くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

功名が辻 第23話

2006-06-13 20:19:30 | 功名が辻

「敵は本能寺にありぃ~!」

力強く宣言し、闘いに踏み込んだ光秀でした。

「是非におよばず」と言い、最後まで戦い、自刃した信長。

私は本能寺をドラマで見たのは2度目。

感想としては美しい信長を見ることができたかなと。

満足度高いですっ!

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光秀を足蹴にし、朝廷破壊論を論じる信長に光秀は精神の限りをおいつめられて

いきました。もはや二人の価値観は対極を成し、六平太のささやきは、光秀の

迷いをすっかり払拭してくれました。そのときは今である!

     「時は今、天が下しる、五月哉」

こうして、光秀は家臣を集め、演説をふるいます。

   皆のもの、よく聞け!敵は西国にあらず、神仏に火をつけ、僧を斬り

   朝廷に取って代わらんとする天魔信長である。

   此度の戦、天のため、民がための戦いぞ。

   天に代わって不義を討つ戦である。皆の者。我が身を捨てよ。よいか~!

   「敵は本能寺にありぃ~!!」


その頃、信長は濃の膝枕にのんびりとくつろいでいます。昔話に興じたり、今でも

うつけだと戯れたり、濃は千代に会ってから吹っ切れていました。

そして信長と共に歩むという決意もしっかりと伝えています。

   「殿の天命とともに濃も生きるつもりにございます。」

 

そして、長浜では六平太の情報により、千代は寧々のところに向かっています。

お人払いをと言う千代に何事かと。光秀の謀反の可能性を伝える千代。

明智殿の軍勢が京へ向かったとすればその後、安土、長浜へ攻めてこれましょう。

家の者は逃がしました。私は只今より、お方様の命に従いまする。

こうしているうちに、本能寺は歴史に残る闘いを繰り広げていたのです。

 

蘭丸がくつろぐ信長のもとにやってきて「謀反にござります」と。「誰じゃ?」

「明智日向守光秀!」上様、裏手からお逃げくださいませ。

   ははは、是非に及ばず。よかろう。光秀のしばし相手をして遣わすわ。

   お濃、女どもを逃がせ。

   お濃、あの世とやらで、またまみえようぞ!

   お蘭、この、信長が首、断じて渡すんじゃないぞ!

銃撃と刀との応戦。かなりのドンパチですね。

目的は信長ただ一人のはずですが、信長を守ろうとするお蘭たちの抵抗も相当な

ものです。しかし、この信長は、最後の最後でやっと理性を取り戻したように

人間、信長を魅せてくれました。竹の盾を持つ相手軍を銃でばらして見せたり、

なかなかの抵抗を示しています。浴衣寝巻きのような上に鎧を着せてもらったの

ですがそれもちょっとした美しさを魅せてくれたようです。最後の最後はこういう姿

でというのが本能寺らしく私は気に入りました。さて逃がした女達の中に奥方がいな

いという家臣の知らせで光秀は今更のようにお濃がここにいることを知るのです。

戻ってくるお濃。信長の絶叫が響きます。たわけ!なぜ戻った!

   あの世で会おうと仰せになれども殿は地獄、私は極楽。

   これでは死に別れにございます。

   ははは・・・ぬかしおったなお濃・・。

信長も鉄砲を撃つのを余裕の構えでいますが、なんとお濃もまるでちょっとした

舞いでも舞うような流れるような刀さばきです。屈強な兵たちがお濃に斬られるという

こればかりは多少、違和感ですが美しさの演出として大目に見ましょう(なにさま)

ここで、光秀と目が合うお濃。長い時を経て、二人はとうとう敵という立場になって

しまいました。じっと見交わす二人の間には言葉にしきれない深い情が渦巻き、

かといって光秀は一歩も動けず。濃は信長と共に死んでいきます。

精一杯のメッセージを光秀に送りました。

やがて銃はお濃を狙い、そして信長も倒れてしまいます。

   「との~」「お濃」「痛いのう・・このわしも死ぬるのか」

   「殿の名こそ、永久に残りましょうぞ」

信長は家臣によって奥に連れられ、残された濃には数発の弾丸が打ち込まれます。

濃を見続ける光秀も苦渋の表情です。倒れる濃・・・叫ぶ光秀。

   「帰蝶さま~!」

奥の部屋には火が回ります、もはや信長も観念するほかありません。

   「夢、幻のごとくなり!」

首筋を切り、信長は倒れていきました。

光秀の下にくる報告は火の手が早く信長の姿がみつからないというもの。

火の中からでも探せ。首をあげねば、天下に示しもつかぬ。探せ~!



