合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

自宅の庭でポリスに撃たれた犬

2009-03-13 | アニマルレスキュー
今日は、ちょっと嫌な話をしなければなりません。
中西部のある町で起きた事件。

その日、ボーダーコリー/ダルメシアンミックスの”げんぶ”君は、お庭の、二重になったフェンスを飛び越え、くぐり抜け、フェンスの外に出てしまいました。楽しく外で遊ぼう…と思ったのかどうかわかりませんが、その近くには、最近引っ越してきたらしい見知らぬ人々がいたので、ちょっと吠えてみたりしたらしいんですね。

その住人たちは何を思ったか、911(日本の110番119番にあたる緊急番号。ちなみに火事も事故も番号は同じです)に通報しました。ほどなく駆けつけたポリスは、車から降り、ドアを閉める間も惜しむといきなり、げんぶ君に向かって2発、発砲したようです。(警察側からのレポートでは証言が食い違っています)

・・・結果的に、幸いげんぶ君の命には別状がなかったものの、2発のうち1発が前脚に命中、関節を砕かれてしまいました。その後の手術で、今のところは温存していますが、今後、前脚を切断しなくてはならないかもしれず、その確率は50%50%ということです。


げんぶ君が銃撃されたのは、自分の家の敷地内だったという事実。その警官が何故、攻撃してきたわけでもない、吠えているだけの犬を銃で撃つ必要があったのか、何故、威嚇や捕獲、いやそれ以前に、その家の住人に確認しようともしなかったのか、全く納得がいきません。

実はこの同じ町で、げんぶ君事件の2週間後に、更に痛ましい事件が起きています。飼い主の不在中、やはりフェンスを抜けてしまったシャーペイミックスの女の子Taterちゃんが、自宅の前でくつろいでいたのを通報され、ポリスに、車でフェンスのある空き地まで追い込まれ、更に1時間もポリスカーで追いかけ回されて疲れ果てた挙げ句に、座り込んだところを至近距離から射殺されたのだそうです。これも目撃者の証言と警察側の声明が食い違っているのですが、目撃者の話による詳細は、読むのが辛いほどでした。飼い主は外出先から帰ったら犬がいなくて、探していたところに警察が来て、首輪とタグを置いて帰ったそうです。

一体どうなっちゃっているんでしょう。

Taterちゃんの件では、通報があったのは事実なのですが、その通報は「茶色いピットブル(闘犬としてブリードされ、闇の闘犬市場でギャンブルに使われるために様々な方法で人工的に攻撃的な性格に作られた犬種。どう猛なため、飼育を禁止している自治体も多い。私はこのピットブルの存在自体が人間の罪だと思う)が通行人を脅かしている」というものだったのに、ポリスは黒のシャーペイ/イングリッシュブルドッグのミックスであるTaterちゃんを見つけると、追いかけ回して、ついに射殺してしまったのでした。


げんぶ君は撃たれた上に、町の「危険指定動物」に公式認定され、外出にはいつもマズル(口輪)の装着が義務づけられてしまいました。もうすぐ2歳になるげんぶ君、飼い主さんに保護された子犬の頃から、赤ちゃんだった娘さんたちと一緒に育ち、同居の先住犬3頭を始め、一度も誰にも噛みついたことなどない犬だといいます。


既に、新聞やテレビ、ラジオのニュースなどでも取り上げられているこの事件ですが、今後、どのように解決していくのか、気になります。警察側は、あくまでも妥当な処置だったとコメントしているようですが…

このげんぶ君のオーナーさんがyoutubeに出している画像とコメントを読ませてもらいましたが、とにかく、飼い主側と警察側のレポートが食い違いすぎているのです。個人的には警察のレポートがおかしいとの印象を受けています。

