カウンターの中から客をのぞくといろんなことが見えてくる

日本人が日本食を知らないでいる。利口に見せない賢い人、利口に見せたい馬鹿な人。日本人が日本人らしく生きるための提言です。

桜日和と呼ぶにふさわしい暖かい日。満開の桜にも心は晴れそうに無い。

2013-03-31 | 人間観察
母の七回忌も無事終えた。

やっと一段落と言う気持ちだ。

法事が終わり、墓参りをし、その帰りに城跡の公園に咲く桜を見た。

たくさんの人が花見に来ている。

暖かい日だ。

のんびりとした穏やかな笑い声が響く。

のどかな田舎の一日を象徴しているかのようだ。

脚と腕の痛みも少し和らぎ、
本当はこんな日に畑の草刈でもすればいいのだろうが
明け方について、家の掃除をして、
お供物を買い、
花を買い、
仏壇と墓の掃除をし、
全く眠っていない。

千恵子先生のアパートに向かう元気も無い。

時々意識が飛びそうになるほど眠い。

このように歩くことさえ不思議だ。

なぜ歩いているのだろう。

心がどうしても晴れない。

モヤモヤした気分が続いている。

「死にたい」

そんな言葉が口をつくことがある。

追い詰められた時にはそんなことは思わない。

のんびりとしたとき、
こんな状態を続けられないことに気が付くからだ、

「死にたい」
と言う言葉には
「生きたい」
と言う意味でもある。

最近、そんなことに気が付いた。

それでも、病気が襲う痛みと絶望感は言葉では言い表すことなど出来ない。

今日は眠ろう。

明日、無農薬や才能かを回らねばならない。

千恵子先生に電話をした。

「疲れた。寝にいっていい?」

彼女はいつものように、全く驚かない。

「お風呂はいる?」

「まず眠りたい」

「布団敷いときますから」

ごく自然に彼女のアパートに向かう。

ドアの前に立つ。

ノブを回す。

あいている。

黒のワンピースを着た千恵子先生が笑ってる。

彼女が両手を前に出す。

僕は飛びついた。

しがみつくように強く抱きしめた。

涙が出た。

一気に涙があふれ出た、

布団に倒れこみ、抱き合いながら眠った。

明日のために。

明日の人生のために。

明日も生きながらえるために。

この悦びと感動を
僕は忘れたくない。

心のマナーを考える。セレモニーのマナーと、相手のある時のマナーは違うはず。

2013-03-30 | 人間観察
土曜日は母の7回忌。

準備が忙しい。

法事ごときに、なんて言う人がいるが、
僕は法事こそ、生きている人間の心の納得以外の何物でもないと思っている。

本当に身近な人たちだけの集まりだ。

それも立派なセレモニー。

身内ばかりだと言って、
無礼講になることは、
少なくとも僕には許されない。

昨夜、ユキちゃんが来た。
お父さんと一緒に。

仲のいい親子だ。

そして、久々の梅ちゃん。

さらに東京からマナーの先生。

僕はこの店を始める前、
生涯教育の会社でも講師をしていたことがある。

その関係で、
マナーの講師が何人かいる。

この人ではないが、
やはり東京でマナー講師をしている美女がいる。

店を可愛がってくれる素敵な人だ。

全く知らない者同士なのだが、
偶然にも、この二人が本を出した。

マナーの本だ。

来店した方は、食事のマナーと冠婚葬祭のマナー。

もう一人の人はテレビでも活躍している人で、
立ち振る舞いのマナーだ。

これらの本を見た時、僕はいつも少しばかり違和感を感じる。

結婚式などのセレモニーにおいては
僕はマナーを重んじるが、
友達の家で食べる時、
姿勢を正して、魚を食べるにも、
ヒレを取り払って食べるようなことをするだろうか。

ケーキを食べるのに、
ナイフとフォークで食べるだろうか。

僕はいつも思う。

彰子先生が作ってくれた煮魚を、
行儀よく食べることで彼女は喜ぶだろうかと。

それよりも、かぶりついて食べ、
「おいしい」「おいしい」を連発して、
骨までしゃぶってうれしそうに食べるほうが嬉しいのじゃないのだろうか。

店でもそうだ。

かたぐるしい食べ方よりも、
ざっくばらんに、食べる喜びを表現してくれるほうが運と嬉しい。

もちろん、最低限のマナーは必要だが、
フランクに食べる中にも、
知性や理性、常識を感じさせる食べ方があるのではないかと思うのだ。

簡単に言うと、【心のマナー】だ。

セレモニーのマナーが一般的ではないということも、
もっと注目されるべきではないだろうか?

