かたなのきれあじ!!!

本年度もひとつよろしくどうぞ★

TheTimeIsRipeforInvestment39「ディスカウントファクター」

2006-12-20 23:06:09 | ご隠居のフォルダ
 気づいたらもう今年もあとわずかでございますまいどどうも、ご隠居です。

 さて、本日はディスカウントファクターなるものを取り上げます。以前にファイナンスの大原則、「現在価値に割り戻す」というのをやったのを覚えているでしょうか。今日の百万円と、来年の百万円では価値が違いますというあれです。

 来年の価値=今の価値×(1+r)
又は
 今の価値=来年の価値/(1+r)

で表されますが、この場合のをディスカウントファクターといいます。

 二つのプロジェクトのうちどちらかを選択しなければならないとき、どれだけの金が出るかというキャッシュフローを現在価値に割り戻して、現在の価値が高い方が投資効率性のよいプロジェクトだということになるわけです。
 ここで重要なのが、このrには、金利の他にリスク(不確実性)が反映されます。

 すなわち、リスクが高い→rが大きくなる→現在価値はとても小さくなる。逆にリスクが低い→rが小さくなる→現在価値は余り変わらない ということになります。


 というと何だか小難しそう、と思われるかもしれませんが、「人によっては」無意識のうちに
将来キャッシュフローの推定をし、
ディスカウントファクター決定することで
当該人物現在価値を即座に算出しています。

 ということで詳細は次回にいたします。

TheTimeIsRipeforInvestment38「ホワイトナイト」

2006-12-18 01:58:10 | ご隠居のフォルダ
 テンプレを替えてみましたまいどどうも、ご隠居です。

 本日もまたTOBに関連する用語、「ホワイトナイト」です。直訳すれば白馬の騎士、ですが負け犬系の方が「いつか、、、」と宝くじに当たるより低い確率で遭遇を夢見ているあれではありません。あれは王子です。どっちみち叶わないので相違ありませんが。


 買収しようとする者、それを阻止しようとする者との間にあって、どちらに味方するかで大きく状況が変わってしまうキャスティングボードを握っている第三者のことをいいます。

 イメージでいうと、激しい戦いを繰り広げてあわやピンチだ、と思っているセーラームーンのところにバラをぶん投げて登場するタキシード仮面みたいなものです。
 何故か本編では衛さんはセーラームーンを無条件に助けますが、例えばこのとき敵側が「お高く買いますんで、その株売ってくれませんかねぇ」といって彼が「承知した」といえば、うさぎさんは敵に吸収合併されることになりタキシード仮面は敵にとっての「ホワイトナイト」ということになります。
 いずれにしても、自分が付いた方が有利となるのでかなりおいしいポジションであることは間違いありません。頻繁に少女マンガの例をEDの広告張られるご隠居が使用するとそこはかとなく寒気を感じますのでこの辺で終わらせていただきますが、実際にTOBの実例を見たときにホワイトナイトとして現れた企業に注目してみるのもおもしろいかもしれません。
 


 参考までに、フジテレビVSライブドアの場合でいいますと、ホワイトナイトは
「聞いたといえば聞いちゃったんですよねぇ~」でおなじみの村上タキシード仮面です。

TheTimeIsRipeforInvestment37「最強のビジネスモデル②」

2006-12-14 02:07:57 | ご隠居のフォルダ
 人生で初めて関西に行ってまいりましたまいどどうも、ご隠居です。その間に相場は反転し、非常に明るい見通しになり、大分幸せでございます。日本にとってどうなのかはわかりませんがw。

 さて、本日は前回見たのよりもさらに最強のビジネスモデルをご紹介いたしましょう。

 早速ですがそれは、宝くじです。
 前回の競馬は25%だったテラ銭が、、(参考パチンコ5~10%)
今回の宝くじは、、、、

52%超

 もう最強です。文句のいいようがありません。
「♪ド○~ムジャンボ 宝くじ」
=「100円で48円になるくじやりませんか
というわけです。
 52%とは、○億円、と歌っていますが、それは夢を見て宝くじを買った総額のうちの半分をまず自分の利益としてしっかりいただいて、その後に○億円を払い戻すわけです。