清洲城、信長の死をまだ知らぬのか市は手をあわせ、どうぞご無事でと願うばかり。

侍者の声かけにも「わかっておる。城の守りを固めよ。女子供達を集めるのじゃ」

長浜城では、あまり頼りにならない甚兵衛を、おいて、千代と寧々が采配をふるって

います。ああ、甚兵衛さまって・・。何気にかわいそうな扱いですね(苦笑)

身を隠す場所は伊吹山中にあるという寧々。お市様の元に早馬をだしてという千代、

長浜城と岐阜の清洲の者を受け入れると仰せくだされば城下のものは安心して

逃げることができます。そして寧々は各々に砂金を握らせるという心遣いを。



細川家の判断は迅速でした。藤孝は髪を下ろし、幽斎と名を改めました。

そしてその日のうちに光秀の謀反を知らせる知らせを秀吉のところに送りました。

玉は光秀のことを聞き、信じられぬ思いです。。私利私欲で上様に刃を向ける父

ではありませんと。それが本当ならばそれなりの訳があるに違いない。

しかし、細川は訳はわからぬと濁しました。

「細川様に見捨てられたと噂がたてば誰かが明智を討つ御旗を上げられるかも。」

玉の言葉に細川も感心するばかり。

さすがは明智殿の娘御、頭がよい。ならば息子、忠興には自分の思うままにせよと

言いますが、忠興も髪を下ろしてしまいます。驚愕する玉に、忠興は謹慎いたせと

いうばかり。玉の数奇な運命がこうして流れていきます。すまないという細川藤孝。

 

光秀は自害しようとしていますが、槇に見咎められます。上様の専横を苦々しく思って

いた諸侯達は心の中では喝采を送っております。細川も高山も筒井も馳せそんじま

しょう。早まってはなりません。殿は源氏をお持ちでおります。朝廷はすぐにでも

征夷大将軍に宣下されましょう。殿、お気持ち強くお持ちくださいませ。

 

伊吹山寺には千代たちが待機していますが甚兵衛が現れ、城下のものが無事に

逃れることができた報告に来ました。千代の機転で、難を逃れたとその働きに対し

女子ながら千石にも値する働きだと褒め称えます。そんな千代は空腹を訴え、

おにぎりを手にしながら寝入ってしまいます。まことに図太い神経。あっぱれ。

 

その頃、一豊には六平太の使者が深手を負って現れます。毛利へと渡すはずだった

手紙を一豊が受け取りました。それには信長の死が書かれています。もしや罠かと

警戒する面々にさらに細川の手紙が。これによって真実だという判断を下した一同。

官兵衛の今こそそのときだという天下取りへの示唆をしっかりと誰もが胸にきざみ

ました。秀吉の胸は固まった!毛利への使者は決して通すな。高松城主清水が

腹を召したら我等は出発だと。その2日後、まだ信長の死を知らない毛利勢が

撤退するのを見届けるや否や、凄まじい強行軍を開始しました。

これが後の世に伝わる中国大返しです。もはや信長の死は誰もが知っていた。

光秀を討つ。されば天下は秀吉のものになろう。このとき、足軽、雑兵にいたるまで

「歴史のヒノキ舞台」に立っていたという。一豊は馬を走らせながら信長に声をかけ

てもらった数々の思い出をフラッシュバックさせています。

秀吉の天下はすぐそこまできていたのです。

さて、義昭は手紙をもらって大喜びです。信長が死んだ!

転び、起きては喜び、大笑いし。その不気味な無邪気さに笑えます。

光秀に手紙を書く。光秀は余を見捨ててはおらなんだ!ようやった~!

望むがままの官職を推挙してやろう・・。ふふふふ、信長め・・かゆい・・・

 

秀吉の一軍は天下分け目の戦にどう功名を上げるかで頭がいっぱいです。

一日20里、姫路を通って140キロの道を駆け抜けまもなく尼崎へと到着しました。

その速さは驚くべきとの特筆だそうです。翌朝には尼が崎を出発すると読んだ

光秀軍は山崎の合戦を目の前に画策しています。佐馬助に光秀は頼みます。

坂本で槇と倫を守ってほしいと。光秀の側にいたいという佐馬助ですが承諾の旨。

    明日、払暁、山崎へ出陣する!

天王山山ろくの淀川沿いに対峙した両軍の闘いは天正10年6月13日。

明智側からの攻撃で火蓋をきりました。


千代たちは食料を貰いに百姓を回っていたようです。何の情報も入ってこない今、

ただ、今日を生き延びることが自分達に課せられたことだと知っている千代。

夫たちは無事でいるだろうかとふと声が漏れるころ、千代は力強く、応えています。

一豊も筑前守様もきっと無事に切り抜けて助けにきてくださいます。


信長の死によって、時代が大きく変わろうとしていた。

千代と一豊もまた、歴史の大きなうねりの中に飲み込まれていくことになるのである。

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 歴史の中で一つの節目とも言うべき、本能寺の変を堪能しました。

信長と濃はしばらく並行線を辿っていたのに、最後の最後に心を通わせ

夫婦らしい最後を迎えました。私的に合格だと思います。

義昭さま、出番が終わったと思ったらサプライズで登場でした。

視聴者サービスでしょうか。ひとしきり笑わせていただきました。

ところでかゆいとは何?アドリブでしょうか?

