かたなのきれあじ!!!

本年度もひとつよろしくどうぞ★

TheTimeIsRipeforInvestment43「無形資産」

2007-01-28 21:36:43 | ご隠居のフォルダ
 そろそろ脳みそ加熱しすぎで溶解しつつあるまいどどうも、ご隠居です。

 さて本日のテーマは無形資産。今最も熱いトピックスといってもいいかもしれません。まだまだ議論の過程にあります。
 無形資産とは、バランスシート(貸借対照表)に載ってこない資産のことです。すなわち、現行のB/Sでは適正な企業価値が評価されていないということになります。それでは具体的な無形資産とはどんなものでしょうか。例えば、ブランド価値、顧客の価値、社員の価値、知的資本の価値などがそれに当たるとされています。

 かの有名なティ○ァニーのオープンハート(定価17500円)は、蓋を開けてみれば原価300円だそうです。それがなぜ上記価格で成立しうるか―これが無形資産「ブランド力」ということになります。
 ティ○ァニーを例に出すまでもなく、例えばいわゆる「スーパーブランド」等は実際に目に見える資産(有形資産)よりもそのブランド力の方に価値があるということは直感的にご理解いただけるかと思います。(全く同じ工場、原材料を持つヴィトンとピトンという会社があったとき二つの会社の価値は全く異なる結果になるということです)
 これだけ大きな価値を持つ無形資産はその存在を無視するというわけにはいかないというのが共通見解ですが、それではこれを如何にして具体的な価値(数字)にするのかというところが問題となります。


 という最先端の無形資産ですが、これもまた我々(の一部)は既に脳内インストール済みです。
 もう毎度おなじみの、「懸命な女性投資家」がそれにあたります。彼女たちは、投資銘柄を数ある銘柄からピックアップしてくるに際して、「総合的比較勘案」というスタイルを取ります。不等号が目に浮かぶような不細工と美人のカップルが存在するのはこのためです。この美人は見た目という表のバランスシートに載らない何らかの(例えばものすごい優しいとか一緒にいて楽しいであるといった)無形資産を無意識に銘柄評価に組み込んでいるからだという可能性があります。

 一方悲しいかな単純であるのが売りの男性投資家は、考え方が古いのかインストールされていないのか未だ有形資産重視の評価スタイルをとっていることが多いです。
・顔がよい
・巨乳
・小さい
・細い
等々各人に取って重視ポイントはそれぞれですが、いずれも「目に見える資産」を重視しがちです。殊更バツが悪いことには、有形資産の項目が飛び切り優れているとそれだけでよしとするある意味思い切った評価をする投資家が相当数いるということです。


 このように考えると
♂「お、おらのどこがいけなかったんだべ?気に入らないところがあんだったら言ってけろ、おら直すから!」
という発言が全く無価値であるように思えると思います。既にその時点でダメであるといわれている場合、「直すようなところ(=有形資産)」をどうしようが無意味であるということです。

 参考までに、無形資産は今の企業の価値のかなりの多くの部分を占めると言われています。

TheTimeIsRipeforInvestment42「効率的市場仮説②」

2007-01-27 01:13:53 | ご隠居のフォルダ
 近年稀に見る位怒涛の如く多忙なまいどどうも、ご隠居です。
 今年は昨年の上昇基調を受けて円安の流れが続くであろうと予測しております。

 さて、本日はもうおなじみか効率的市場仮説です。ズレはないよね、という仮説でした。このような深い話は、一回ではとてもカバーしきれないので複数回に渡って述べていこうかと思います。


 さてこの仮説ですが、もっとも基本的なスタンスとしては「今あるその評価がもっとも適正である」ということになります。
 すなわち、巷でよく耳にする
誰も本当の自分をわかってくれない」という悩みなどは、この仮説の前に意味をなさないわけです。「わかってもらえない自分=マーケットでの適正な自分の評価」ということですから、わかってもらえないのは自らの不徳の致すところ、という結論になります。

 物事に上手くいかずに悩むことは万人に納得するところかと思いますが、そのとき合理的投資家である我々は論理的に要因を探さねばなりません。確かに周囲が分かってくれないという責任の所在は外にあるという考え方は自分にとっては楽かもしれませんが、極めて非生産的です。そこに自分のせいかもしれないという要因の可能性があります。幸い効率的市場仮説という立場に立てば、情報は全て反映するという前提に立っていますので、仮に自らに障害要因があってそれを改善した場合には即座に評価が改善されるということになります。


