くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

功名が辻  第40話

2006-10-09 18:11:33 | 功名が辻

秀吉の死後、残された大名達は合議により政治を行う体制にしたという。

その核となったのは、残された秀頼中心になるようにとの親心でしょうか。

末永く豊臣繁栄を願ったことに違いありません。

その掟とは、

○秀頼に奉公すること。

○私的な争いの禁止。

○私的な縁組の禁止。

しかし、秀吉の死後であることを知り、ことごとく破るのが家康。

一方三成は秀吉の遺訓を忠実に豊臣家を守っていたのです。

                       

秀吉の死から数ヶ月してようやく日本に帰ってきた兵たち。

三成が出迎えましたが秀吉の姿がないことに怒っています。

いきり立つ面々を制してもその怒りもむべなることかと思いますね。

ようやく秀吉の死を告げるも、納得できないようです。

命からがら帰国した彼らに茶の湯をなんて言ってもね、空気を読め・・ってか。

しかし三成も宣言するのです。

「我等は上様のご訓戒の元、しっかりと豊臣の世を守っていかねばなりません」

納得できない福島正則、加藤清正、・・・


一豊は秀頼に謁見してますますかわいらしくなったといいますが、さて今後を

どうするか悩むところです。家康さえ野望を抱かなければ平和なのにと。

それは無理でしょう。秀吉の死をあれほど喜んだ人が何もしないわけがありません。

本能寺の変に似ているという千代。事変のあと、大名達の訪れるベクトルが変わっ

てしまったのでした。


気になって寧々(高台院)を訪ねる一豊夫婦ですが、なんとそこには家康が来て

いたのです・・。わお~~。そんな未亡人を懐柔して天下を手にするために・・。

一豊に秀吉遺訓の『徒党を組んで争うべからず』が守られてない事を暗に示し、

幼い秀頼では世は治まらない。家康を頼みにするしかないという言葉を寧々から引

き出しました。返す返すも上手いやりかた。家康ってとんでも狸だったのですね。

憮然とする一豊。これからも力を合わせて豊臣を守るという家康に頭を下げるしか

ありません。その家康が実は六男と伊達政宗の娘とを婚姻していたとは掟破りも

はなはだしきことでした。そして諸大名の囲い込み。着々と手を打っています。


その夜、寧々が家康の思惑を知らないわけがないのにあえてあのように家康を持ち

上げるのは最終的には『家康についてもよい』という暗示かと思うという千代ですが

一豊はどちらに付くかというとやはり豊臣しかないと千代に答えています。

なので千代はまだ焦らずに考えるということにして濁しました。


茶々(淀)は三成を呼びつけ、今頃になって秀吉を憐れに思っています。

自分がその存在を憎いと思うことで自分自身を奮い立たせてきた茶々ですが

死したあとはそんな対象もなくなり、心を強く引っ張るものがなくなったとでも

いいましょうか。今や茶々は豊臣の母だと説く三成ですが、虚しい顔は変わらず。

母として秀頼をしっかりと育てていくという発想はないのでしょうか?

少なくとも頼りにしている三成は豊臣を守ると言い切りますが、茶々も生ける屍か?


