フジTV「アンビリバボー」2004年11月18日放送分『モナ・リザが盗まれた』より
※続きです。
忍び込んだ3人はそこで休館日・月曜日の朝まで待ち、持ち込んだ作業員の
服を着込んだ。午前6時30分、一週間分の損傷を修復する電気技師や大工、清
掃員などの職人がやってきた。彼らはみな同じ作業服を着ていた。彼らは身分
証明書を持っておらず、作業服がその替わりだった。3人もその作業服に身を
包み、誰にも怪しまれることなく倉庫を抜け出した。
午前7時、清掃をするふりをして3人はモナ・リザを壁からおろした。休館
日は作品が一日中あちこちに動かされるので、怪しまれずにすむ。マルケスは
休館日の内部事情を調べ尽くしていた。モナ・リザは板のキャンパスに描かれ
ており、ペルージャはいとも簡単に額から絵を取り外した。休館日は警備も手
薄で、普段は百人いるところが10人しか警備員が配備されていない。この事も
マルケスは知っていた。
出入口の警備員がいなくなった隙に、3人はモナ・リザを持って外に脱出、
午前8時に計画は成功した。モナ・リザ盗難のニュースは世界中に衝撃を与え
たが、これはマルケスの計画にとってお膳立てに過ぎなかった。盗んだモナ・
リザは共犯者・ランチェロッティ兄弟の愛人の部屋に隠された。マルケスは、
残りはまた次回と言ってペルージャに約束の金を支払った。ルーブルで働いて
いるために警察の調査が入るだろうから、それが終わったらモナ・リザを自分
の部屋で大切に保管するように、とマルケスは言った。
マルケスは、ペルージャに名前も身元も明かしていなかった。自分を親方と
呼ばせ、連絡も自分が必要な時だけ自分から取っていたのだ。マルケスの予想
通り、ペルージャも警察の取り調べを受けたが無難に乗り切り潔白とされた。
そして言いつけ通り、モナ・リザを自分の部屋に持ってきて保管した。その頃
マルケスは、もう一つの計画を実行するためにパリからニューヨークに渡って
いた。
盗難の数ヶ月後のニューヨークにて、マルケスは、盗難の少し前にアメリカ
からルーブルに呼び出した金持ちの男に会っていた。男は大金と交換にマルケ
スからあるものを受け取る。モナ・リザだった。だがモナ・リザはペルージャ
が自分の部屋で保管しているはずだ。本物かどうか疑う男に、マルケスは裏を
見るように言った。
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