 私とつきあいのあるプロフェッショナルなファンドマネージャー格の言葉を借りれば、
「相手がどんな評価基準を持っていようとも、誰にもいいと思ってもらえてスタート地点に立つということである」です。
 今の評価が自分の全て、それに対して自分でギャップを感じるのならば自分のプレゼン能力に問題があるかもしれない。


 このようなトライ&エラーを繰り返して最も効率的な道を差がす努力をあなたはしているでしょうか??


 世の中には上がいるものです。はい。

TheTimeIsRipeforInvestment41「NPV②」

2007-01-16 03:35:59 | ご隠居のフォルダ
 ヘッジしているはずがプラスの方へ大きく転がって嬉しいやら悲しいやらまいどどうも、ご隠居です。

 さて、前回NPVという手法によって、現在~将来一連のキャッシュフロー(コストや利益)を現在の価値に置き換えて、それがプラスかマイナスかでアクションを起こすかどうかが決められる、という話をしました。
 これによって、資金的にA案とB案どっちか一つしか選べないぜというときも合理的に判断できるということですね。
 余談ですが、就職活動のポイントなどもこれで説明できると私は考えます。会社側は「金をかけて育てる」というコストを払うが、それを上回る「収益を生む」のかどうか、それがプラスならば採用、マイナスならばぽいということではないでしょうか。

 本日はまず、割引率の話からしたいと思います。以前にどこかでお話したかと思いますが、復習です。5%の金利がつくとすれば今100万円の一年後の価値は105万円。それでは一年後の100万円の価値は、100万円/1.05=95.2万円です。
 この場合の「1.05」の「0.05」の部分が割引率です。これを詳しく説明すると果てしないことになりますが、覚えて頂きたいのは
割引率大→現在価値小
割引率小→現在価値大(※大とは増えるという意味ではありません。数字の減少率が小さくなるということです。あるいは上の場合と比べて大)
 割引率は分母に来るのだからある意味当たり前っちゃ当たり前ですね。

リスク(不確実性)が高いほど割引率大
 これも直感的にご理解いただけると思います。
99%の確率で毎月10万円もらえるくじと、50%の確率で毎月10万円もらえるくじでは「今あなたが購入に払ってもよい金額」は違いますよね。前者の方が高いはずですが、これはリスクが少ないからです。リスクが少ないというのは割引率が小さいわけですから現在の金額が多めにですということです。

 この二つは納得してしまうとなんてことない話ですが、知っておくと本当に便利ですので記憶に留めておくことをお勧めします。


 さて、この話をきいて「へ~すげ~そんなことできるんだ」と思った方は、要注意です。
 もうおなじみの、一部のヘッジファンド系女性投資家はNPVなど脳内に生まれつきインストール済みだからです。「あの人間に三時間時間を割くのは現在価値になおして3万円の損だから辞めよう」などと意識上に上ることがあるということはないでしょうが、無意識下において高速に計算されているのです。

 最も素人にも分かりやすいのが、「玉の輿ハンター」というファンドです。「玉」と認定される男性銘柄は多くの場合「高額所得者」であり、現在価値は非常に高額なものになります。既に成功しているわけですから、「大変にリスクは少ない」→「割引率は少ない」ということになります。投資家は原則、取らなくてよいリスクは取りません。低リスクなのに、リターンは極めて高い、この夢のような案件を合理的に行動する聡明な投資家たちが見逃すはずはありません。ゆえに競争の原理が働き、結果オークションの原理によって、取得コストは極めて高くつきます。そのことを十分に理解しているハンターたちは、同業他社に負けぬよう日々参考文献を読み、粉飾決算の技術を磨き上げます。この努力は目を見張るものがあります。