その頃、狸の家康は次の一手を。直正と碁を討ちながら考えています。

戦いの準備の真似事をすれば大名達はどちらにつこうかと迷う。

これで豊臣は二分されるはずだと読む家康です。そしてそれはその通りになります。

まず福島正則、加藤清正・・明国で感じた不満をそのまま豊臣を裏切ることで

晴らしましたね。予想通り。ほくそ笑む家康。


一豊たち同期三人組と重臣が家康を訪れますが、遺訓をなぜ破るかと

真正面から訪ねる堀尾に、家康は「忘れてた」と答えるのみ。

こんな老獪さがある限り、勝てるわけがないのが当然ですね。
 
サインまでしておきながらと言うのですが、自分に非があったのは認めながらも

豊臣を守っていく気持ちに偽りはないのだと強調する様子に唖然。

そして、咎めは大老職を離れる事になると聞くや秀頼を守るように言われていると

いうのに自分を追放するのかと開き直った・・さすがですわ~~

ついには告げ口したものを「うつけ者!」ということにしてしまいました。

報告を聞いた三成も呆然としていましたねぇ・・・


雷鳴におののく千代の前に現れたのは六平太。堀尾が家康についたということを

告げにきたのです。秀頼の領地をあげたらしい。だから一豊にも出遅れるなと言え

との助言。どちらにつくか。三成は命を賭して豊臣を守るから。千代の出方が見もの

だと面白がってる六平太。そして福島と加藤が家康に言いくるめられて三成を

狙っていることも伝えました。さて三成、絶体絶命。

 
堀尾を訪ね聞きただしてみれば堀尾は豊臣に恩があるため戦には立たない。

だから今日限り隠居するといいます。先般の老獪さに誰も家康には勝てないことを

痛切に感じたという堀尾。一豊に別れを告げようとしていますが憮然として帰ります。

裸足だったのかな?草履を手にしていましたけど・・怒りのあまりそのまま帰った?

その夜、三成が加藤らに狙われてるという報告が新一郎から届きます。

三成を守ろうと一豊は出て行きます。しかし八方塞がれてしまい残りは・・?

三成の窮余の策は家康の屋敷に逃げ込むことでした。上手いですね。


三成がやってきた事を知る家康は呆然とします。考えおったな・・。

やはり只者ではないことを家康も感じたようです。

三成と家康が対面するシーンは緊迫してなかなか良かったと思います。

これぞ時代劇、腹のさぐりあいって感じ。

「徳川殿の懐の深さには誰もが手のひらの上で転がされてしまいますな」

「これはこれは手厳しいですな・・ほっほっほっ・・・」

「正しいことは人に痛いものでござりますな」

「正しきことが正しき事と限らぬのが人の世とも申しまする」


しかしこれがもとで豊臣を二分したという罪で三成は佐和山に隠居となります。

三成を助けたのが家康。家康の裁量でこうなったと一豊は千代に話しています。

ここからいつもの千代の推理が動くのです。

これはもしかして大きな戦になるかもしれません。

家康豊臣ではなく家康三成になると予想しています。

どちらにつくのかと迫る千代に答えに窮する一豊は逆に千代ならどうするかと。

千代は掛川6万石の小さな大名だから様子を見て動かないと言いました。

さあ、一豊はどうする?

しかし二人は鬼ごっこのように追いかけ、逃げ・・まだ戦を感じていません。

天下分け目の関が原はこの日から一年半後だということです。

                       

寧々や茶々の出番が少しですがありました。  

秀吉亡き後でも茶々は側室だから出家はないんですね~~??

秀吉は秀頼中心の世を夢みていましたが、こんな赤ん坊を守り立てて

守るという意識が皆に残るとは思えないですよね。

そういう冷静さを欠いた秀吉がちょっと判断力不足でした。

思うに秀次がまず跡を継ぎ、そして必ず秀頼に渡すという一筆を残せば

良かったのではないですか?

そちらのほうが豊臣は残せたような気がします。

思うに無念の死を遂げた秀次に同情した天が家康擁護に回ったのかも?

とにかくもうしょうがないですね。

家康は天下が欲しいし、三成は豊臣を守らないといけないし。

着々と歴史的なその日は近付いてくるようです。

しかし残り10話を切ったのですよね。

一豊が四国の主となるいきさつの説明は丁寧にしてくれるでしょうか?     



22 コメント

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こんばんは♪ (あむろ)
2006-10-09 20:00:39
こんばんはー♪



そういえば残りの回が少なくなりましたね。

関が原に2回ぐらい割くとして…。

一豊が四国へ行くいきさつは…。

いや、ここを外したらなんだか…ねぇ。



きちんと説明してくれるものと期待しましょうw
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あともうちょっとで… (もちきち)
2006-10-09 21:05:34
こんばんは。

今回はもう40話だったんですよね。

あとのこり9話で、すっきりまとまって

終わることができるのか心配です。

ラストシーンのロケが高知で行われたことは、

ニュースで見たのですが…。
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こんばんは (ikasama4)
2006-10-09 21:11:39
正しい事は痛い事という三成に

正しい事が正しき事と限らぬのが人の世という家康。



さしもの三成も家康の前では赤子同然。



彼の正義論は立派な事なんだが

彼の言葉は理想を貫きすぎたようですね。



家康の言うように時には妥協も必要だという事のようですね。



>思うに無念の死を遂げた秀次に同情した天が家康擁護に回ったのかも?

