ンデンデキ外伝

僕の話をしよう。

サガ

2006年06月08日 15時11分12秒 | 糞心ワープ関係
その男は素晴らしい歌声をしていた。
声楽のことは詳しくないが、音域は恐らくテノールってやつ。
何を歌っているのかは聞き取れないが、多分何も歌っていない。
素人耳でもあれは「あ~」や「お~」、「ろ~ろ~ろ~」とかをでたらめに繰り返しているだけだ。
とにかくあれは、まるで日曜の朝にだけお目にかかることができるような、本当に素晴らしい歌声なんだ。

しかし、何故だ。

何故そんなテノール歌手がこんな本当になんでもない路上にいるんだ。
何故俺のほうに向かって走ってくるんだ。
ポロシャツの上にベンチウォーマーを羽織り、ジャージパンツにタッグイン、メーカー不明のスニーカーとリュックサック。
髪は密度こそ薄いが、もしゃもしゃとインドのサドゥのそれのような質感をたたえている。
言い方は悪いが、そのいでたちはまるで○的障○者だ。
いや、実際彼は知○障害○なのだろう。
でなければ、駅前の人だらけの場所であんなに高らかに歌ったりしない。
こんなに俺を追っかけてきたりしない。
こんなに俺も全速力で逃げたりしない。

何なんだ一体。
どうして俺だ。
俺が何をした。

は、速い!
どうしてちっとも腕を振ってないのにこんなに速く走れるんだ。
何故の嵐。
見る見る間に縮まる距離。
遂に捕まってしまった。

き、気持ち悪い!
犬みたいにじゃれついてくる男。
ベンチウォーマーのシャリシャリという摩擦音。
強烈な頬擦りのジョリジョリ感。
そして相変わらずの至高のテノール。

その場でもみくしゃになり倒れる男二人。
俺も全力で抵抗するが、10キロ以上はありそうな体重差はそう簡単に覆されない。
すっかりへっぴり腰になってしまった俺に良いパンチなんて撃てるはずもなく、
全く迫力の無いげんこつ(あるいは「ぐるぐるパンチ」)は申し訳程度にもしゃもしゃ頭にヒットしていく。

もしゃっ もしゃっ もしゃっ もしゃっ

くそっ、離れろよキ○ガイ野郎!
誰か、誰か助けてくれ!
このキ○チガイをどっかにやってくれー!!

周囲10メートルにも聞こえているのか情けない俺の声。
誰にも聞こえていないのだろう。
男の歌声以外は。

その時ふいに見知らぬ少女がしゃがみこんで仰向けの俺の顔を覗きこんできた。

「いいの?そんなこと言っちゃって」

いつの間にいたのか、やおら割り込んできた少女の姿は女子高生だった。
それこそ電車の中で見かける思わず殴りたくなる生意気そうなまさに女子高生といった感じである。

「あんまりその子にそういうこと言わない方がいいと思うなー。あーあこんなに喜んじゃって」
お前は何を言っているんだ。

「だってその子は君達の言う所のあれだよ?そう、天使なんだよ?」
お 前 は 何 を 言 っ て い る ん だ 。
畜生、お前もこのサイコ野郎の仲間なのか。

「え、あたし?言わなくても分かってるんじゃない?」
いつの間にか手にしてたピンク色の缶から煙草を取り出す女子高生。

「あたしはぁ~・・・」
立ち上がる女子高生。
あ、パンツ見えそう。








恒例の今日の夢の話でした。

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7 コメント

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夢って‥ (れち)
2006-06-08 18:47:29
忘れちゃうさ‥(θωθ)

朝起きて、言わなきゃ!言わなきゃ!って思って 朝ごはん食べたら忘れちゃうの。

そんなハッキリ覚えてるのー??
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Unknown (ショ)
2006-06-08 19:16:31
実は文にするときに多少演出入ってるのはいなめないかな(^^;)

でも、文に起こしたくなるような夢はかなり鮮明に覚えてると思うよ。

絵的に凄かったり妙に意味深な夢ってのは特に残るねぇ。



忘れないうちに俺が聞いてあげようか?

もちろんベッドでな・・・!!
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夢うつつ (togano)
2006-06-08 19:25:43
あれは先週の水曜日のこと。



言わずと知れたインドからの伝道師が、俺にイリーガルばかりに手を染めてしまっているが、たまには決まりごとで楽しもうと俺を誘った。



香りこそないものの、リ○ラに巻いたそれは全くあいつと変わらない。

いつもと変わらずチャンダンを焚き、俺は目の前の伝道師とその雰囲気に飲み込まれていきそうになる。



「ぼっ」いつにもまして勢いの良いジッポでそいつを炙り、いつものように吸って溜めて吐くを繰り返す。



だが、あれは神だがこれはこれだ。





やっぱりあいつには勝てない。





俺はそんな野暮な事を言った。



吸って溜めて吐く。吸って溜めて吐く。

何度も何度も。スモーク、ストップ、ブァー。



自分が今何をやっているのかすら、ましてや自分の間違いに気づくことすら無く。



言いたいことはただ1つ!

サルビアの花はきれいだということ。



なぁMJ??

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やっぱ (れち)
2006-06-08 20:04:57
脚色アリ(*>ω<)!!

何にせよ、寝る前に考えてたこととかと結構ぐっちゃになってることが多いの。だから思い出せなくて超気になる。。



うちのベットは猫満載で楽しいよ~
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それって・・・ (林檎大佐)
2006-06-08 21:45:21
自分じゃなかと?

テスト近い?

気のせいか・・・



あぁぁオランダ行きたいわ
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サルビアの花はきれいだと? (MJ)
2006-06-09 04:45:16
先月見た映画でこんなシーンがあったよ。

場面はクライマックス、滑走路も未完成の小さな島の基地にジャンボタニ・・・あ、いや、ジャンボジェットを着陸させようっていうシーンだ。

しかも機長はテロリストに撃たれて瀕死の重傷。

操縦桿を握るのは言わずと知れたヒーローである。

状況は絶体絶命。

そんな中でのヒーローと基地間の無線のやりとりである。



ヒーロー以下ヒ「滑走路の準備はまだか?」

基地以下基「もうすぐだ。そっちはどうだ?」

ヒ「何とか大丈夫だ。ところでそっちにラム酒はあるか?」

基「バカにしてるのか?3ケースはあるぜ」

ヒ「そいつはご機嫌だ。ステーキも頼む」

基「了解。ミディアムレアか?」

ヒ「レアで頼むよ。通信を終わる」



ヒーロー無事着陸。

お約束に女の子もゲット。チャンチャン。



で、あぁそうそう。

サルビアの花はきれいだと?

togano、

バカにしてるのか?

きれいなんかじゃない。

パーフェクトだ。
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Unknown (ショ)
2006-06-09 10:58:43
む、JAHが紛れ込んでいるようですね。

つまり、いざオランダにて決まりごとせん、ということですね!

そう、つまり僕らは寝てみる夢の続きを起きて見ているのだから脚本も良しとされるのだよ。

分かるか。B級映画の高揚感を寝ても覚めても見てていいのだよ。アメイジング!



皆さん(スゥ~ッ)コメント(ピタッ)ありがとう(ブハァ~)!!



トリップユアドリーム・ンデンデキ外伝!!
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