守ってくれるはずの警察が自分のうちの庭で自分の犬に発砲…もう一体どうしたらいいんでしょう。


この件で、頭から「アメリカではこうなんだ」とは決して思わないでほしいのですが(本当にいろいろな国が集まっているくらい地域によって何もかもが違います)、こういうことも起こりうるのがまた、アメリカなのだなあと考えさせられました。うちの噛み犬なんか、その町ではあっという間にポリスに殺されてしまうのかもしれません…

Gembu君のオーナーさんのブログです。
Twenty Paws




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28 コメント

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Unknown (うにこり)
2009-03-14 00:07:29
信じられません、、、
涙がでます
自分の家のところにいただけなのに、、、

これ、銃を撃った警官が犬が嫌いだったとか
そういう単純な理由な気がします
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Unknown (SSSGCマミー)
2009-03-14 01:38:53
TAMAさん、このたびは私どもの件をブログに取り上げていただき、ありがとうございます。
フェンスの設置作業などで、毎日ばたばたしており、なかなかきちんとした情報が書けずにおります。
げんぶは水曜日に危険動物として正式に町に登録されました。
げんぶ自身はは、木曜日に脚の固定がとれ、身軽になって家の中を飛び跳ねて、笑顔いっぱいでいますよ。

ブログに書く時間が取れないので、、、木曜日の午後にポリスが危険動物の飼育に関するルールが理解できているか確認に来たと訪ねてきました。
このポリスは、警察犬部署に9年間勤務してきて、「自分はDOG LOVERだ、今回の件に関しては一個人として、非常に心を痛め、飼い主の気持ちも十分理解できる。犬はどうですか? 挨拶してもいいかな。」と言って、げんぶに挨拶もしてくれました。(げんぶが大声で、騒ぎましたが・・・)
そのポリス、もちろん自分の所属している部署の同僚・上司なので、「おかしい。」とは、はっきり言いませんでしたが、今回の件に関して正しい処置ではないと考えていることが伝わってきて、「私がその場にいたら、こういう結果にはしなかった。私は、犬が大好きで、ちゃんと犬を扱えるから。」とも言ってくれ、この町のポリスがドッグハンターばかりではないと知って、嬉しくなりました。

続く
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Unknown (SSSGCマミー)
2009-03-14 01:40:08
げんぶとTaterちゃんは、別の警官に撃たれています。げんぶが撃たれた後、夫が、ポリスにも市のトップ職員にも、今回の件についてかなり激しく意見を言い、一部の住民からも抗議の声が上がり、動揺していることを、彼らは知っていたのに、その2週間後に今度は追いかけられたので怖くて逃げたおとなしい犬を、至近距離で射殺すると言う事件を起こしました。そして、嘘だらけの公式書類を作成し、平然としているのです。さらに、その書類にサインをする、チーフポリス。
はっきり言って狂ってます、恐ろしいです。

今回の件は、私たちがしっかり管理しておらず、げんぶを守れなかったことも一原因です。その事は、痛感しており、現在、犬はもちろん、子供たちの安全も考えて、自衛手段として180センチメートルの高さのフェンスを設置しています。

毎日毎日、アメリカ国内のどこかで、犬達が警官によって撃たれ、虹の橋を渡っています。Youtubeやネットをサーチすると、ものすごい数の情報がヒットして、心が痛みます。

犬と暮らしている皆様、こんな不幸なことが犬達、そして他の動物たちにも起こることがないように、恐ろしい人々から守ってください。

長々とコメントを書いて、すみません。
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Unknown (ウィペ@35F)
2009-03-14 07:47:00
読んでて涙がでてきました。
うちの町なんて、フェンスなしの放飼いも多いです。
ダウンタウンの住宅密集地で、ですよ。まぁこれはアメリカでも例外地域でしょうけれど。登録タグを首輪につけたワンコがふらふら道を散歩しているんですよ。


