~ゆるゆると自分に甘い生活~

ざっくり生きててあわわな毎日。でも残りの人生シッカリ楽しむ。

「八日目の蝉」「マークスの山」。

2011-05-21 15:38:13 | 
「八日目の蝉」: 角田 光代 著

 自分が身ごもった愛人の子は諦めた。別れも決意していた。
 が、その愛人と正妻の間の子を衝動的に誘拐してしまう。
 逃亡した先々での出会いが作品の流れ。
 血の繋がらない子に惜しみなく愛情を注ぐ希和子。
 誘拐された恵理菜はその成長過程で苦しみを味わう。

 希和子の母性を描きたいのか。
 逃亡先での人間模様を描きたいのか。
 
 他の蝉より1日長く生きながらえた蝉が居たとしたら、
 その蝉は仲間を失って自分だけが取り残された淋しさを不幸と感じるのか、
 あるいは他の蝉が経験できなかった1日を過ごす幸福を感じるのか。
 タイトルから察するにテーマはそこなんだろうか。。。 

期待が大きすぎたのかとても残念な印象。


「マークスの山」: 高村 薫 著 講談社

 アルプスの山中での一家心中。 だが生き残った子どもがいた。
 一酸化炭素中毒の後遺症を負ってしまった彼の、自分の中に存在する別の人格。
 その別の彼が起こす連続殺人事件。
 多重人格、記憶障害、とびぬけた身体能力。 自覚があるのか無いのか。
 結末は読み進むうちに見えてくるが、そこに至る過程は興味をそそるので最後まで読まずにいられない。

 自分たちの将来を守らんが故に一つの命を奪ってしまった男たち“マークス”。
 その男たちとは無関係ながら別の人格に誘導されて罪を重ねる主人公“マークス”。
 ミステリーと警察小説、どちらのジャンルでもあるコレは直木賞を受賞しているらしい。




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