kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

エージェント・マロリー

2012年09月30日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)

月日:9月30日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4変形版600円。
その他:写真は劇場で先着順で配布された「エージェント・マロニーちゃん」。ちゃんとパンチもしています。

本物の格闘技家、ジーナ・カラーノとミヒャエル・ファスベンダーやユワン・マクレガーといった俳優が絡むスパイアクションで、元海兵隊、今はフリーランスの作戦実行屋が、作戦遂行中に命を狙われ、罠にはめられていることに気付く・・・という、何百回も聞いたかのような話。

ソダーバーグという何となく文学青年っぽい監督(偏見)の映画だが、何といっても見せ場はジーナ・カラーノの肉弾アクション。
これまでも強い女アクションは数多くあったのだが、彼女の場合、身のこなしが全然違う。ワタシは格闘技には全く興味がないので、どれだけすごいのか文章にできないのだが、パンチ1つ、蹴り1つにしても、体全体で体重をかけて繰り出していることが素人目にも分かるくらいだ。

かってジュリアーノ・ジェンマがインタビューで、「荒野の大活劇」でプロボクサー、ニーノ・ベンベヌチのパンチが早すぎて、カメラでとらえることができず、ジェンマが「ゆっくり」殴るコツを伝授したって、話をしていたけど、格闘技と映画のアクションは別物だからそれなりのトレーニングをしたのだろうな。(てなことがパンフレットにも書いてあった。)

物語はニューヨークからバルセロナ、ダブリン、ニューメキシコと移り変わり、背景と音楽が相まって、雰囲気は60~70年代のスパイアクション映画のよう。このあたり、当時の映画を愛するソダーバーグ監督らしい。プロモーションにモンキー・パンチを起用したのもある意味、正解。

ところが、このソダーバーグらしいというか、生真面目な作り方が映画を面白くなくしている。作りは上手なのだが、アクション映画としてのケレン味みたいなものがない。最悪の殺し屋もマニアックな技術屋もおらず、味気ないのだ。

さらに、女だてらに主役を張る理由が分からない。たいてい、女性アクションものは家族の復讐とか恋人の復讐とか裏切られた復讐とか(復讐ばっかし)といった明確な理由があるのだが、マロリーの場合、なんで父親の理解も得て命がけの仕事をしているのかが一切説明されない。これが「謎めいた女」なら良いのだが、そうも見えないのも困ったもんだ。

顔もそこそこで、スタイルもよく、アクションは百人力なのだが、同じ路線で突き進んで行くのには無理がありそうな。数年後、「エイリアス」とか「ニキータ」みたいなTVシリーズでゲスト出演してそう。






題名:エージェント・マロリー
原題:HAYWIRE
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジーナ・カラーノ、ミヒャエル・ファスベンダー、ユワン・マクレガー、アントニオ・バンデラス、マイケル・ダグラス




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