う~ん、腹がたってきました。
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Unknown (コリー)
2009-03-14 09:40:00
いやんな話。
ついこないだ日本でも射殺された子がいたなあ。
それは人を襲ってしまっていたうえに、警官をパトカー車内にまで追い詰めて襲った土佐犬、というシチュエーションだったのでさすがの私も何も弁護できなかったけど・・
実際は話が違ってたりしたのかな。
じゃれついても襲ってるように見える犬もいるもんね。
コリーは得だ。ベビーフェイスで。
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Unknown (コリー)
2009-03-14 09:41:14
いっぱい書いたのに消えた・・
しょっくなので出直します・・
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Unknown (HERO)
2009-03-14 12:03:23
TAMAさんの日記を読み、Gembuくんのオーナーさんのブログも読みに行きました。まだ全部は読んでないのですが…。

アメリカだから、日本だから、こうだっていうくくりでは言えないですね。
ついつい日本人は「日本は動物愛護に関しては遅れている、欧米ではこうだああだ」と語ってしまいがちですがそれは偏ってるのだと痛感し考えさせられました。
進んでいてとてもうらやましい面もあれば、こんな非人道的なことがまかり通ってしまう面もある…どうしようもない現実を教えられます。

うちのwolfdogだったら形相も怖いしこの町に居たら脱走したら即射殺されますね…。
ブログを読むと町自体の治安が良いと思えず、無法者が大きな顔をしてる印象すらします。(あくまで読んだ感じでですが)
人の心に潜む闇を教えられた気がします。恐れが相手に対しての攻撃になる…銃を手にして発砲する自由があると思い込んでいるかのようなポリス、怖すぎますよ。犬の次は人じゃないかとまじめに思います。
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Unknown (darari)
2009-03-14 12:09:45
こんなことが自分の庭で自分の犬に起こったら・・・、Gembu君のオーナーとご家族の受けられたショックを想像すると胸が痛みます。
Gembu君、命を失わずに済んで良かった。
二発も発砲してもっとひどいことになる可能性もあったわけで、本当にぞっとします。
早く傷が治りますように、そして危険動物指定もはずれますように。
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Unknown (mame-honey)
2009-03-14 13:24:39
もう、なんて言葉をかけて良いのか分からないです。Gembu君のブログも読みましたが、、、。だって、Gembu君の家族は家にいたわけですし一言声をかけるくらい簡単に出来たはずですよね。もうしょっぱなから撃つ気まんまんだったのでは?と思ってしまいます。そして、その後のポリスの行動に本当にがっかりです。同じアメリカですが、これここら辺で起きたらどんな事になるんだろう?と思ってしまいました。
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Unknown (SSSGCマミー)
2009-03-14 14:07:35
みなさん、はじめまして。

HEROさん、町の治安が悪いような印象をうけましたか。
町の治安は悪くないんですよ、田舎の小さな町で、年配の方も多く、外に出てると、車の窓から手を振ったり、逆に車に乗ってると、庭先から手を振ったり。
裏の住人も、女性とは、今年のはじめには笑顔で立ち話したんですけどねぇ。

普通に暮らしていれば目に留まらないけど、無法者と言うか非常識だと目に付くので、近所の話題になるのですよ。(わたしは異種なので、たぶん話題になってます)

たまたま、悪いことが重なったのと、わたしたち側にも非がありましたから、お互いに嫌な部分が目に留まった結果、げんぶがこんなことになってしまったと思っています。

わたし自身、感情的に批判的に書いているので、内容ちょっと過激ですかね・・・。

大きな都市ではアニマルポリスが、動物たちを守り救うために日々活動している反面、こんなことが各地で起きているのが、この国の現実です。
我が家の最寄都市では、ちょっと前にポリス達が集団暴行で一般人をぼこぼこにしたのが、屋外設置のセキュリティーカメラに録画されていて、大問題になりました。youtubeにも、女子高校生に暴力を振るうポリスの映像がいくつもあります。犬どころか、人に対しても、こういう事件が、次々起こっています。
何度も言いますが、怖いです・・・。

田舎暮らしで緩みすぎた部分、絞めなおさなければいけないと実感してます。
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