 もう少し頭が回り、時間的にも余裕のあるのは「ポケモンハンター」というファンドです。この人種は、青田買いを主要な戦略とします。現在時点ではまだ高額所得者ではないために、(成功するのかどうか)リスクがありますので割引率が上記例よりは大き目になります。結果、現在価値は上記例よりは低めにでるので、取得コストも低くて済みます。また、リスクをとっている分もしかしたら予想より大きく化けるかもしれないリターンの可能性があるのも魅力です。
 「上記よりは」としつこく言ったのは、このような投資家さんが狙うのは「今は違うけど将来は『ほぼ』成功する」といういわゆる「上流階級ポケモン」狙いが基本スタンスだからです。従って、コクーンなどは投資の範疇外であります。ただ防御力アップのコマンド「硬くなる」というひとつしか使えないようなポケモンはファンドは見向きもしません。


 因みにトリビアですが、このような最も聡明な人種が溢れているのが、某T損保会社です。このような聡明さを裏打ちしているのか、自らの価値も大層なものだということです。果敢な男性投資家の方は是非、挑戦という名の餌食コースに応募されてはいかがでしょうか。

TheTimeIsRipeforInvestment40「NPV」

2007-01-07 01:56:16 | ご隠居のフォルダ
毎日ご覧になってくださっている方々さぼっておって申し訳ありませんまいどどうも、ご隠居です。最近はてんてこまいな日々ですが、続けて行きたいと思います。本日は(もうお忘れのことかと思いますが)昨年度のディスカウントファクターの続きという側面もあります。

 さて、以下の言葉を読んで間違いを探して下さい。

「おれさー、あの子のこと好きになっちまったわ。」
「なんで?」
「さぁおれにもわかんねーんだけど。でもダメだ。おれはこれからあの子をゲットするために全てをかけるお」
「そうかい。がんばれー」

 いかがでしょうか。それでは、もう一つ。

「部長、新しいプロジェクトの提案です!」
「お、企画書あんのか」
「はい!これです!」
「どれ…『低単価で即酔っ払うことが可能な超特濃ビール!!研究開発室が開発に成功!!』。へー」
「聞いてみたら、急げば一ヶ月で商品化できるそうです!」
「よっしゃ、そんじゃやってみっか!」


 このような会社に入ってみたいようなそうでないような。
というのは置いといて、下から種明かししますが、企業というのは営利団体です。何を相手に何をしようが、詰まるところ利益が出ないと意味がありません。すなわちもうお分かりだと思いますが、上記の例には儲かりますというストーリーが抜け落ちています。
 具体的には、プロジェクト全期間の収益-投資額(コスト)=プラスのリターンであることを示します。
 ものすごい乱暴に説明すると、
「毎年1万円必ず生むという不思議なにわとりがいます!所有者は7万5千円なら売ってもいいといっています!寿命はあと10年らしいです!2万5千円儲かります!このにわとり、買いましょう!」ということになります。
 ここまでならば、算数レベルの話なのですが、現在価値という概念を知っている私たちはもう一段階進みます。5%と割引率を仮に設定して現在価値に割り戻すと、この「にわとり購入プロジェクト」を「価格」で表すことができます。これをNPV(ネットプレゼントヴァリュー・正味現在価値)といいます。このプロジェクトのNPVは-3735円となります。すなわち、このにわとりを買うとそれだけ3735円損するのでやめましょうということになります。
 実務においてはもう少し複雑ですが、概ねこのように企業はプロジェクトを選択するかしないか決定しています。


 とすれば冒頭の会話も採算性には目をつぶっているということが分かります。われわれは合理的に行動する投資家であって、中学生ではありません。投資対象にたいしての取得コストと、仮に取得できた後のリターン、更に言えばリターンがどれだけの期間得られるか(=破綻も考慮に入れる→これを投資用語ではEXITあるいは出口戦略といいます)を合理的に推定して、NPVがプラスであるかどうかを判断します。仮にマイナスなのであれば、どんなに心でよいと思おうが泣きながら撤退するのが合理的判断なのです。
 このような判定は、推定に基づくために度々言っているように対象銘柄のデューデリが大事になり予想の精度を高めることになるのです。


 次回も、続きます。

新年のごあいさつ

2007-01-02 18:39:06 | ご隠居のフォルダ
 明けましておめでとうございます、まいどどうもご隠居です。

 2007年となりました。皆様どのようなお正月をお過ごしでしょうか。

 本年も、応援してくださる方がいる間は(PVがゼロにならぬ限り)のんびり続けて行くしだいでございます。

 引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。