 非常にすぐれたビジネスモデルの理由のひとつに、「コストが非常に少なくてすむ」ということが挙げられます。

 とはいえ、
「絶対あたるはずなんて思ってるわけじゃないけど~、もし万が一ってこともあるし~、むしろこんくらい(例:300円×10枚)なら払ってもいいかな~」
という意見もあるでしょう。正直私もそう思うところがあります。3000円で3億の可能性を買っているんだ、経済効率的には損ではない、と。
 
 (少なくないと思いますが)そう思わせるところがキング・オブ・最強たる所以なのですが、ここで思い出してもらいたいのが、「行動ファイナンス」という言葉です。とまれまず、以下のどちらかを選択してください、といいます。

『A、Bという箱があります。どちらも100円で一回引ける1000枚のくじが入っています。
Aは一枚が100万円貰える当たり、残り999枚が1000円払う、というくじが入っています。
Bは一枚が100万円支払い、残り999枚は1001円貰える当たり、というくじが入っています。
 あなたはどちらのくじを選びますか?(選択は強制)』






 さてどちらを選択しましたか?一般的な人は、Aを選びます。
 因みに期待値をとってみると、Bの方が若干高いです。合理的な行動を取るのであるならばBを選択するのが賢明な手段といえます。
 A、Bのどっちかなと考えたときに概ね以下のようなことを(無意識に)考えたのではないでしょうか。
「1000円くらいならなくなってもいいか。それでもしかしたら100万円あたるかもしれないんだし。」
「Bはほとんど1001円もらえるけど、万が一100万払うようなことになったら大変だしやだな。」

 このように、合理的な選択肢とは異なってしまう肢を選んでしまうのは、選択者の心理が多分に影響するからです。 
 ここを非常にうまくつくことによって、非合理的な方を選択させてくるのが最強であるということ。発売初日から列ができ、雑誌記事やインチキ広告が多発することからもその効果は言うまでもありません。



 こんな旨いビジネスですが、もちろん「富くじの禁止」ということで国の専売特許となっております。うらやましいですね。

TheTimeIsRipeforInvestment37「最強のビジネスモデル」

2006-12-10 18:10:51 | ご隠居のフォルダ
 反発の波をうまくとらえられましたまいどどうも、ご隠居です。
 室内に入ると暑い、出ると寒いという季節ですがマイルームは一貫して寒いです。

 さて、失格となったディープインパクトが日本に戻ってきて再び熱狂させたのは記憶に新しいと思います。
 そうです、本日の「最強ビジネスモデル」とは、競馬。お好きな方もおられると思いますが、どれだけすごいかをご紹介します。


 今まで再三、「リスクなくしてリターンなし」と言いまくって参りましたが、さすが最強です、「リスクなくしてボロ儲け」というのが競馬です。


 「賭け事するなら胴元が一番」
という言葉を聞いたことがあるかもしれません。まさにその通りです。


 競馬の胴元は、国です。それではこのビジネスモデルの最強たる所以とは何でしょうか。



 ”テラ銭25%
 「ディープインパクトは圧倒的人気でオッズ1.3倍」などと言いますが、この倍率が如何に決まるかというと、
「馬券販売額トータルから、まず25%差っぴいて残りを馬券を買った数に応じて決める」のです。すなわち、、全部で1億円だったとしたらその時点でJ○Aは2500万円の利益が確定します。どの馬が勝とうが負けようが関係ありません。リスクはありません。すばらしいです。

 ちなみに胴元に25%抜かれることが確定している時点で、あなたが馬券を買ったとしたら期待値は(掛け金×0.75)となります。一万円賭けたとしたら、確率的には7500円となるということです。期待値が掛け金以上でないものに投資するというのは経済界においては非合理的となり誰も行わない、というのが経済学の流れですが現実はそうではないというのは競馬場のあの客を見ればよくわかります。
 確かに、「夢やロマンを買っている」というポジティブシンキング意見もあります。減ると分かっていようがいいんだその減少分に見合った満足が得られる、というのであればそれはある意味個人にとって幸せなことでありとやかく言えることではありません。疾走に特化した競走馬の姿は確かに美しいと私も思います。



 絶対に儲かるこのビジネスモデル、可能ならば是非やりたいところですが、法律によって国の専売特許となっています。すばらしいですね。J○Aは倒産リスクは極小のようですw
 

