くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

「ウメ子」  泣いた!幻想的な子供達の愛らしい友情。

2005-12-06 14:01:44 | ドラマ

  

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みよ(深田恭子)は小学校の先生。

まだ新米で、生徒たちとうまく気持ちを通わすことができないうえ、このところ失敗続き。
今日も逆上がりの授業中、生徒にケガを負わせてしまった。
「もう先生やめようかな」
落ち込んでいたその時、ふと懐かしい声が頭をよぎった。 「やればできるよ」
幼稚園時代の親友・ウメ子だ。
みよは、ウメ子とのちょっと衝撃的な出会いを思い出す。

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――5歳のみよ(岩本千波)が通っていたのは、キリスト教の幼稚園。

ある朝のお祈りの時間、園長先生(津川雅彦)の横にロビンフッドみたいな
緑色の服を着た女の子が立っていた。
「みなさん、新しいお友達にごあいさつをしましょう」
「おはようございます」 その子は答えた。 「はい、おはよう」
そんな堂々とした口をきく変わった女の子、それがウメ子(村上茉愛)
そして、みよが苦手だったジャングルジムの上がり方を教えてくれたのも彼女だった。
「やればできるよ」とはげましながら。

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学校のことで落ち込んでいたみよは、
ウメ子と遊んだあの懐かしいころに、帰ってみたくなる。
二人とよくいっしょに遊んでいたのが、みよの2歳上の兄で
現在マンガ家を目指している健一(岡田義徳)
みよは健一を誘い、久しぶりに故郷を訪ねる。
3人で歩いた山道、通った幼稚園、お菓子の家みたいなウメ子の家。
今はどうなっているだろうか。

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――当時、ウメ子はお母さん・桃子(薬師丸ひろ子)と二人で暮らしていた。
お父さんは行方不明という。
ところが、そのお父さん・二郎(伊原剛志)の居場所を
紙芝居屋の源五郎(宇梶剛士)が知っているらしい。
ウメ子とみよは、こっそり源五郎のトラックに乗り込み
、大人たちにナイショで二郎に会いに行った。そして、
たどり着いたのがサーカスのテント村。
やっとお父さんと会えたウメ子は、ある約束を交わす。

                               (公式HPより)

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原作は阿川佐和子。

5年ぐらい前に一度読んでいます。ほのぼのしてあったかくて胸がきゅんとなって

それは夢のようなノスタルジーとファンタジーとを運んでくれました。

 

物語は転園してくるウメ子から。

そのロビンフッドの緑色のお洋服はミヨにとっては不思議でかわいく見えました。

すぐに仲良くなる子供達。

みよは何でもすぐに諦めてしまう子ですが、ほのぼのしたかわいい女の子。

対してウメ子は子供ながら十分魅力を備えた女の子。

「ウメ子ちゃん」と呼びかけるみよにウメ子は「ウメ子と呼んで」と。

不思議な顔のみよにこう言うのです。

「みよちゃんはちゃんが似合う。けどウメ子はウメ子のままがいい」

あっぱれですね。こんな大人びたことを言っても全然違和感がない子です。

「やればできるよ」みよはいつもウメ子からこんな魔法の言葉をかけてもらって

ジャングルジムにも上れる様になり、二人は愛らしい友情を紡いでいきました。

ウメ子の家はまた幻想的ですてきでしたね。

母は「ああちゃん」と呼ばれ子供を夢の世界に誘うのがとても上手。

お泊りの日、みよは雪の妖精の白いお洋服。ウメ子は火の妖精で真っ赤。

そして健ちゃんは緑の森の妖精。テントラインのシルエットが子供らしくかわいい。

夜の森の散歩から戻った三人にああちゃんはこう言うのです。

「このお洋服を着て寝るとね、明日には本物の妖精になってるから」

そして口からふわんとおまじないを吹きかけて。

そのあとのお泊りのテントは森のなかにいる気分を演出。

三人の胸躍る高揚した顔がとてもかわいい。

それだけではなく「だるまさん転んだ」の遊びではすごい事をやってくれました。

逆立ちするシーンがあるのですがあれはウメ子は自分で逆立ちしましたね。

耐え切れずにくるんと一回転。ああちゃんはもちこたえました。(これは吹き替えかもね?)