千代と一豊が本能寺の変に密接に関わってるとは驚きでした。

一豊は運の強い男。秀吉に運を運ぶ男。

秀吉から大事にしてもらわんとね!



24 コメント

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こんばんは (ikasama4)
2006-06-13 20:33:08
今回の本能寺は私としても合格です。(笑)

千代と一豊が本能寺に上手く絡んでいたのに加え、更に明智の密偵に関して六平太までも絡んでいるとはちょいと驚きました。

義昭様が出てきたのにはちょっと驚きました。

相変わらず笑いは欠かしません。



皆悲しみに浸る暇もなく天下を目指し、京へ向けて前を向いて走る中、一豊がありし日の信長の言葉を思い出している姿が印象的でした。
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Unknown (「感動創造」)
2006-06-13 22:26:36
こんばんわ!



私的にMVPは濃でした。



それまでの反発が、ここにきての

信長とのシーンへの布石だったのかなぁと思い

感動涙でした!



これから秀吉の天下取りが楽しみですね。
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これが本能寺・・・ (まこ)
2006-06-13 23:34:41
今回のサブタイトル本能寺について知っていた事と言えば「本能寺の変」「明智光秀」「敵は本能寺にあり」程度の言葉しか知らなかったあたし・・・

ほんと何も知らなかったんだなぁ、お恥ずかしい限り

ただの謀反では無く、こんなにも複雑な人間模様があったんだと・・・

信長と濃の最後の掛合いが夫婦漫才みたいで泣き笑いでした
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こんにちわ (bluestar1719)
2006-06-14 10:23:09
いつもお世話になります♪

TBありがとうございました。



これまでと違った本能寺の変・・

ではありましたが、期待してたので

少々あっさり目だったので拍子抜け。



記事にも書いたんですが細川藤孝は

剃髪して隠居。家督も息子に譲って。

光秀の器量では天下は取れないと

見抜いていたんだと思いますよ。



三津五郎さん終わっちゃったなぁ。

今回の光秀よかっただけに・・。



http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200606110000/571e0/





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私も満足 (さくらこ)
2006-06-14 10:24:41
舘さんの個性に合わせての演出というのもあったんでしょうか、と思ってしまうくらい戦闘シーンの派手な本能寺でしたね。

濃も普段しとやかだっただけにとても綺麗でかっこいい、と思いました。

信長、何を思いながらの最期だったんでしょうね。

ちょっと笑みを浮かべたり、痛みでよれよれの様子が何だかとてもリアルに思え、色々な想像に掻き立てられました。



時代は新しい天下取りに進んでいきますが、気になるのはお玉ですねー。

ご主人のあまりにも厳しい態度が見ていて辛かったです。
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こんにちは♪ (ミチ)
2006-06-14 12:00:40
信長と共に生きると決めてからの濃姫がとても魅力的でしたよね。

ちょっとあっけなかったけど、夫婦でこのように散った本能寺もなかなか良かったと思います。

義昭の「頭かゆい」発言は、衣装がぼろぼろだったことからしてお風呂に入っていなかったのかしら?

ミタニンのことだからアドリブ??
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TBありがとうございます。 (lovespoon)
2006-06-14 14:17:49
本能寺、終っちゃいましたねぇ。

ちょっと短かったけど、いい本能寺でした。



>一豊は運の強い男。秀吉に運を運ぶ男。

秀吉から大事にしてもらわんとね!



ほんとですよ。

何か、全然実力は当てにされてないみたいだけどこれが今後の一豊君のポジションですね?

期待しておきます~。
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本能寺 (ルビー)
2006-06-14 17:17:09
最後の夜に信長と濃姫の関係が

若い頃のように戻って、

濃姫のかっこよさが際立ちましたね。

かっこよさを煌かせた瞬間に亡くなってしまって

観ているほうがやられた~って感じです



濃姫が光秀をみつめる顔が忘れられません。
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Unknown (りっきー)
2006-06-14 17:35:51
かりんさん、こんにちは~。

ついに本能寺も終わってしまいましたね。。。

信長とお濃さんをクローズアップしたところが、これまでに無く新鮮でしたね。

それだけに15分ほどで終わったのは、勿体無かったような気がしましたね。

来週には光秀がいなくなり、そして勝家&お市さんもいずれ・・・。

一気に寂しくなりますねぇ・・・
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本能寺 (劇団たぬき)
2006-06-14 20:27:49
こんばんは!

ついに終わってしまいましたねェ~「本能寺」

いや、みどころは満載でしたよ!「本能寺」

信長といい、濃といい、光秀といい・・・

そして“銃撃戦”“西洋鎧”“サーベル”“笑って死ぬ信長”・・・

まさに「役者の演技」と「いまだかつてない演出」が上手く融合して、味わい深い「本能寺」でした♪

完成度が高かっただけに、個人的には「15分」という括りだけが残念でした。。



かりんさんが仰った「2度目の本能寺」。。

今回の「功名が辻」(舘信長・坂東光秀)と後は何だったのでしょうか???



次回からは、新章突入ですネ!!
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