TheTimeIsRipeforInvestment36「黄金の傘」

2006-12-08 23:19:45 | ご隠居のフォルダ
 まいどどうも、ご隠居です。開幕します。
※以下全てフィクションです。実在の団体氏名その他とは一切関係ありません。

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道○寺母「司さんは道○寺家の跡取りとして然るべき家柄と相応の経済力のある女性と一緒になる定めなのです。」
つ○し「…。」
つ○し母「あ、あ、そうだわ、お茶でもお持ちいたしますから。ウフフフフ」
執事A、アタッシュケースを机の上に乗せ、開く。
つ○し(…なにこの大金)
道○寺母「3000万あります。失礼かとは存じますがお宅様も何かと苦しい状況かとお見受け致しましたのであえてご用意させて頂きました。これで司さんには二度と近づかないで頂きたいのです。」
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 これが、ゴールデンパラシュートです。筆頭株主から手を引きなさい、その代わりたっぷりと金額は払いますのでね、という方法です。もともとはTOB(敵対的買収)において、買収される側がする側に対して(マイナスのインセンティブを働かせるため)防衛策として使うのが一般的ですが、逆に買収側がコストが安く済むと思えば逆の手として使うこともあります。
 
~もともと(本来)のパターン~
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道○寺母「司さんは道○寺家の跡取りとして然るべき家柄と相応の経済力のある女性と一緒になる定めなのです。」
つ○し「あらそう。それならそれでもいいけど、私たち別れるときはその意思表示をした方が3000万払うってことになってるの。それでいいならどうぞ」
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TheTimeIsRipeforInvestment35「インデックス」

2006-12-07 00:17:18 | ご隠居のフォルダ
証券系や先物系は理解できるとして何故にEDの広告が?まいどどうも、ご隠居です。
 家は呼吸するとはよくいったもので、余りの部屋の寒さに毎日目覚めは早朝でございます。


 さて本日は「インデックス」。簡単です。
「市場の概ねの変化を表す指標」のことで、ニュースなどでよく耳にする日経平均株価やTOPIX、アメリカではNYダウやS&P500などがその代表です。

 インデックスをみることによって、「大体そのマーケットが上り調子かその逆か」ということが分かります。
 例えば、女性投資家のマーケットインデックスを見るとすれば
・そもそもの高い能力が発揮されうる時代になってきた
・特殊メイクばりに進化してきた道具の充実
・経済力の上昇
云々。。
といった要因から、全体的にマーケットのレベルが上がっている(成長している)ということがあげられるでしょう。

 男性投資家マーケットインデックスは横並びか若干の下落傾向にあると思われます。

 
 インデックス投資というものがありますが、これは先に述べたようなインデックスに投資することをいいます。このメリットとして、「会社ひとつひとつのリスク」をヘッジできるということがあります。
 損切りやPFで説明の通り、一社に投資していた場合はその会社の業績の影響をモロに被ることになります。フラれたらおしまい、というわけです。その為にポートフォリオを、という説明だったと思いますが、インデックス投資はその延長にあります。1社より2社、2社より3社、、、、こうして市場の主要銘柄全体に投資範囲を広げたのがインデックス投資というわけです。
 その数はかなり多くなりますから、1社が倒産したらどうしようなどと考える必要は無視していいほど小さくなるわけです。この為、コストを低く抑えられるということがあげられます(分析不要のため)。


 日経平均株価が…と毎日報じられるのは日本のマーケットの動向を示すからということです。因みに、人それぞれだとは思うのですが、多くのコーポレートファイナンスの先生方はこの「インデックス投資が最も効率的だ」と仰られます。
 その道のプロの方々が、非常に安全な投資方法(その分リターンは低く抑えられる)が最も効率的だと言うことからも、相場で勝つことの難しさが分かると思います。
 そう思うと昨今の本屋で加速度的に増加している「○時間でわかる!○ヶ月で○千万!!」本、あの著者達は稀代の天才に違いないのです。。

TheTimeIsRipeforInvestment34「アノマリー」

2006-12-06 13:32:34 | ご隠居のフォルダ
 気づけばもうクリスマスシーズンへまいどどうも、ご隠居です。
 ついに東京の西の都、某市では今年初の氷点下を記録したようでございます。気温の変化が激しいですから、体調崩されないようお気をつけください。ダウンしているときに絶好の投資チャンスがやってきて逃すというのは非常にもったいない、どころか経済的に見ると機会損失というコストになってしまいます。