サーカスでヒロインを張っていたトップスターの面目躍如ですね。

ホットケーキの山盛りも手作りチョコレートケーキもぬくもりがあってすてき。

夢一杯の子供時代をプレゼントしてくれたああちゃん、みよと健ちゃんにとっては

いつまでも胸をほかほかさせてくれる思い出となったことでしょう。

 

ウメ子の気がかりは父がいないということでした。

子供心に会いたい思いが膨れ上がり、ついには紙芝居のおじさんを巻き込んで

父に会いにでかけます。親子が対面し満面の笑顔のウメ子と

何度も抱き上げては頬ずりする父親のこのシーン。海辺でしたが泣けました。

上にある写真は明るい海辺ですがオンエアは

夕陽のオレンジの光を薄くて照らしていました。

二人の指切りに何を思ってみよは見続けたでしょうか。

ウメ子は感受性が強い子。

一見、豪胆に見えるけれど内側は両親の不和を悲しく寂しく思っているのでした。

誰にもそれは言わず、そしてこの海辺での約束も一生懸命に

健気に守りいじらしかったですね。

やがてウメ子の懇願で母と父親は再会し三人はサーカスへと戻っていきました。

いつまでも帰ってこないウメコをサーカスに訪ねたときに

その事故は起きました。

相変わらずけんかばかりの両親に傷ついてついには

仮組のやぐらへ上ってしまうウメ子。

父親が助けに行きますが仮組みのために倒れてしまいます。

二人ともに大怪我をして入院。

ここでみよは父親がウメ子に謝るシーンを目撃してしまいます。

ウメ子の両親はサーカスのスター。

母親が何もかも上手ですごい存在であるために父親は

家出をし自分に自信がついて仕事をみつけたら戻るという決意をしたらしいのです。

それで母とウメ子を置いて出た?   うん? ・・・・・【自分に自信を持つ?】

確かに聞こえはいいのですが随分、幼稚な父親ですね。

しかし、それは間違っていたと泣きながらウメ子に語りかけています。

      カーテンの陰で呆然と聞いてるみよがちとふびんです。

ウメ子は全身に管をつけられ鼻にも管が通り、無残な様子です。それなのに・・・

父親の泣きながらの告白を全部聞いていた!そしてこう言うのです。

     ・・・・・「ウメ子が守るから・・・。・・・お父ちゃんのこと、大好きだよ」

うわ~~っ・・・じんじんじんじん・・・子供がこんなこと言うかなぁ・・・

なんという凄い子でしょう。ちょっと言葉にならないくらい感動してしまいました。

 

ここからみよとウメ子は消息が途絶えてしまいました。

みよは現在、教室で子供達とうまくいかないことに悩む日々。

しかしサーカスが近く来ることに気付き自分の受け持ちの子供達を連れ出かけます。

そこで見たものは、フランスから戻ったばかりのウメ子。

華麗なサーカスの空中ブランコを魅せてくれました。

    「やればできるよ」と言い続け決して諦めないウメ子。

子供のときの不思議な女の子が美しいスターとなって現れました。

三人の再会は一気に子供時代の幻想世界へタイムスリップしていきました。

 

      ・・・・・いつまでも余韻が残る、しみじみとした時間を過ごした夜でした。

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☆しかしびっくりしたのは津川雅彦さん。

園長先生は確かに似合うのですが煩悩の塊のようなお顔なのに神父としてお祈りを

捧げるのにはあまりのギャップで、笑いがこみ上げて仕方ありませんでした。

 

☆ああちゃんの薬師丸ひろ子さんってこんなメルヘンなママ役が似合いますね。 

若い時の映画もとても幻想的なシーンに溢れていたそうです。

 

☆子供達二人ともに、なんというはまり役かと感嘆しました。

ウメ子の豪胆さ、感受性の鋭さ、確かな演技力。うなるばかりです。

みよのぽわんとした愛らしさ。ほのぼのした雰囲気。思わず抱きしめたくなります。

父に会いたいと泣くウメ子のそばで、ただ涙をはらはらさせていたシーンには

もらい泣きしてしまいました。

 

