くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

わたしたちの教科書  最終回

2007-06-29 16:49:08 | わたしたちの教科書

私の代わりに、あなたがいじめられてよ!

わかった!代わる。

アナタが私で、私があなたで。

小学校から仲良しだった二人にとって

延々と続くその先がもっともっと先まであったと思いたい。

 

朋美は証言台にて秘めていた告白を始めます。

二人の秘密基地は廃墟。日が暮れるまで遊んでた二人。

朋美、三日月、キリギリス、

水車、シャンデリア、明日香。

二人で楽しい事も悲しいことも半分にし、あなたは私で

私はあなたで、二人でずっと生きていこうと約束していた。

しかし、朋美に陸という恋人ができてその関係は変わってしまった。

ある日、陸の父親としらずに援助交際のオヤジを気持ち悪いと言ってしまう。

その時、陸が泣いていたことに気づいて、父親だとわかった。

そしてその翌日から朋美はいじめられっ子になってしまいます。

雑巾くさいといわれ、アダナは雑巾。

いじめというのはこうやって起きるということが分かります。

本当にひょんなことから、偶然の出来事から始まるのです。

明日香にはいじめられる原因を打ち明けていたし、明日香も話をしようと

してくれたけど、見下されてる気がして断った。

「あなたみたいな親の居ない子に同情されたくない」とひどいことを言ってしまった。

それでもピアノがあったから頑張れたのに、モップがあたった指が折れた。

骨折。指が曲がったのですぐに気づいた。

もう人生が終わったと思った。。朋美。絶望しかこの子にはなかったようです。

そしてカッターナイフを持って秘密の隠れ家に行きました・・・

しかし、そこに現れたのは明日香。

 

その頃、職員室では音也の猛口撃。

加地は出血と痛みに呻いていますが、

陸にナイフを突き立てたまま、職員たち一人ひとりを糾弾。

生徒のために身代わりになる先生はいないのか?

雨木が代わるといっても無視。

しかし、陸が「悪いのは全部自分だ」というのがびっくりです。

先生たちは一生懸命にやっていた・・・

職員達の目が驚いたように見開かれました・・・

最後の最後に、それまでの自分の行状の精算をするような陸。

 

そして朋美は止めにきた明日香に「代わってよ」と言います。

両親に相談すれば、という明日香に、誰も自分の気持ちなんてわからない。

そして私の代わりにいじめられてよ!と言ってしまいました。

そうして明日香は陸の噂を流す事でいじめの目を

自分に向けさせることに成功しました。

なぜ、そこまで?

あなたは私で、私はあなたで・・・。

約束したでしょう?私には悲しむ人などいないから。

そして次の日、明日香の机の上には消臭剤がおいてあった。

明日香が死ねばいいのにと誰かが言ったけれど違うの。息が荒い朋美。

はあはあ・・言いながら話を続けます・・そして核心の部分に入っていきます。

教室にいた明日香に、声をかけました。

あすか・・・振り向いた明日香はいつもと同じに微笑みかけてくれました。

 

職員室では陸が明日香に自殺においやったと自分が明日香に成り代わって

裁くと言います。その時に、加地が「誰にも裁くことはできない。明日香は

そんなことを望んでない」と立ち上がろうとしました。その加地に向かって刺そうと

した音也。ナイフを母親が握りました・・手に食い込む刃。おかあさ~ん・・・@@

音也は母の代わりに実行したかったのでしょうか?

そして110番も119も通報。

加地は目を見開き崩れ落ちました・・声にならない声にわなわなさせながら。

耕平~~~!!大城の絶叫が響きます。

 

いじめよりもひどいことをした私に明日香は微笑みかけてくれました。

私たちは駅伝のたすきをつないでいるんだ。加地先生にそう教えてもらったという

明日香。朋美と一緒に走ってると思えば大丈夫。そして一緒に隠れ家に行こうと

いう明日香の声を遮って窓の手すりから飛び降りようとする朋美。

明日香は隠れ家に行き、そこで死ぬのをやめたと言います。

一人じゃないってわかったの。私にも死んだら悲しむ人がいるってわかった。

どんな人にもいるの。それは生き続ければきっと気づく・・・

だから死なないで。死んじゃダメだよ。生きてなきゃダメだよ。

珠子の目から涙がこぼれます。本当に明日香はそう言ったのですね。

死んじゃダメだよって。明日香がそういったのですね・・・

朋美・三日月・きりぎりす・水車・シャンデリア・明日香。

わたしたち、また一緒に帰ろう・・?

そうして窓の安全棒の枠に座っていた二人が、一緒に生きる決意まで戻りました。

朋美はすぐに教室に入っていけたけれど、明日香が雨で濡れた淵に足を滑らせて

転落してしまいました。そして悲鳴が上がります・・・

明日香が死んだのは自分のせいだと死刑にしてほしいという朋美。

珠子は涙を流しながらも「これ以上自分をせめてはいけない」と肩に手をおきます。

しかし朋美は心を殺したように無表情になってしまいました。朋美ちゃん・・・

 

1年後。

珠子は喜里ケ丘中学を訪ねます。明日、結審だというのです。

明日香の机の上にタイヤキを置き、二人で食べながら供養をしています。

加地は腰の神経を切ってしまったのか、車椅子のままでした。

学校は変わったようです。今もいじめはあるけれど先生たちの議題に上がるそう。

皆で議論し、より良くしていこうとする空気があるのは何よりです。

朋美と雨木の消息がつかめてない珠子。

ホームルームに何かメッセージをと請われ珠子は黒板に書いていきました。


裁判所。

珠子と瀬里は久しぶりに和やかな顔になっています。

朋美の証言により珠子は裁判を降りると思っていたが、最後まで走ったのは

意地か?何が正しくて間違ってるのかわからないし明日香は裁判など望んでない

と思う。しかし、瀬里は珠子に最大限の賛辞を贈りました。

君の闘いに恥じるところはひとつもなかった。

不遜なものいいね。ようやく二人の間に笑顔が戻りつつあります。

 

裁判は珠子の訴訟の一部を残して棄却。ほぼ珠子の敗訴です。

しかし、そんなことは関係ないのです。

いじめという学校に潜む暗闇を表に出す事に腐心した珠子。

珠子の目的は遂げられました。

 

学校では珠子が残していったメッセージが生徒達の疑問の的。

「世界を変えることはできますか?」

今回のHRのテーマに生徒達それぞれの考えが発表されました。

次代を担う子供たちが真剣に議論する姿は頼もしいものです。


明日香の墓参りに行った珠子は雨木に会いました。

今は、不登校の児童をあずかるボランティアをしていると言います。

そしてそのつてで、朋美のことも聞きました。あの子を救えるのは珠子だけ。


朋美は無表情のままでした。

あなたにつれていってほしい場所があるの。

それは明日香と朋美の秘密基地。

明日香に会いたいと思わない?

 

廃墟の基地は子供には魅力があったようで、

絵が描かれ、おもちゃのピアノもありました。

そして、壁いっぱいに書かれたメッセージに二人は釘付けになります。

明日香より明日香へ。

死のうと思ってきたけれど、ここに来て一人じゃないことに気づいた。

ここには8歳の明日香も、13歳の明日香もいて、30になり80になる私がいる。

昨日今日明日とつなぐ明日香は、死んではダメだ、生きるんだと。

思い出も夢もたくさん作って

長い長い時の流れを行き続けよう。

わたしたちは歩き続ける。

いつまでもいつまでも。

珠子と朋美は明日香からメッセージを受け取りました。

                        

死のうとした明日香が8歳の明日香から

生きて明日の明日香を見せてほしいとメッセージを貰った。

だから、生きようと思ったということなんですね。

すごい子ですね。この時13~4才?

こうして、メッセージを書き残したのは

あの日に朋美に見せるためだったはず。

それなのに足を滑らせて落下してしまった明日香。

そこから朋美の苦しみが始まったのですね。

でも、こうやって明日香のメッセージを読むことができて本当によかった。

だって、アナタは私で、私はあなただもの。

明日香はいつだって朋美のそばにいるんですね。

長い人生、死なないで、生きて。。

昨日、今日、明日とつないでたすきをうけとって

生き抜いてくださいというメッセージ。

確かに受け取りました。

 

裁判の証言に語る朋美の演技力に目を見張りました。

すばらしかった



8 コメント

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かりん様、お疲れ様でした。 (キッド)
2007-06-29 19:16:47
かりん様だから申しますが
礼と明日香・・・。
同じ転校生で
ありながら・・・。
その落差はいかばかりでございましょう。
礼にもなれたはずの
明日香を思うだけで
じいやは前が見えなくなってしまうのでございます。
このように
ほとんどの子供たちは
いじめたりいじめられたりしながらも
生き延びていく。
それでも「死」まで追い詰められる
その「差」は本当にわずかなのかもしれません。
このドラマは傑作でしたが
甘いと感じる方も多いかもしれませんし
分かりにくいと感じる方もあるかもしれません。
そういう甘さや理解力の不足が
その「差」を作るのだろうなあと思うと
じいや、またしても前が見えなくなるので
ございます・・・。
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Unknown (mari)
2007-06-30 02:03:30
でない答えを探って、それでも、何もしないよりは、
良い。そんな感じのドラマでした。
明日香が、事故死か自殺か、殺人かと最後まで引っ張った割りに、あっけなかったです
あとで考えてみると、もっと重くしたら、貰うメッセージが絶えがたくなりそうでした
瀬理が珠子をほめたように、声をかけたいです。加地も、いつの間に一人前
ドラマも最終回ラッシュ。お疲れ様でした。
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Unknown (みのむし)
2007-06-30 20:22:00
明日香が最後に自分に対して書いた手紙?
がすごくよかったです。
いじめられてても、がんばって生きようとしてた
ってところが泣けました。
このドラマを通じていろんなことをいろんな角度から
見られて本当に楽しめるものでしたね。
普通のドラマだといじめは学校の中だけ、
教師と生徒にも隔たりがあるのに、これは
それぞれの人間模様も描かれてて面白かったです。
最後、音也がどうなったのか?cちょっと気になる
部分もありますけど・・・
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こんばんはです (ikasama4)
2007-07-01 03:46:57
明日香を救えなかった
明日香を見殺しにしてしまった
その罪の意識から逃れられなかった朋美と珠子

事実としては「事故」だったけれども
珠子はその事実を知るまで「自殺」だと思ってた
自分が彼女をそうさせてしまった
自分が彼女を殺してしまった罪の意識から
逃れる事ができなかった。

朋美は自分が死のうとしなければ
明日香はあんな風に死ぬ事はなかった。
自分が彼女を殺してしまった罪の意識から
逃れる事ができずに自分を死刑にして欲しいと願った。

二人はよく似てます。

あなたは私
私はあなた

だからこそ朋美を救えるのは珠子しかいないのでしょうね。

二人でメッセージを読んだ時
青い窓から光が溢れる。

それが明日香が言ってた
「あなたが死ぬと悲しむ人」

それが朋美の希望

ここの演出が本当に良かったです。

最終回らしい最終回でした。
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キッドさん♪ (かりん)
2007-07-01 23:15:30
こんばんは!

キッドじいやもお疲れ様でした。
毎回、読み逃げしながらもじいやのレビューが
面白くて、楽しみでしたよ!!

>礼と明日香・・・。同じ転校生でありなら・・・。
その落差はいかばかりでございましょう

言われてみると二人とも転校生ですね!!
陸はもしかしたら健になれてた可能性だってあったのにねえ。

この差はドラマを選んだものの差です。(笑
ストーリーの違いですが、
学園生活は通った学校によっても運が違います。
そういう意味では礼はかなりラッキーな子でした。

明日香も本来は子供らしく楽しく過ごせていたのに
ちょっと運命がイジワルしてしまいました。

最後の最後ですごく意外な結末になりました。
あすかはいじめに負けていたわけではなかったですね。あの強さはたった3ヶ月だけの母親から譲り受けた気質かもしれません。
それだけに事故だとは惜しかった。
けれど救われたことも確かです。
次期ドラマの志田さんも見てみたいですね!
そこを確認なされてどうぞご安心なさいますように。
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mariさん♪ (かりん)
2007-07-01 23:40:04
こんばんは!

>明日香が、事故死か自殺か、殺人かと最後まで引っ張った割りに、あっけなかったです

そうですね。
真実が表れると真実は程よく溶け込んだようになってしまいました。
でも、事故でよかったのですね。
これが自殺だったら救われなかったかも。

加地はやっと一つの芯を自分のなかに見出しました。
遅かったしその代償で車椅子になってしまいましたが、逆に誇りを手にいれたようです。
加地なりに頑張ったといえるでしょう。

mariさん、次期もよろしくお願いします♪
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みのむしさん♪ (かりん)
2007-07-02 00:06:22
こんばんは!

>明日香が最後に自分に対して書いた手紙?
がすごくよかったです。

私もかなり精神年齢の高い子だとびっくりしました。
この年頃だから想像力も豊かで、
朋美とつむいだ友情も幻想的でしかもかわいい。
明日香は小さい時から想像を大きく膨らませて育っていった子でしたもんね。

>それぞれの人間模様も描かれてて面白かったです

職員達の性格も私生活もそれぞれ興味深いものでしたよね。
雨木でさえも息子という枷があったし。
いろんな事情を抱えているオトナと、
戦場で戦う子供たちと。

置かれた立場も理解できる状況でした。
でも、こういう学校生活はいやね。

同じ学園モノでもP大みたいに平和でのほほんと
過ごせるものが見ていても幸せだわ。

>音也がどうなったのか

何も説明がなかったけれど、たぶん刑務所ですよね。
今度は長いのではないでしょうか??
せっかく就職も決まったのに。
雨木はショックでしょうね。
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ikasama4さま♪ (かりん)
2007-07-02 00:12:48
こんばんは!

>その罪の意識から逃れられなかった朋美と珠子

二人ともに自責の念が裁判に向かわせたのですね。
戦い抜いた二人でしたが、
朋美は重荷を吐き出したあとは心が壊れてしまいました。
珠子は、事故だったことに少しは救われたかもしれません。

>二人はよく似てます。

明日香を通じて知り合えた二人。
珠子は朋美のなかに明日香を見たかもしれません。
だからこそ、朋美を救わないといけなかったのですね。
二人が背負ってきた明日香の死の重さも、
窓から入り込む光が救ってくれたのですね。

明日香が決して死にたがってなかったことを知り、
二人ともに、自分の心が開放されたように感じたでしょう。

なかなか魅せてくれるラストシーンでした。
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