カウンターの中から客をのぞくといろんなことが見えてくる

日本人が日本食を知らないでいる。利口に見せない賢い人、利口に見せたい馬鹿な人。日本人が日本人らしく生きるための提言です。

嘘をついて生きていく?本当にそれでいいの?

2012-07-10 | 人間観察
2006年「第3回男女の生活と意識に関する調査」によると、

15歳から49歳の日本人女性のうち14.2%に中絶の経験があるという。

14.2%=7人に1人!

「ふうん」

なんて言っていられない。

これはあくまで、表に出ている数字に過ぎない。

中絶手術には、子供の死亡診断書を提出しなければならないので、
それを嫌がるため、激しい運動や、自分の腹を殴ったりして、強制的に流産させる人も増えているという。

もちろん届出をしない違法手術や、3ヶ月以内なら注射1本で中絶する方法もあるらしい。

もちろん、僕は専門家ではないので、あくまでもネット上の情報でしかないが・・・・。


昨夜、{最期の春マツタケ}というイベントをやったおかげで、実に盛況で楽しい一日を過ごした。

ミユキさんや、アキちゃん、ミカちゃんをはじめ、多くの人たちが集まってくれた。

黄色い歓声にも似た声が、店外にも広がる。

どんどん人が入れ替わり、贅沢で幸せな一日だった。

一番最後に入ってきたのが、最近頻繁にやってくるようになったCちゃんだ。

まだ、23歳。

大学を出て名古屋に就職して、店の近くのアパートに住んでいるかわいい女性だ。

実家が、愛知県なので、比較的近い地域の会社に就職したのだろう。

そのCちゃんも、みんなと楽しく騒ぎ、最後の一人になった。

みんなが帰った後、Cちゃんが突然話し出した。

「マスター、産婦人科の先生知らない?」

「産婦人科? いくらでもあるよ。女医さんのやってる病院もたくさんあるよ」

「妊娠しちゃった」

「結婚しないのか?」

「不倫だから」

「社内の人間?」

「うん、上司」

「責任取らせたらいいじゃないか」

「お金は出すって言ってる」

「コンドームの使い方も知らないのか、君たちは」

「まさか、妊娠するとは思ってなかったから」

「国立大学まで出て、それがどういうことかくらいわかってたんじゃないか?」

「でも、まさか妊娠なんて」

「セックスは、妊娠させるためにやるってのが本質なんだ」

「わかってる。でも、こんなのがみんなに知れたら、私、会社に勤められない」

「君にとって何が大事なんだ。会社か、中絶か、上司なのか?」

「今は中絶しなくちゃならないから」

「誰にもわからなければいいのか?」

「とりあえず」

「恋愛や結婚観が間違ってる」

「でも好きだった」

「好きだというのは、上司のことか、結婚できると思ってたのか、それともセックスが楽しかったのか」

「セックスは上手だった。毎日会いたかった」

「ばかげてる。料理もできないやつが、セックスだけはやりたいってわけか」

「セックスは別よ」

「どうして?」

「結婚は生活だけど、セックスは快楽だもの。上手な人とやるほうが女は幸せを感じる」

「将来結婚する人に罪悪感はないのか?」

「それは仕方ないと思う。私にとっては、《今》が一番大事だから」

「中絶して体がボロボロになってもか?」

「たぶん、大丈夫。学生のときも、ナンパされた人の子供を堕ろししたから」

僕は何も言う気もなくなった。

Cちゃんにとって、気にいった男性と出会ったら、セックスすることが一番大切なんだ。

中絶することに何の罪悪感も感じていない。

妊娠に対しての、学習能力もゼロだ。


社会も悪いが、親は何を教育してきたのだろう。

僕は女子大で、《結婚論・恋愛論》を講義していたことがある。

恋愛が悪いとは言わないが、将来を見据えない恋愛は、人生の肥やしにならないといってきた。

いつか結婚する男性は、一生伴侶を守っていく宿命を背負う。

その人に語れない恋愛は、するべきでないと。

犬猫のように、繁殖期にやればいい、というものではない。

たとえ失恋しても、その恋が自分を成長させてくれるものしか人間としての成長はない。

僕は黙って店じまいを始めた。

自分を守ってくれるはずの未来の夫に、ずっと嘘をついて生きていくことが、それほど楽しいものなのだろうか。

それとも、僕の考え方が古いといわれるようになってしまったのか?

あーちゃんなら、こんな馬鹿なことはしないだろう。

中絶が増える。

これは決して、世の中のせいだけではない。


無責任な情報氾濫もそうだろうけど、
やはり、本人の、幼稚な脳みそに違いないと思っている。