このドラマでは描かれていませんが

三成は秀次の助命嘆願に奔走し、

秀次の死後、遺された秀次の家臣たちは

その三成の行為に恩を感じ三成に仕えたそうです。





どちらにしても秀吉が引っ掻き回してしまった後の天下ですからね。

収拾をつけるとすれば

仮に実力のある人であっても

天下は人望がない人よりかは人望がある人の方がいいんでしょうね。

それは今の時代も変わりがないようです(苦笑)
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こんばんは♪ (ミチ)
2006-10-09 22:30:03
家康ももう既に天下はほとんど手中にあるのにも関わらず、さらに大いくさを仕掛けようとするなんて、すごい考えの持ち主ですよね~。

こりゃ秀吉よりもまだまだ上の人物に見えてきます。

柄本さんが不在でも、西田さんがすごい牽引力を発揮していますよね。
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こんばんは! (りっきー)
2006-10-10 18:21:33
かりんさん、こんばんは!

家康もいよいよ本格的に動き始めましたね~。

それを防ぐべく、三成も動き始める訳ですが、

家康の手の上でコロコロと動かされているようで、

勝負は目に見えていたような感がありますね。。。



一豊も、色々と揺れ動いているようですが、来週

以降に、どのような心の動きが描かれているのか、

とても楽しみですね☆



残り回数、もう10回切ったんですね。。。

一豊が四国へ入るときは・・・ドタバタになりそうな

予感ですね。。。^^;
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こんばんは~ (さくらこ)
2006-10-10 20:33:31
今までの三成の怪しげな雰囲気がすっかりなくなってしまいましたね。

そして家康が随分腹黒い感じに描かれているように思えます。

どちらに付くのが得策か、というより、誰もが家康を怖がっているようにも見えました。

人の心を掴むのも上手いですね。

その後舞台裏でいつもという調子ですから、どうも苦手です、この人。



山内家鬼ごっこなんかしている場合じゃないんですけどね、随分ラストは楽しげな雰囲気でしたね。

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こんばんは! (くみ)
2006-10-10 21:08:52
なんといっても「豊臣」は当主が幼すぎます。

そして親戚、縁者いなさすぎ。

秀吉・・・秀次を殺しちゃったりするから・・・。

秀頼には、頼りになる大人で、縁者っていないのですよね。

だからこそ三成は「自分が!!」と思ったと。

「天下」よりも「継続」にこだわるべきでしたね。

家康は、おそらく敵は「石田とその仲間たち」と言うでしょう。

あからさまに「豊臣」というと、味方につく大名達が躊躇しますからね。

しかし、かっとばしすぎですね~!!

余裕なさそう。
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Unknown (「感動創造」)
2006-10-10 23:30:59
こんばんは。



三成と家康の対峙は緊迫感がありました!

いい芝居しますよね!



今のところ、一豊は豊臣派ですよね~。



ここから、どんな心の動きがあって

徳川派になるのか

非常に興味津々ですね。



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あむろさん♪ (かりん)
2006-10-11 21:30:31
こんばんは!



残り9回だそうですね・・早いですね。



いろんな歴史トピックスがありましたがドラマがすべてだと思っています。

そんなわけで一緒に歩んだ感がありますが、

四国までのみちのりをゆっくりと歩きたいものだと思っています。

まだ関が原がありましたね^^;



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もちきちさん♪ (かりん)
2006-10-11 21:34:33
こんばんは!



もう撮影自体はクランクアップしているのだそうですね。そういえば千代と一豊のお二人にもロマンス説が流れていましたし。



9回を残してはいますが、そのうち関が原は大きい扱いになりそうですね。

そして四国への旅ですか?



このごろ一豊が立派になってきてる(勘違い??)から、国を治める様子も見てみたいですね。
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