人間の生命活動にとって重要なアデノシン三リン酸とかに含まれるリンが本日の元素。しかしこの「アデノシン三リン酸」は別名ATPなんぞともいわれますが。なんかへんな名前ですね。アデノでシンさんとリンさんがどうしたって? というような感じすら受けます。とりあえず重要な物質らしいと。詳しくみてみますとこれはアデノシンという物質と、リンと酸素がくっついたリン酸というやつ3組が合わさったものということになりますね。それでアデノシン三リン酸。
リンは数ある元素の中で最初に認定されたものといわれております。つまり、金銀銅やイオウなんかは有史以前から利用されてはいたわけですが「元素」として認知されていたわけではないということです。そういった意味で最初に「発見」された元素。1669年にドイツのブラントという科学者が見つけました。ガリレオより後でニュートンがいたころの話ですから、そんなにとてつもなく古いというわけではありません。日本でいうと江戸時代の初期。このブラントは科学者というよりは正確にいうと錬金術師だったんですね。ニュートンもだそうですが、石や鉄から金を作り出そうとしてあれこれ研究していた人たちの一人です。この人がファンタジーでおなじみの「賢者の石」として発見したのがリンでした。
身近なところでリンといいますと燐寸です。燐寸は19世紀の中ごろに発明されたそうですが、そのころのは黄リン燐寸といってとても毒性が強く、工場ではたくさんの中毒患者などが出て社会問題になったそうです。で、黄リンは使用禁止となり現在使われているのは赤リンですが、リンが含まれているのは燐寸の軸についている頭薬ではなく、箱の側面に塗ってある側薬の方。燐寸をすると最初に側薬の方で発火して、それが頭薬に燃え移るという仕組み。
マンガのネタは燐寸>火遊び>喫煙>不良という流れで、悪い先輩が不良予備軍の後輩たちに火遊びを教えるという内容になっております。学ランを着た不良の先輩が小学校の授業中の教室にやってくるという強引な展開ですが、まあマンガですから。