 さて本日は、「アノマリー」。
 「市場の変化について合理的な説明のできない現象」のことです。例えば、
・「12月の株価は安く、逆に1月の株価は高い」
・「月曜日の株価は高い」
・「2日から取引が始まる月は相場が荒れる」
といったようなことがあげられます。
 この内「12月の株価安」は節税効果が見込めることがあるため、と中途半端ながらも説明できますが、月曜日の株価が高い、など何でなのかは今のところさっぱりわかりません。分からないながらも、しっかりと傾向として現れている、これがアノマリーです。


 タイムリーにいけばクリスマス前になると新興カップルが急速に誕生する、というのも一種のアノマリーです。
 「クリスマス一人とかまじ寂しいし~」といった心理状態が売り急ぎ(=すぐに利益を手にしたいため標準より安くてもすぐに売ってしまうこと)をもたらしているということは容易に想像されるのですが、その心理状態がどう「普段なら成立しない取引が成立させる」のかは合理的に説明できないのです。
(クリスマスに二人でいられる自らの満足度によるものなのか、対外的風評を守るためなのか、等々)


 また、これこれはアノマリー、となっていても合理的に説明できるようになればそれはアノマリーではなくなります。アノマリーの筆頭例だめんずうぉ~か~、その男性版等も将来的には解明されると個人的には予想しています。


 人間で構成されているマーケットにおいては、勿論大前提としてロジカルなものは必要であるが、そうでないことも往々にして起こりうる。それを認めたうえで把握していく必要がある。これを「行動経済学」という比較的新しい経済学です。
 行動経済学も非常に理解しやすくまた面白い分野ですので、積極的に紹介していこうと思っています。


最後に一例として:
 「高校から付き合っていたカップルが大学生になるとあらかた破綻する」というのはアノマリー?
キーワード:株式非公開 株式公開 TOB 


 次回は「インデックス」の予定

TheTimeIsRipeforInvestment33「効率的市場仮説」

2006-12-03 13:08:49 | ご隠居のフォルダ
 複利の効果に驚きのまいどどうも、ご隠居です。

 忙しい月末を越えたので、細々と記事をアップしていこうかと思います。

 さて今日は「効率的市場仮説」です。ファイナンスでは最も大切・基本・普遍的な前提ですので覚えておいて損はないと思われます。
ノーベル経済学賞が量産されるようなお話ですから語ればとんでもない量と時間になりかねませんが、効率的市場仮説とは簡単に言えば
”価格に関する情報は、全て価格に織り込み済みである”
更にいうと、
”マーケットプレーヤーはみんな超頭いい+合理的”
という前提(仮説)のことです。

 この前提に基づいた世の中を想定するとすれば、、

人類全員に統一の見解として男前・美人の序列が定まる
「あいつかわいくねー?」「いや、ビミョーだろ」といった会話はこの世から消えます。みんなが同じ基準を持っているからです。
その中で誰を選ぶか、というのはリスクの違いだけになります。
例えば、「私は資金豊富にあるから男前にいくわ」「いいなー私はそんなにないからリスクあんま取れないしー下から二番目ランクの不細工にしとくわ。安全だし。」といった具合になります。


 こんな仮説何の意味があるのかといえば例えばこの仮説は、デリバティブ等のプライシングの前提になっております。この辺は長くなるので割愛します。


 ですが。実際のマーケットプレーヤーが全員賢くて合理的かといえば全くそうではありません。なんとなく上がりそうだから買った、とか配当が欲しいから保有している、とか果ては「「絶対儲かる」と本に書いてあったから」といって銘柄を買ってしまう愚者も存在するのです。
 因みにこの愚者は、人間で言えば「電車で向かいに座っていた知らないおじさんがあなたは素晴らしい女性だと言っていました。だから結婚してください」といっているようなものです。

 前回ファンドがPERの特性をうまく利用したという記事を紹介しましたが、もしマーケットが本当に効率性市場仮説に基づいていたらPERは適正な値を示しているはずなのです。
 不確実な物を相手にする金融の理論においては、このような合理的な仮説は必要なのですが、実際はそうではないというところにジレンマがあります。
 
 次回はファイナンスの常識効率性市場仮説に待ったをかけた「非」効率のお話をしようかと思っております。