KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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男子マラソンスタートまであと半日~全員、伏兵。

2016年08月21日 | 五輪&世界選手権
女子マラソンは、またしても入賞ゼロに終わりました。これについては、別の機会に語ることにして、日本時間で今夜の男子マラソンを走る、三人の日本代表ランナーについて語ることにします。

今回の代表三人を一言で言えば、「全員、伏兵」ということになるでしょう。「エース不在」と思われている現在の日本のマラソン界ですが、それでも、昨年に2時間7分39秒をマークした「元祖・山の神」今井正人、ロンドン五輪6位、モスクワ世界陸上5位の中本健太郎、仁川アジア大会銀メダルの松村康平、銅メダルのご存知、「公務員ランナー」川内優輝と実績のあるランナーたちが代表選考レースでことごとく失速してしまいました。僕は決して、現行の「選考レースの結果優先」の代表選考を否定するものではありませんし、代表選考レースを勝ち抜いた今回のメンバーは「妥当」だと思っています。しかし、全員初の日本代表、しかも全員30代ということで、大舞台での実力は未知数です。


持ちタイムではナンバーワン(2時間8分56秒)の佐々木悟。数々の代表選手を生み出した「名門」旭化成陸上部から16年ぶりのマラソン代表です。そして、彼はここまであまり語られていませんが、「箱根駅伝の5区(山登り区間)経験者初の五輪マラソン代表」です。旭化成の先輩、谷口浩美さんや川嶋伸次さんは6区(山下り)経験者ではありました。
「箱根駅伝がマラソン選手の育成に、本当に役に立っているのか?」
という事が論議になる中、彼の活躍には注目です。気になるのは、過去9回のマラソン実績で決して成績が安定しているとは言えないところです。それでも、「日本人1位は死守する」旭化成の走りを見せられるかどうか。「日本人1位」が入賞圏内であれば、言うことなしです。


週刊誌等で一番取り上げられているのが石川末廣。36歳で五輪マラソン初出場、しかもホンダの独身尞住まいというのが話題を集めています。もちろん、彼が独身尞住まいなのは、そこが競技に集中できる環境だからで、決してモテないからというわけではないからと勝手に想像しています。実は初マラソンは32歳の時。前回ロンドン五輪の代表選考レースで2時間11分13秒。以後6回走ったマラソンは全て2時間12分以内。決して優勝争いには絡めなくとも、8位以内は確保出来るでしょう。世界最高記録の出たベルリンでも、自分のペースを守る走りに徹して7位入賞。この走りがリオで出来るかどうか。


そして、中本健太郎に代わり安川電機から2人目の五輪マラソン代表となった北島寿典。駅伝ではエースであり、個人的にはマラソン転向を待望していたランナーの一人でした。(後出しジャンケンで言ってるわけではありません。)初マラソンは、若手の登竜門である延岡西日本マラソンで初マラソン初優勝。そして9月のシドニーマラソンでも優勝。どちらも優勝タイムは2時間12分台のBランクの大会ではありますが、「優勝体験」は財産です。彼の東洋大学時代の恩師である、前述の川嶋伸次さんも語っていました。
「どんな大会であれ、優勝経験は重要だ。」
川嶋さんも延岡とゴールドコーストで優勝を経験しています。

そして、今年のびわ湖マラソン、終盤に石川末廣を逆転して日本人トップでゴール。しかもトップと5秒差にまで迫っていました。単に、「粘って落ちてくるランナーを拾う」というだけではない、「勝負勘」を感じました。初マラソンから1年で五輪代表。この「勢い」が重要です。世界の強豪と一緒に走ることで、潜在能力が更に引き出されるのではないかと期待しています。

ケニアやエチオピアのランナーたちとの持ちタイムの差ばかりが取り沙汰されますが、記録を持つランナーが勝つとは限らないのが五輪のマラソンです。前回の金メダリスト、スティーブン・キプロティチも、東京マラソンでは藤原新の後塵を浴びていたランナーでした。

唯一にして最大の危惧は、彼らは夏のマラソンを未経験であること。総崩れの可能性もありますが、上位入賞の可能性もあります。後者に賭けます。

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