KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

防府読売マラソン雑感~川内優輝の今後は? vol.1

2012年12月24日 | マラソン観戦記
今や、「日本で最も有名なマラソン・ランナー」、川内優輝。今年も昨年に続いて、福岡国際マラソンの2週間後の防府読売マラソンを走った。

ロンドン五輪代表選考レースだった昨年の福岡では、日本人ランナートップとなる3位でゴールし、一躍有力代表候補に名乗りを上げ、防府では前回の優勝者でモンゴル代表のセルオド・バトオチルとトップ争いを繰り広げた。ゴール後、握手を交わす両者の、ロンドンでの再戦を楽しみにしていたが、それは叶わなかった。

今年の福岡でも昨年同様の激走が期待されたが結果は6位。27km過ぎて先頭集団から脱落するも、失速を最低限に抑えて自己3番目のタイムである2時間10分29秒でゴール。「市民ランナー」としては健闘であっても、もはや彼は「善戦マン」ではいられない。来年の世界選手権代表に入り、上位入賞を期待される「強化選手」なのである。

2週間後の防府マラソン、昨年の優勝者であるバトオチルは三週間前に大阪マラソン(防府同様に、読売新聞社が主催)で、大会レコードで優勝。昨年は福岡の5週前に行われたこの大会で川内は、日本人トップの4位でゴールしている。

それにしても、かつては、新しいロードレースが増えたり、海外レースに選手を派遣したりすると、

「陸連が出場料目当てに、選手を酷使している。」

と陸連を批判するスポーツジャーナリストがいた。彼は川内のレース出場の多さをどう評するのだろうか。あるいは、

「陸連は川内を潰すためにレース出場を強要している。」

と誤解している人もいるだろうか?

川内にとっては「ライバル不在」の今回の防府。目標は「昨年のバトオチルのタイム(2:11:56)で優勝」としていたが、見事に「有言実行」を果たした。30km過ぎて、川内と同学年の伊藤大賀、九州の駅伝強豪校である鎮西高校出身のケニア人、マイナ・カルクワらを引き離し、独走。目標を1分以上上回る2時間10分46秒の好タイムで優勝した。ちなみに、大会歴代4位にあたる。防府史上日本人最高の記録をマークしたのは、NTT西日本の大崎悟史だが、当時(2002年)の彼は、実業団登録している陸上部のメンバーとはいえ、NTTで営業職をフルタイムでこなした後にトレーニングする、現在の川内と大差ない練習環境で走り続けるランナーだった。日本人ランナーがケニアの若手ランナーを引き離し、終盤にペースを上げるネガティブ・スピリットで優勝、といういまどきめったに見られないレースを見ることが出来た。近畿以西のみ生中継、というのが本当にもったいない。東海以北のマラソン・ファンにも見せたいレースだった。

これで、今年マラソン9戦5勝。見事、とは思いつつも、彼の今後には多くの課題が残されている。

(つづく)


3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
川内世代 (103015)
2013-02-05 01:04:00
◎かんちゃんさん
別大マラソンで川内選手が自己新で優勝しました。
また3位の東野選手と4位の大塚選手も川内選手と同学年ですね。
そんなわけで1986年度生まれ歴代10傑を。

2:08:15 川内優輝(1987.3.05) 2013.2.03
2:08:24 堀端宏行(1986.10.28) 2012.12.02
2:11:18 松村康平(1986.11.25) 2012.2.05
2:12:13 東野賢治(1986.10.29) 2013.2.03
2:12:24 野口功太(1986.5.19) 2012.12.02
2:12:51 大塚良軌(1986.12.24) 2013.2.03
2:13:16 伊藤太賀(1986.10.22) 2011.7.03
2:14:44 酒井将規(1986.6.30) 2013.2.03
2:15:48 阿部豊幸(1986.7.28) 2011.4.18
2:16:21 辻茂樹(1986.6.24) 2013.2.03

今回の別大でマークしたのは酒井選手と辻選手もですね。これも「川内効果」でしょうか。野口選手も今回ペースメーカーでしたね。
ほかに別大に出場した選手としては山口智也選手・川添俊司選手・小島康彰選手もこの学年です。

昨年の福岡で堀端選手が川内選手のそれまでの自己記録を更新してこの年代のトップに立ったのですが、今回また川内選手がトップの座を奪い返しました。
その1986年度生まれ記録保持者の変遷がこんな感じです。

2:11:47 堀端宏行 2008.2.17
2:08:37 川内優輝 2011.2.27
2:08:24 堀端宏行 2012.12.02
2:08:15 川内優輝 2013.02.03

東京マラソン出場予定の木原真佐人選手と佐藤悠基選手にも要注目ですね。
いずれは川内選手と佐藤選手の「同年代ユウキ対決」も見てみたいです。
ゴールデン・エイジ (かんちゃん)
2013-02-07 07:41:41
103015さん、書き込みありがとうございます。

元日本記録保持者の藤田敦史選手に、五輪入賞の油谷繁さん、諏訪利成さん、五輪代表の大崎悟史さんらの1976年生まれも優れたランナーが多かったですが、1986年生まれもなかなかのものですね。リオのマラソン代表をこの世代が独占、もありそうですね。
松本翔選手 (103015)
2013-02-11 02:16:55
◎かんちゃんさん
松本翔選手もすごいですね。

延岡西日本マラソンで2時間13分台をマークしたのも驚いたのですが、その2週間前に勝田マラソンを走り、そしてまた2週間後の東京マラソンにも出場予定です。

まるで川内選手なみのスケジュールですね。

コメントを投稿