社会には、知識では解決しない問題がたくさんある。

それには心が必要なのだ。

相手にも通じ、
周りの人にも不快感を与えない振る舞いこそ、
本当のマナーのような気がする。

明日の法事は、
楽しくやりたい。

少なくとも、
非礼はだめ。

礼儀知らずもダメ。

それでもみんなが楽しくフランクに振る舞えることを望んでいる。

もちろんそれには、心だけでなく、知識も体験も必要なことなのだけれど。

またまた騙される日本人。アベノミクスとは何なのか考えたことさえない人が自民党に騙される。

2013-03-29 | 人間観察
かつてない建築ラッシュ、
かつてない急激に円高。

マスコミは皆アベノミクスの効果だと騒ぎたて、
これが、景気回復の兆しだという大嘘がまかり通っている。

消費税が上がることになり、それまでの大きな買い物をしておくだけのことで、景気がいいから新築するのではない。

端的に言うと、自民党政府の脅されているのと同じだ。

円高狙いは、車や家電など、輸出業者ばかりが儲けられる。

なぜこんな政策をするのかと言うと、
日本の景気と言うには、
『貿易黒字の数字】と
『新築着工件数』で決められるからだ。

この二つが伸びれば
『景気がいい】ということになるからだ。

円高で、食料品はどんどん値上がりし、
プラスチックなどの梱包品も天井知らずで値上がりする。

車や家電さえ、海外からの輸入で多くの部品を賄っていて、
加工品は、価格が上がる。
輸出が好調になっても、国内販売価格は安くならない。

石油が大幅に値上がりし、
物流はもちろん値上がりする。

漁船や農家の収穫にも大きな影響がある。

漁船の燃料は毎日3万円以上の負担が増える。

魚も値上がりし、タクシーも、宅配便も、
生活必需産業がみんな値上がりする。

輸入業者に至っては、自殺者まで出てしまうという予想する学者もいるほどだ。

そして消費税が上がり、年金受給者はどんどん苦しくなる。

僕はアベノミクスが、
まがいもので、
国民殺人政策だと感じている。

国民はみんな騙されている。

金持ちだけがさらに金持ちになり、
官僚だけが儲かり、
庶民はさらに苦しむだけの政策だ。

嫌な時代になった。

自民党に投票した国民は、
その責任を感じることがあるのだろうか?

目的のない結婚の結論は、ずっと前からわかっていたはず。わからなかったのは本人だけなのか?

2013-03-28 | 人間観察
店の客が離婚した。

31歳の女性だ。

誰もがうらやむような、理想の夫婦だったはずだ。

「私のほうが給料が高かったから」

「ノンセックスだったから」

「彼はお酒を飲まないから」

「私の仕事の都合で帰るが遅くなるから、
別々に食事をとらなくちゃならないの」

そんなことはわかっていて結婚した筈なのに、
エリート同士のエゴが生んだ結果としか僕には思えない。

結婚って言うのは、
二人が同じ目的を持ち、
何らかの形で共同作業をしていくことだと僕は考えている。

全く共通点のない仕事を別々にして、
お互いが助け合うこともなく、
財布は別々で、子供を作る予定もなくては、
二人は結婚ではなく、同棲していただけだということがわかっていないのだ。

