられますように