くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

「白夜行」第7話

2006-02-24 17:41:33 | 白夜行
  だからもう幽霊はやめて。私に約束守らせてよ。

  お帰り、亮・・・。

  なあ、雪穂。おれたちは醜かったな。誰もが目をそむけるほど醜かったな。

  だからこそ誰もが突き放すその醜さをお互いに抱きしめようと決めたんだ。

  ただいま、雪穂・・・。

新しい人生ではなく汚れた醜さの上塗りを醜さの上にふたをして、二人で決めた

その選択を、確かめるように。昼の太陽を行くはずだったのに、二人。

 

オープニング。先週いきなり笹垣に殴られた園村でしたがそれは亮司の指示に

よるものでした。「オレの代わりに昼の世界へ戻って欲しいんだよ」

亮司のシナリオ通りに、松浦の腰ぎんちゃくと証言した園村。屈託ない第3者。

しかし笹垣は信じるはずがありません。その目は執拗に雪穂をおいつめようと

していました。いきなり松浦から電話がかかっても不審の表情もなく出た雪穂。

笹垣はお見通しです。雪穂の証言もまた亮司のシナリオによるものでした。

  「母が殺人犯であることをネタに強請ってきたこと。

   たまにはキリハラという人も来て二人で」と、大粒の涙とともに。

しかし雪穂はうっすらと笑いを浮かべてしまいました。謎の微笑。それは母を送った

成功をひっそり喜んだ子供の雪穂と重なり、笹垣は逆上し雪穂を殴ってしまいまし

た。未だ疑いの段階から進めない笹垣に挑戦するように妖しく冷たく、雪穂の微笑。

負けない雪穂は叫びます。「どうして私が殴られなければならないのですか」

笹垣は既に警察でも問題児扱い。病的な執拗さが周りから敬遠されています。

しかし笹垣はやらねばなりません。自分を慕ってくれた天国の古賀のためにも。

 

   こうして俺たちはウソにウソを重ね、ストーリーを書き換えた。

   俺は加害者に、雪穂は被害者になった。

   売り払ったのは俺たちの人生に残されたたった一つの美しさだった。

ちゃんと幸せになれと亮司は雪穂に言いました。真っ向から二人が対立することで

二人の接点を消し去ろうとしたのでしょう。雪穂の嫌だという声が、虚しく響くばかり。

   なあ雪穂。俺にはもうあなたと歩ける未来なんてなかったし

   あったとしてもそれはもう、あまり幸せなものじゃなかったろう。

   だから生きていこうと思った。ただあなたを見守る幽霊のように。

 

2002年。舞台は東京へと。雪穂の手に落ちた高宮ですが、その怖さを背後に感じて

いたのでしょうか。結婚まで一週間というのに片思いの三沢千都留に気持ちが

大きく傾いています。篠塚に相談しては差し戻しです。結局は自分で決めるしかない

のです。なぜ雪穂と結婚するのかと聞く篠塚。真相は、雪穂の堕胎のようでした。

首をかしげる篠塚。その目は遠い記憶をたぐりよせています。違うぞ、それ・・・。

勘が知らせるけれど、高宮に言ったところで証拠もない話。高宮の思うように気の済

むまでやるしかないかな・・。ふ~~ん、で、どうしたいの?迷いつつ高宮の考え。

  決死の覚悟で告白してみる。うまくいったら結婚やめる。

  だめなら運命と思って雪穂と結婚する。

身勝手な男の論理。雪穂の打算の結婚ではあるけれど高宮も勝手です。これは

お互い様だと篠塚だって思ったはず。ただし友情は協力を告げるのみです。

そして亮司も雪穂に同じことを告げています。はた迷惑な「ピュアさ」という雪穂。

亮司は複雑。けれど幽霊になると誓った亮司なのです。探偵さながら二人の尾行。

そして笹垣のコートまでそっくり同じに変装してみる亮司。ただ一人雪穂のために。

 

そして決行の日。雪穂は突然に高宮を訪れます。あわてふためく高宮。ふっ、ちゃん

とわかってるんだから。けれどこう言うの「旅行に行くための買い物につきあって。」

独身最後のデートだし食事して・・。引きとめ工作に必死な雪穂。しかし篠塚は来て

しまいました。ダンス部じゃないから連れて行けないという篠塚。一瞬よぎる悔しさ。

でもしおらしく言ってみるの「わかりました・・」って。一人雪穂を残して随分冷たい

二人。走り去った車に憤然とした目を向けると携帯が。そう次は亮司のステージ

なのです。三沢がやってきたけれど笹垣までやってくるとは誤算でした。同じコート。

不審感を植えつけそうです。逃げてと叫ぶ雪穂。でも亮司は成功しました。

その奥の手は、どこで手に入れたのか警察手帳を見せることにありました。

   「犯人逮捕のために部屋を譲ってほしい。

   代わりにアトランティスホテルを提供しましょう。」

とっさの機転。亮司はこんなスリルの生活を送っているのでしょう。その場しのぎに。

三沢はキャンセルしたと聞く高宮。雪穂と結婚する運命だという高宮。

運命は亮司と雪穂が作ったのとも知らず。

雪穂の名が聞こえた時、笹垣は引き寄せられるように篠塚に吸い付きます。

写真を見せ、幽霊のようなやつだと亮司を。雪穂の幸せのためだと塗り固めて。

 

こうして何事もなかったように高宮となった雪穂。亮司は寂しい気持ちが消えません

ここは図書館。HPに初の書き込みがありました。

 「俺には幸せにしたい人がいます。だけどその人が本当に幸せになってしまったら

  俺を必要とする人は誰もいなくなってしまう。」 レットバトラー。

だれも呼ぶはずがないのだと今にも飛び降りそうに下界を見下ろしながら向こうと

こちらの狭間に座る亮司。その亮司を確かに呼ぶ声がする。雪穂・・なぜ?

パスポートを忘れたふりをして先に行ってもらったという。雪穂はこれからこうやって

高宮を欺いていくのでしょう。ハイこれ、IDとパスワード。ここからもらえるものは

もらっていって。それをお土産に亮ちゃんに太陽を返したいの。

いい加減にしないときりがないからと投げ返す亮司。雪穂は今こそ約束の時だと。

  この結婚は売春と同じ。亮の幸せが私に免罪符。

  亮がやったことは私のためにやったこと。私がやったことは亮のため。

  お互いに正当化しまくって生きていこう。

最悪だろう、それは。雪穂だって何もかも失うかも知れないし。

  もとから何も持ってない・・亮、以外。

  だからもう幽霊はやめて。私に約束守らせてよ。

なあ雪穂、俺たちは醜かったな・・・

  「お帰り」「ただいま」

幽霊ではなくこの世にちゃんと存在することを太陽の下を、きっと歩いていこう。

ビルの屋上で向こう岸との狭間から雪穂のもとへと戻った亮司。

 

それからまもなく。

笹垣は退職し探偵事務所へと転職。弥生子のもとにしつこく、それはもう刑事の

正義ではありません。ただ喪った古賀のために、自分の狙う獲物のために。

  念仏は浄土に生まれる種や、地獄に落つべき業や。総じて存知せざるなり

 

雪穂はしたたかに高宮に甘えます。お友達とブティックを始めたいの。

お父様、青山にビルを持ってたよね・・・

亮司は太陽を手にしました。IT会社。秋吉主任・・・。

 

*******************

年代が新しくなるほど実感が伴い理解しやすいかもしれませんね。

今週の探偵、亮司は緊迫に包まれ、ぐいぐいとひっぱってくれました。

ちょっとしたサスペンスも味わえて、かなりあっという間に終わった気がします。

雪穂はまんまと高宮と結婚しましたね。愛は亮司のもとへ残して。

お坊ちゃま高宮がどの程度騙されてくれるか楽しみでもあります。

笹垣はとうとう警察をやめてしまいました。いづらくなったのもあるでしょうが

とにかく二人が憎くてたまらないようです。

図書館の谷口司書はHPの書き込みは亮司だとすぐにわかったのでしょうか。

雪穂の母、礼子は家族がいいものだと教えてあげられなかったと言いました。

もしも、教えてもらえてたら雪穂自身が意味のない結婚と言ったように

こんな寂しいことをせずにすんだでしょうか。

打算だけの結婚とはどんなものでしょうね・・・

***************************

どうもインフルエンザが我が家に上陸した模様。私に来るのも時間の問題かな?

朝から、呼び出しや薬の説明でバタバタ忙しく、UPが遅れてすみません。

 

 



15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mari)
2006-02-24 18:22:11
かりんさん、コンニチワ。

インフルエンザは、室内でもマスクしたり、医者によっては、タミフルを一緒に飲ませますよ。それでも、

マスクはしていた方がよいですね。

お大事に



今回、潔いほど覚悟を決めた二人に、”共犯者”私は

なぜは、ほっとしたり、現実に戻ったりと、忙しかったです
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TBありがとうございます! (Nob)
2006-02-24 18:27:34
かりんさん こんばんは~

TBどうもありがとうございました!

こちらからのTBがダブってしまい申し訳ないです。

最初反映されなかったので再送信してしまいました。

申し訳ないですがひとつは削除お願いします。
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また読ませていただきました (谷口真文)
2006-02-24 19:00:07
■『くつろぎ日記「白夜行」第7話』を読ませていただきました。今回のかりんさんの文章で一番好きな箇所は「雪穂と結婚する運命だという高宮。運命は亮司と雪穂が作ったのとも知らず。」というところです。あと4回執筆よろしくお願いします。

ところで、TBSは予定通り全11話を放送するんでしょうね。まさか全10話とか全9話に短縮してしまうようなことはないでしょうね。

■新聞のテレビ欄の夜9時のTBSのところを見たら、山田孝之と綾瀬はるかの次に「余貴美子」と書いてあったので驚きました。準主役級の扱いです。大江図書館の谷口さんって重要な役なんですね。

図書館の公式ホームページに谷口さんが開設した掲示板に早速、レットバトラーの幽霊というハンドルネームで、亮司が書き込んで心情を吐露していました。雪穂は図書館に直接来るけれど、亮司はこういう間接的な形で、これからも、谷口さんに話しかけることになるんでしょうね。

■では、また来週お会いしましょう。
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mariさん♪ (かりん)
2006-02-24 22:06:09
こんばんは!

うちの状況をご心配くださりありがとうございます。

実際高熱です・・・私のところに来るのも時間の問題ですね。室内ですがマスクしてます。



今回は危険なシーンがなくてほっとしましたね。

共犯者ですか・・だとしたら私もですわ。

結末はわかっているけれどどうか無事にと祈る部分があります。

この先は篠塚の目が怖いですね。
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Nobさん♪ (かりん)
2006-02-24 22:09:21
こんばんは!

TBの件はお気になさらずに。

今週の亮司と雪穂はまた戻ってしまいましたね。

一方では高宮を手にして。

大したものです。

あの謎の微笑にぞくっときました。
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谷口真文さま♪ (かりん)
2006-02-24 22:24:10
こんばんは!

いつもありがとうございます。

今日はUPがかなり遅くなりました。

来週はどうなってるのか自分でも想像がつきません。



谷口さん、丁寧にお読みくださったのですね。嬉しいです。

今週はまさに高宮の運命を二人が握っていました。

高宮家は格式がありそうですが雪穂の調査をしなかったのでしょうか。うまく乗せられていった感があります。篠塚が不審な目をしていながらスルーしているのも謎でした。

家柄という言い方は変ですがバランス的にもよく結婚できたものだと思います。

全11話ですか。きっとそのように予定していると思います。でも数字は相変わらずよくないですね(苦笑)



谷口司書は重要なんですね!

オアシス的部分が皆さんの支持を得ているようです。

ずっと二人の味方でいてほしいですね。

今回の亮司の書き込みはレットバトラーで気付いたでしょうか?



亮司が甘えたいと思った時など書き込みをして谷口さんに相手になってもらえるといいですね。

この前の雪穂との恋愛相談みたいに粋な回答を出してあげて欲しいです。







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はじめまして。 (ジンク・ブルー)
2006-02-24 23:40:35
TBありがとうございました。



俺も今話はすぐに終わった気がしました。

展開が遅かったせいでしょうか?

内容が濃かったのかな?



インフルエンザですが、

口の中を清潔にしていると

発病を少しでも防げるみたいですよ。

(「ためしてガッテン」でいってまいた)

俺は歯みがきの時に、舌もみがいています。



俺の所にも遊びに来てくださいね。
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インフルエンザ (くう)
2006-02-25 03:48:53
今年は久々に我が家にも上陸して大変だった(>_<)

移らないと良いね。

タミフルは、よく効きました。



2人が完全にタッグを組んだ感じで久しぶりに

亮司にとっては良い結果になった回だと思いました。

でも、笹垣がしつこく追っているし、これからは

篠塚も絡んでどうなるか。。。

ハラハラします。
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かりんし~いおひさ~ (じょり~)
2006-02-25 14:12:11
インフルエンザ・・・気をつけてね~

うちもかかってる人がいますが「うがい薬でうがい・手洗い」して移らずにすんでま~す



寝込まないようにね~

栄養つけてファイティ~~ン



そういえば「ごじゃせんと」

となつかし~い方言でてましたね~



よく「ごじゃばァ~ゆうなァ~」といいます。

この「ごじゃ」はうそ(でたらめ・めちゃくそ)

「バア~」ばっかり

言わないで・・・



「ごじゃせんと」も無茶ばっかりするな・・ときれいな言い方をするとそうなるけど



「ごじゃじゃ~」と言う「最悪・最低・むちゃくちゃ・(極道の世界の若いもん)」みたいな深い意味があります



どうでもいいことだけどね~



話がそれたけど「白夜行」ついに「結婚」「再就職」までしちゃってたね~すごい・・・{/h
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度々ごめんなさい (くう)
2006-02-25 16:48:56
前に書いたコメント、途中で切れてる(+_+)



今回で一番私が謎だったのは、いくら情報を持っていったって言っても

あんなに簡単に就職なんて出来ちゃうものかな~と。。。

大きな企業っぽかったし。
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