どこが残暑なのだか残りすぎだろうまいどどうも、ご隠居です。少々、どころか大分お休みしてしまいました。さび付く前にさりげなく再開いたします。
さて、本日のテーマは、知っているだろう方も多いであろう「TOB」です。
TOBとは、株式公開買付(かぶしきこうかいかいつけ、Take Over Bid 、又はTender Offer Bid の頭文字からTOBと略される)のことで、ある株式会社の
経営権の取得などを目的に、株式の買い取りを希望する企業や個人が、「買い付け期間・買い取り株数・価格」を公表して、不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集める制度をいいます。
昨年ライブドアによるニッポン放送の株取得に対してフジテレビが取ったのが、このTOBです。
株をたくさん(過半数超)所有すれば、経営権を手に入れることができます。
(1/3で特別決議の拒否権がある、詳細は今回は割愛。)その経営権が自分のものとなるということはその会社が自分のものになったと同じことです。
ここで、今とある会社の株が株式市場で100円の値を付けられていたとします。このときに(通常)それよりも高い価格「○○社の株は140円で買いますよ」と申し出ます。もしあなたがその会社の株を持っていて売りたいと思っていた場合、普通に株式市場で売却するよりTOBを行う会社に売った方があなたは一株あたり40円も得するわけですからTOBを行う会社に売却しますね。
このように、期限と値段を明示して株を買うことがTOBです。
われわれの世界でもTOBは日々行われています。昼ドラあたりでは、日常茶飯事です。すなわち
略奪愛のことです。
今いる株主―いわゆる対象銘柄の彼氏もしくは彼女の代わりに、対象銘柄の筆頭株主になって自分のものにするということです。大人しくしているだけでは当然TOBは成功しませんから、いかに現在の市場価値よりも自分の方が高値をつけられるかというところを適切にアピールせねばなりません。
「今の彼女さん、あなたの誕生日忘れててなんもしてくんなかったんでしょー?あたしなら絶対そんなことないのになぁ」とか「いい加減そんな暴力男と別れろ!オレが面倒見てやるから」とか要は自分の方が優れているかということをアピールせねばなりません。
ここで、前述の具体例を用いてTOBの難易さについてのべます。市場価値が100円、買い付け価格が140円でした。このとき「株を持っている人」が140円で売るだろうと述べましたが、
株を持っていない人も市場で100円で買ってTOB社に140円で売ることを考えると思いませんか?
多くの人がそう考える結果、市場価値は急上昇します。そして市場価値がTOB買い付け価格よりも高くなってしまうと、今度は株は株式市場で売ったほうが得ということになるのです。
倦怠感丸出しの彼氏が、ライバルの出現により襟を正し、「オレが間違ってた。これからちゃんと働くよ」と再度真剣に対象銘柄を考え始め市場価値が上がるといったところでしょうか。
このようにTOBとは、様々な駆け引きの上に成り立っているのです。上の場合では、TOBを仕掛ける側は買い付け額を更に引き上げるか諦めるかを考えます。
個人的には余り行わないTOBですが、みなさんも行うときは十分リスク分析を行ってから臨んでください
投資界では立派な戦術のひとつです。