亀の啓示

18禁漫画イラスト小説多数、大人のラブコメです。

パラレルストーリー おじさんと女子高生②

2018-08-29 20:51:49 | 美月と亮 パラレルストーリー
「長内くん、おはよう。」

翌日、美月は何にもなかったように
からりと笑っていた。
賞平も、少し物静かではあったものの
美月と行動を共にしながら、いつもの
ように笑っていた。

若いやつらは強い。

俺は、やつらのバイタリティーとか
切り替えの早さとか
たくましい笑顔がまぶしい。
俺はまたいつものように、やつらの
陰日向になり、職務を全うする。
それだけで精一杯だ。

夢の中で美月を抱いた。
自己嫌悪で胸が押し潰されそうだ。
なのに、やつは俺に笑いかける。

こんな汚れたおっさんに、そんな
天使の笑顔はいらないよ。

「長内くん。昼休み、遊びに行っていい?」

美月が俺の横に来て、小声で囁いた。

俺は、昼休みはほぼ資料に埋もれている。
図書館の書庫の奥、歴史資料の
乱雑に納めてある一角を整理しながら
一人でささやかな幸せをかみしめる。
それは学園内では誰もが知る事実だが
そこに遊びに来ると言った生徒は
初めてではないか。
10年以上教師をやっていて、初である。

「つまんねえぞ。」

俺は胸の痛みを早くもマスターベーション
の余韻のように味わいながら美月を見る。

「話があるんだよ。」

「今度は、聞かれてもいいんだ?」

また、昨日みたいに。
一緒に歩きたい。
そうか。これは俺の願望なんだ。

「伝えたいだけだから。ひそひそ
するくらいで済むよ。大丈夫。」

美月は楽しそうに駆けていく。

廊下走っちゃだめだよ!
お前はただでさえ、足が速いんだから!

うふふ、と
えへへ、の間くらいの
笑い声を立てて。
あっという間に角を曲がって
行ってしまった。







「もし、今大地震が来たら
確実に二人で圧死するね。」

美月は書庫の奥、俺のテリトリーを
見回して、呆れたように言った。

「話って?」

俺は言われ慣れていることには
取り合わずに、話を促した。

「内緒話するから。」

美月が俺に横から抱きつくように
体を寄せる。俺はさりげなく
美月の体を抱く。

「なんか、分かっちゃった。
好き、とか。つき合いたい、とか。」

俺は頭上に天使と悪魔が揃って
出現した、と思う。

「そ、そうなんだ。」

こんな風にすっとぼけた返事をしたが
胴体から離れていきそうなくらい
胸が暴れている。

「すき。あたし、長内くん、すき。」

瞬間、俺は頭上の天使と悪魔に
袋叩きにあった。

「これは、あたしが勝手に思ってる
ことだから。でもあたし、すきな人
出来て嬉しいよ。ありがと。」

そういう美月は屈託なく笑って
俺をまっすぐに見つめる。

初めて恋というものを自覚した美月は
その自分の心に湧いた暖かな感情が
嬉しいという。
その先も考えずに、ただ、それが
嬉しいというのだ。

「えっと。つき合う、ってのは。
どうするんだ?」

未練がましく俺は食い下がる。
でも自分からは言わない。

美月。大好きだ。
俺はすっかりお前の可愛らしさに
やられちまった。

一緒にいることの喜びを、教えてやる。
それがつき合うってことだよ。

そう、言って抱き締めたらいい。
美月だって、俺を好きだって
言ってくれたんだから。

「それは。色々と支障があるでしょう。」

美月は冷静だ。

「まずいでしょ。生徒となんて。」

「えっと。その。」

「ていうか。長内くん、つき合って
くれるの?」

「…………」

俺は、しばらく黙ったまま
言葉を片付けるように
大きく息をついた。

美月が、パイプ椅子に座る俺の膝に
ちょこちょこと回り込んで。
股を割るようにしながら
俺の方を見つめる。
太ももに、ぽよんとお尻を着地させた。
俺の首に手を回して抱きついた。

