kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

デビルズ・ダブル

2012年02月28日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)
日時:2月27日
映画館:シネツイン新天地
パンフレット:A4版600円。金で発色させたケバい表紙。金かかっていそう。

サダム・フセインの長男、ウダイの影武者をやらされた男を描く、実話に基づくサスペンス・ドラマ。

時の権力者に影武者がいるというのは、世の常だが、主人公のヤティフもウダイに似ているということでこの仕事を命令される。ウダイとラティフはドミニク・クーパーの1人2役だが、外見が似てはいるが、それでもどこか微妙に違う、ほどよさが絶妙。

このウダイがアホのボンボンそのもので、セックス・バイオレンス・アルコール・ドラッグとやりたい放題。当然、普通の感性のラティフはついていけない。逃げたり、暴言を吐いたりとささやかな抵抗を繰り返すが、身代わりとして死ぬ思いをした後に一矢報いる計画をたてる。

Rー18指定なのだが、ちょっとした暴力描写とエッチがあるだけで、Rー15でもいいんじゃないかと思ったのは、ワタシの感性が麻痺しているせい?
このウダイの愛人役を演じるのは、リュディヴィーヌ・サニエ。(発音できん・・・)たれた目元にツンとした口元、しゃくれぎみではっきりした顎のラインと完全にワタシ好みの顔立ちで、「ジャック・メスリーヌ」でも気になっていた女優さん。脱ぎっぷりもいい。(笑)

ドミニク・クーパーの一人二役がよくできていて、同じ俳優だと意識させない。撮影現場では、どうやって集中して、テンションを維持したのか、メイキングが気になる。

ただ、ウダイだけ狂っているようにしか見えないが、ラティフが逃れられないのも、ウダイを支える体制があってこそ。徹底した国家体制があまり描かれないから、ウダイとラティフ、その周辺だけで、話が小さくまとまってしまっているところが残念。リー・タマホリの演出が手堅いだけに、話の展開に奇想天外さがなく、少し肩透かしだし、大局的に描く予算がなかったことも見え隠れする。(話の幅を大きくしたら、焦点がぼけたかも知れないが。)

ウダイの周りは、ピシッとしたスーツと拳銃を身につけた情報機関のオッサンばかりなのだが、そこが魅力的。ワタシはこういう警察国家で、下級官吏になるのって、案外、性にあってそうだ。(笑)

ところで、友人が「向こうの人って、みんな似ているから、影武者を探すのもラクそう。」って言ってたが、イラクからワタシたちを見たら、同じことを思うだろうな。






題名:デビルズ・ダブル
原題:The Devil's Double
監督:リー・タマホリ
出演:ドミニク・クーパー、リュディヴィーヌ・サニエ


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