KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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2008名古屋国際女子マラソン雑感vol.2

2008年03月27日 | マラソン観戦記
今回の名古屋は、日頃マラソンなど見ない、という方も多数チャンネルを合わせたに違いない。
「このレースで優勝した選手がオリンピックの代表になります。」
と言われたら、興味のないスポーツでもついつい見てしまう。僕にしても、先日、生まれて初めてハンドボールの日韓戦を見たくらいだ。
(日本と韓国との実力差が最も大きい競技とは聞いていたが、ここまでとは。)

もしかすると、9km過ぎてチャンネルを替えた人も少なからずいたかもしれない。

15km過ぎてもペースは上がらず。集団のトップにいるのは弘山晴美。8年前のマラソン選考で「悲運のヒロイン」となった彼女が今もこうして走っているとは。しかもその間にアジア大会と世界選手権のマラソン代表を経験して、2年前にはこの名古屋で優勝も経験している。集団を引っ張るというよりも、集団を形成するランナーたちが彼女への畏怖の念から前へ出ることをためらわせているかのようにさえ見える。彼女の横にはチームの後輩で初マラソンの平田裕美。ようやく原裕美子はマークすべき目標を見つけたようで、弘山と平田のすぐ後ろにいる。その横には大阪を棄権した加納由理。さらにその後ろには坂本直子。

中間点の通過は1時間14分41秒。名古屋のレースはいつも後半のペースが大きく上がる。
どこからがもう一つのスタートラインか?

初マラソンの平良茜が遅れていく。本来なら先月青梅30kmを走ってから名古屋に出る予定だった。もし、青梅が積雪で中止になっていなかったら、30kmまでは経験済みだったのに。

25km過ぎて、給水を摂った原が前へ出た!しかし、集団に追いつかれる。彼女の真後ろについたのは初マラソンの中村友梨香。しかし、原のペースアップが集団を動かした。世界選手権6位の嶋原清子が離れていった。集団の緊張感が高まっていく。もう、集団の後方にカメラを向けなくてもいいよ。次に飛び出すのは誰だ?

28kmの下り返しを過ぎて大南敬美、大島めぐみの'75年生まれコンビが集団から離れてしまった。先頭が動いた。坂本が先頭だ!ペースが上がった。弘山、平田、吉田香織、西尾麻耶がふるい落とされる。坂本の後ろに中村。25kmから30kmのスプリットは17分にまで上がった。ゴール予想タイムも2時間28分台に。このまま、坂本と中村の天満屋コンビによる「同門マッチレース」になるか?

31km過ぎの上り坂で、解説の有森裕子さんが
「最も楽そうに走っている。」
と評した堀江知佳が飛び出した。須磨学園時代と変わらぬ、孫英傑のようにほとんど腕を振らず肩甲骨を動かして身体を前身させる独特のピッチ走法。かつては「Qちゃん2世」と言われた(吉田香織も言われていたよな?)彼女も、思えば2年前にこの名古屋で3位に入賞していた。しかし、驚いたのはその翌月のボストンにも出場して11位に入賞(ボストンは15位までが入賞)してみせたことだ。名古屋の前月の青梅30kmで優勝してボストンの出場資格を得ていたのだが、このスタミナは北京の酷暑レースには大きな武器になるなと思った。夏の北海道でも優勝している。「北京で戦える選手」の資格は十分だ。

ここぞとばかりにテレビはレース前の彼女のインタビューを流すがそれが終わったと同じにまた、新たなランナーが飛び出した。桃色の天満屋のユニフォーム。坂本ではなく、中村だ。

(つづく)



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