   「諦めてはダメだよ」

   「やればできるよ」

こんなメッセージを散りばめて二人から勇気をたくさん貰った夜となりました。

 

 

 

 


10 コメント

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Unknown (mata24)
2005-12-06 14:52:35
ちょっと しゃく です。 消去候補から 先にみないと 次へ進まないと 続かないので、 ウメコ 後回しにしたんですね、  そしたら 、

かりんさん の 嗅覚はウメコ だったんですね。

ちょっと悔しいけど 伊東美咲もそれなりに意味があったので、 僕はぼくの 順番を守る。



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mataさん♪ (かりん)
2005-12-06 15:35:43
見てなかったのね。

ドラマ仲間達もね、皆アネキのほうをUPしています。私はアネキは今週は時間があればという方向です。



この本を読んで残るものがあったので、書評からスタートした私としてはこちらを選びました。
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はじめまして (シキシマ博士)
2005-12-07 00:14:07
丁寧に書かれたレビュー、読ませていただきました。

おかげでいろんなシーンを思い出し、また感動できました。

ありがとうございます。

ああちゃんの逆立ちが、本人か吹き替えか、やっぱり気になりましたね。

本当に、とても素敵なドラマでした。
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Unknown (mari)
2005-12-07 01:01:37
かりんさん、こんばんわ~。

ウメ子見ましたよ。子役が巧かったです。大人になってのミヨちゃんが少し違和感がありました。

ああチャンは、存在感がありましたね。でもやっぱり

「かいか~ん!!」と言いそうな感じがします。
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シキシマ博士さん♪ (かりん)
2005-12-07 10:15:58
はじめまして



ウメ子は原作もとっても良くてドラマが楽しみでしたがメルヘンタッチでいいドラマに仕上げてくれました。

こういうほのぼのしたドラマはあんまりないので余計嬉しかったように思います。

ふふ、あの逆立ちはね、たぶん吹き替えですよね?



出演者、全員良かったですよね!
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mariさん♪ (かりん)
2005-12-07 10:24:26
mariさんも見てくれたんですか!嬉しいわ。

ドラマ仲間が誰もUPしてないので残念でしたけどよかった~~。

あの子役さん達、本当に上手でしたね。

よく見つけてくるな~~って感心しました(笑)

その分深田恭子ちゃんがかすんだ気がします。

どんな名優も子役と動物にはかなわないって全く地でいきましたね(笑)

薬師丸ひろこさんはやはりスクリーンの方ですからどこかオーラが違うのかもしれません。

不思議なママをうまく演じていて楽しかったです。



>「かいか~ん!!」と言いそうな感じがします。

そうそう、セーラー服のセリフですね!



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Unknown (mata24)
2005-12-07 15:34:01
・・その分深田恭子ちゃんがかすんだ気がします。・・・



もっとかすんだ 宮地真緒、、、、、、、、

え?どこに出てたっけって。いうくらい 朝の連ドラ出身を この扱い (いや しかも津川さんより とりのテロップ順

だから微妙、、、)

ピータンパンみたいに ワイヤーアクションで なんて演出も可能だったのに、、、





子役では フクダマユコ が 一押しなんだけど、

熾烈だね、子役も群雄割拠で、、、老後も楽しめそうです。



はは 内容より 役者チェックに走っちゃいました。



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mataさん♪ (かりん)
2005-12-07 18:12:16
宮地真緒さんは最後のサーカスの空中回転でトリを決めたでしょう。

キレイでしたよ。



福田麻由ちゃんは私も好きです。うまいですよね。



老後も楽しめそうって・・・
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今活躍の子役たちが教師役をやる頃ぼくは、、、 (mata24)
2005-12-08 13:10:40
いやいや 若い頃から 

ぼくは演歌を好きな大人にはならない。

ぼくは時代劇を好きにはならない。



ちゃんと アイドルを 恋の対象の かわいい と 感情移入できていくことが 青春なのだ。 

60なっても 黄門さまより 月9を 楽しみに待つ年寄りに なっていたい。

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mataさん♪ (かりん)
2005-12-08 19:29:34
その通りですね!



ドラマのなかで、擬似恋愛を楽しませてもらいたいですね。
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