むっくれてる~
おっこってる~
おとうさんが~かえってこないから~
きんようびのあさにばいばいしてから~
げつようびのあさになっても~
かえってこないから~
おれこちゃ~んは おこってる~
ゆるさないから~
あそんであげないから~
もう おとうさんなんてしらないんだから~
おれことっても
おこってる~
最近仕事が忙しくて、なかなか帰ってこないお父さん。
この日の夜、帰ってこれることになったので、車で迎えに行くことにしたら、
そんなこと話してないのに、雰囲気で、わかるんですよねえ~。
お散歩へ行って、用を足したら、びゅーんって、
にこにこにこにこ、私を見上げながら、車に向かって一直線ですよ。
猫はね、誰かが帰ってくるとなると、
もうその5分くらい前から、玄関に肉球ついて、
じっくりじーっと待っていたりすることがあって、
「今日はまだ帰ってこないよ」
と声をかけたりしますと、ミカワケンイチさんみたいに、
「あんた何言ってるのよ、馬鹿じゃないの」
なんて、ちらっとこちらを一瞥するもんですから、
何だと、なんて思っていると、そのすぐ後に、
家族の靴音が聞こえてきて、門のガチャリという音がして、
本当に家族の誰かが帰ってきたりするので、
不思議だなあ、と常々思っておりました。
そうそう。猫はお見送りもしますしね。
なんなんですかね、あれは。
普段嫌いな人にもしますよ、分け隔てなく。
もちろん好きな人に対してはものすごく感情こもってますしね。
すりすり体をぶつけてきて、甘えた声で鳴いたりね。
朝のいってらっしゃいの時は、あんたはこの家の大おかみか、
ちゅーくらいの貫禄ぶりで、上がりかまちに肉球ついて、
「いってきなさい」
と送り出してくれますしね。
しっかり働いてこいよとでも言っているのでしょうか。
だから私、猫はね、その、人と接するとき、
犬はまるで幼児のようだけれど、猫は老人そのものだ、というんです。
犬はお出迎えとか、お見送りなんてことは、
うちのだけかもしれないですが、どうも、しないようなんですけれど、
車でお出かけとか、お迎えとか、そういうことにはとても敏感で、
こっちのそぶりだけで察知するんですよねえ。
そのあたりはすごいなあ、と思うわけです。
言葉が通じないのにね。
そぶりで判断するんでしょうね。
「あ、お母さんが車のカギを持ったからおでかけだ。
もう遅いし、きっとお父さんのお迎えだ。
わーい、わーい」
なんて具合にニコニコ笑っているわけですよ。
一度や二度の話じゃないんです。
こういう気持ちのやりとりがあると、
ただの犬やただの猫なんてふうには、
なかなか思えないものです。
人間より劣ってるなんて、私には、少しも思えないですよ。