kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ハンニバル・ライジング

2007年05月19日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)
日時:5月18日
映画館:サロンシネマ2
パンフレット:A4横版600円。

■戦争の羊たちのはらわた
開幕15分は第二次世界大戦東部戦線のお話なのだが、これがビックリする位素晴らしい出来。ドイツ軍のくたびれ具合も良ければ、爆走する2台のT34/85とともに攻めてくる露助・・・もとい、ソビエトの解放軍の皆さんの描写もいい。敗走する戦場の荒れ果て具合も雰囲気が出ている。このまま、2時間続かないものかと期待したが、それは無理。(しかし、この監督なら、「戦争のはらわた」のリメイクができるんじゃないか??)

■新・羊たちの沈黙
さて、お話は東欧の貴族のボンボンだったレクターくんが戦争難民になり逃げ惑う最中、ナチどもに妹を殺され食べられてしまう。成人したレクターはわずかな手がかりを元に、ナチどもに妹の復讐を果たしていく・・・

って、マカロニ野郎なら、もう耳にタコができる位、聞いたお話。悪人どもの面がアップになる場面といい、ペンダント状の認識票で復讐の対象を見つける展開といい、まさしく「新・夕陽のガンマン」。(ってことは、コン・リーがリー・ヴァン・クリーフ??)殺した後は、ご丁寧に認識票を口にくわえさせるんだから、確信犯。

■荒野の1ドル太刀
ガリンゴ少年ばりに雪原をさまよい、一時期聾唖になったレクターはモーゼルを振り回すし、おまけに「XXXされるが、XXXがXXXになって助かる。」なんて展開は、基本中の基本。(あまり伏字にする意味がないね。)

よく考えたら、プロデューサーのラウレンティスって、「さすらいのガンマン」のプロデューサーだった。

■大ヨーロッパ悪人列伝
ナチどもはヨーロッパ中に散っているんだが、プラハとイギリスで撮影された1950年代のパリはなかなか雰囲気がいい。戦後混乱期のミステリーの香りがあるね。この風景に憂いげな顔立ちのパリ警視が良く合う。

■さすらいのレクター
肝心のお話の方と言えば、今回、レクターの殺人には明確な動機があるので、「羊たちの沈黙」などの不条理な狂気は微塵も感じられない。コン・リーとの関係も特別なものではないし、このレクターがなぜ後日のレクター博士になったのか、説明されない。う~ん、ストーリーの焦点の当て方が違うんじゃないか?

主演のギャスパー・ウリエルも力みすぎ。演技が少々、くどい。

ところで、「ジャガーノート」とか「マジック」とか「遠すぎた橋」の頃の若きアンソニー・ホプキンスを知っているが、どう見てもギャスパー・ウリエルには見えないぞ。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-26 18:53:58
戦争を考えるために、小林よしのり著『戦争論』を読んでみてほしい。

ここが考えるスタートだと思う。
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Unknown (kamacci)
2007-05-28 23:33:45
未読なんで、近いうちに読んでみるとしましょう。
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