「えへ。すき。だいすき。」

その時、悪魔が俺の後頭部をしたたか
殴り飛ばしたのだ。

「愛してる。美月。」

美月を包むように抱き締めて。
自分の内側に隠すようにしながら。
唇に唇で触れに行く。

「んきゃ、ん。」

美月は驚いて声をあげる。

「いや?」

俺は、美月にチャンスを与えた。
これから。もう一度キスをする。
今度は、触れるだけなんかじゃない。

「いやじゃ、ないよ。」

俺は、もう一度キスした。







チャイムが鳴る。
俺は美月のセーラー服の乱れを
直してやりつつ、教室へと送り出す。

俺は自分の浅ましさにまたまた
自己嫌悪に苛まれた。

唇に始まって、耳や首筋、鎖骨をなぞり
セーラー服の胸当てを外して胸元に
唇を這わせた。強く吸う。
白い肌に紫のアザができた。

セーラー服の上着の裾から
手を入れて、胸の膨らみを探す。
容易に行き着いた山の裾野は
高さはなかったが柔らかかった。

そこで。チャイムが鳴る。

時間切れ。

でもホッとした。

「ごめん。」

いきなり盛り上がって、調子に乗って
体に触れたのは、決して誠実でもないし
品のある行為でもない。
ただ。止まらなかったのだ。

今一度。と、美月を抱き締めた。
美月はくふん、と微笑むと
頬っぺたにキスしてくれた。







美月は相変わらず暴れん坊である。
放課後はみんなでサッカーをしたり
ふと見れば木登りをしていたり
ケンカの仲裁をしていたり。

でも。俺の腕の中で
うっとりと唇を紅くして
艶のある声をあげる。

「んふう。んあん。」

「くそう、かわいい。」

書庫の奥。
たくさんの資料に囲まれて。
印刷のインクや、古くなった紙の匂いに
包まれながら、俺は美月を可愛がる。
でも。いきり立つ俺自身を挿入する
踏ん切りはつかないままだった。

「もう、やめとく。」

ある日美月が、胸元を弄る俺の手を
押し返した。

「痛かった?」

俺は膝に美月を座らせて、ペッティングを
繰り返していたのだが、美月が急に
拒み始めたのがよくわからなかった。

「なんか。おもらししちゃいそうなんだ。」

美月は、股間に違和感を感じるという。

「なんか、今もチビっちゃってる
気がしてすごく落ち着かない。」

腰をひねって、膝を上下させて恥じらう。

まさか。この娘は、自分が濡れたことに
気づいていないのか。ペッティングくらいで
失禁するほど感じているのか。
俺は美月のスカートの中に指を這わす。
太ももから、恥丘に向かって指を差し入れ
案の定柔らかく濡れている花弁をなぞる。

「いやん、やめて!汚いよう。」

俺は戻した指を鼻先で嗅いで見せた。

「これはおしっこじゃないよ。」

美月は真っ赤に頬を染め羞恥に堪える。

「愛液だよ。」

俺は、指にまとわりついた透明で
少し粘り気のある液を舐める。
雌の匂いはあまりしなかったが
あんなに濡れてくれているんだと
興奮が止まなかった。

「いやいや。恥ずかしいよう。」

俺は恥じらう美月を抱き締めて
あらためて唇に唇で触れに行く。
舌先で唇をなぞり、つつくように舐めた。

「あん。ああん。」

強めに吸い付いて、舌を絡める。

「美月。俺の部屋にこい。」

「え。」

「続き、してやる。最後まで。」

「最後?」

「分かってるだろう。セックスだ。」

セックスという言葉が、二人を
冷静に引き戻した。

美月が、おずおずと俺から唇を離す。

「ごめん。やっぱり。怖い。」

まあ、今していることだって。
セックスのうちには入ってるんだぜ。

「そうか。美月がいやなら。
やめような。」

俺はあっさりと引いた。

美月を抱き締めて、キスをたっぷりと
してやる。

美月も俺の首にしがみつくように
抱きついて、甘く囁いた。

「ごめんね。だいすき。」

美月は申し訳なく思ったのか、
自分から濃厚なキスをしてくれる。

俺は美月の背中を優しく撫でた。



放課後の喧騒が、遠くに潮騒のように
大きく小さく響いてくる。
俺は寂しく痛い感覚に胸が冷えた。
美月は、俺から離れていく。
きっと俺と一緒にいるためには
セックスをしなければ許して貰えないと
思ったに違いない。

本当のところ、どうなんだろう。
ただキスして抱き合うだけで
俺は満足するのだろうか。

するわけないけど。

美月がまだ、いやというなら
我慢する。我慢できる。

美月とは、放課後こうして
イチャイチャしたあと、一回別れて
あとで正門を出た大通りのバス停で
落ち合う。
電車には乗らない美月を、家まで送り
それから駅まで戻って帰宅する。

今日は少しぎこちなかった。
並んで歩いていても、美月の表情が
固いのは見なくたって分かる。

「美月は俺に気を使う必要はないから。
むしろ、嫌だって言ってもらって
よかったよ。このまま、美月の気持ちも確認
しないで強引に抱いちまうところだった。」

正直、強引にだって抱きたいのだが
その後に美月を失うことになるのなら
我慢する。我慢できる。うん。

「普通の男と女って。そういうもの?」

美月は、自分がわがままを言って
いるのかと不安になったようだった。

「いや。そうじゃないよ。
だって、俺はそんなお前が好きなんだ。
他のやつらのことは関係ない。」

美月は嬉しそうにしながらも
回りを見回した。
俺も我に帰って、口元を手のひらで覆う。

美月の目が柔らかく微笑んだ。

「かっこよくて。かわいい。」

美月は、俺が口元を手のひらで
押さえた仕草が気に入ったようだ。
何が良いのかはよくわからないけど。

こいつは、俺の知らないうちに
俺を見つめて、こんな些細なことを
いくつも重ねていって好きという
気持ちを暖めつづけているのだ。

そんな美月を、俺は好きだ。