何歳までに子供を産んで、
子供を見るのに女性が主婦に専念し、
子供が何歳になった頃に、家を買い、
定年したら、二人で畑をやって・・・・。

共有できる趣味や、価値観、
そんなものなくして二人が楽しく一生を過ごせるはずがない。

結局は、彼女の浮気が破局の原因だったようだ。

僕は【個】としての人間が、
配偶者以外の異性を好きになることだってあると思うし、
結果として不倫をしてしまうことだってあるかもしれないし、
それが必ずしも悪いことだとは考えていない。

不謹慎だと思われるかもしれないが、
人に恋する気持ちは、とても大切だと思う。

しかし、現在の立ち位置を破壊してしまうということは愚の骨頂だと思う。

自分の心を開放する意味で、
不倫という形も出てしまうことがあっても
不思議はないということなのだ。

他の客も、興味津津だったが、
僕にはあまり興味がない。

別れるべくして別れてしまったとしか言いようがない。

でも本当は、周りから見れば、
二人が幸せだとは感じていなかったはずだ。

お金はある。
自由もある。
いい服を着て、いい車に乗って、
いつまでも高級賃貸マンションに住んでいる。

サラリーマンが現実と向き合った時、
そんなつまらない無駄な時間などないはずだ。

ばらばらの外食、
料理を作らない家庭、
夫婦二人が一緒に風呂にはいっることもない。

起きる時間も寝る時間もバラバラで、
ただベッドが一緒というだけの生活。

うまくいくはずなどない。

もっと学校教育の中で、
結婚の意味を学ばせるべきだと思う。

結婚は単なるセレモニーなんかじゃない。

結婚は、【結婚生活】こそが大事なのだ。

セックス相性や、お金のあるなしでは、
結婚生活なんか出来やしない。

本当に、日本人の心が壊れてしまってきていると思う。

これから個人の日本料理店はどうやって生きていけばいいのだろう。日本人が日本の味を忘れてしまった今。

2013-03-27 | 人間観察
年配のご婦人の食事会があった。

70代が二人、60代が4人。

ぬた、土筆の卵とじ、菜の花と筍の甘煮、
白魚の天ぷらバラ揚げ、豆ごはん。

そんな料理に涙を流さんばかりに感激してくれた。

「少なくなったね、こんな店も」

おばあさんたちは、現代人の食事のあり方に疑問を感じていた。

このままじゃぁ、日本人の味覚なんて消滅してしまう、というような危機感を持っている。

それは僕も全く同じだ。

「最近息子たちに居酒屋に連れて行ってもらっても、
煮魚も、煮物も無いんだよ」

「蕎麦屋に行っても、蕎麦がきさえ無いのよ」

「チェーン店に四季がが存在しないの」

年配者の嘆きは心に響く。

実はここ数年のうちにも、
個人の店がどんどん廃業していった。

特に、日本料理や、うどん・蕎麦などの和食の店が目立つ。

日本人が日本の伝統の味を知らないで生きているのだ。

僕は数年前、やはり廃業するかどうか迷っていた
老夫婦の経営する割烹の相談を受けたことがある。

息子は後を継ぐことを嫌がり、
イタリアンの店を開きたいという。

僕は和食味の洋食を提案したが、
残念ながら、息子には受け入れてもらえなかった。

結局、息子は独立し、
2年もたたないうちに店を閉めた。

老夫婦は、店を縮小し、
『刺身と焼魚の定食屋』として、今でも細々とやっている。

僕もこの問題にぶつかったことがある。

若い客が定着しない。

そこで僕が考えたのは、
和風ダシをベースにした【黒酢ラーメン】を作った。

また、【塩昆布パスタ】も作った。

もちろん、ランチのメニューとしてだが。

それでも若い人が食べに来てくれるし、
夜にもつながって行く。

日本人は、結局は日本の伝統の味が好きなのだ。

彼らがかわいそうなのは、
マスコミに害された情報と、
ホンモノを味わう機会に恵まれていないのだ。

またひとつ、僕の目的が見えてきた。

もう少し頑張ってみる価値があるかもしれない。

今の原稿を書き終えたら、
将来のプロットを考えてみよう。

せめて1~2年で完結できるプロットを。

僕自身が、
小説であることも
素敵なことなのかも知れない。