kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

手塚治虫記念館企画展「アドルフに告ぐ」展

2015年04月01日 | 展覧会
「「アドルフに告ぐ」展」
会場:宝塚市立手塚治虫記念館

京都ほかに家族旅行に行ったついでに西宮の妹夫婦の家に立ち寄った。近所ということで案内してくれたのが、宝塚大劇場。

タカラヅカの別世界を前にアドバイス。
「お兄ちゃん、宝塚ファンの人が多いから、いらんこと言うたらアカンで。」
さすが妹、いらんこと言いで失言癖のある兄をよく分かっている。

しかし、ウチの奥さんに釘を刺すのを忘れていた。劇場内、ステージスタジオに掲げられていた衣装の写真を見たウチの奥さん

「スリーピーホローの首無し騎士かと思った。」
コラコラ

レビューは見ずに劇場の雰囲気だけツマミ食いするも、居場所がない・・・天上界の大劇場から下界の宝塚駅に帰ると、なんか落ち着くなあ。

そんな宝塚駅にヒトラー総統のイラストが・・・。「手塚治虫記念館「アドルフに告ぐ」展」
やっぱり、ワタシはこっちでしょう。

ということで、そちらの方へ。

記念館、建物の外見は小さいのだが、中も小さい。
1Fの手塚治虫の歴史は足早に、2階の企画展室へ。「アドルフに告ぐ」の原画やこの作品についての手塚のインタビューなどが展示されている。

名場面が大判に拡大して展示されているのはいいなあ。
もっとも「アドルフに告ぐ」そのものはワクワク楽しめる作品じゃないんだが。

しかし、こちらの展示室も狭い。少し人がいるだけで、落ち着いて作品を見ることができない。
また、展示室が狭いことで、展示内容の幅も狭い。原画を並べるだけでなくて、この作品に対する手塚の創作の原点がどこにあったのかとか、リサーチや執筆の過程、作品の歴史的背景など、もっと幅広の展示をしてくれないと入場料分、元を取った気になれない。

ミュージアムショップでは1シーンをあしらったグッズが販売されているが、あまり好みではなかったのでパス。
アドルフ・カウフマンが憎悪にまみれて死ぬシーンやアイヒマンの名セリフのシーンだったら、買っていたかも知れない。

さて、館を後にして気になったのが、各地の自治体で地元ゆかりの著名人の美術館や博物館を作るのはいいが、今後、維持できていくんだろうかって点。
この記念館がそうだと言うつもりではないが、これから人口減に伴い、税収の落ち込みが予想される中で、目に見えない収蔵品の維持管理費に予算が割けるだろうか。

役所の性格として、一旦、収集・収蔵されたものは、なかなか外部には放出できない。そのうち、時代や担当者の変化に伴い、収蔵品の価値そのものより収蔵している事実だけが重要視されていく、「目的と手段の転化」が起こりそうな気がする。その結果として、収蔵品が自治体の不良債権と化していくことが良いはずがない。

運営や資金面が確実な個人コレクターや団体に委ねていく方が、収蔵品・観覧者双方にとって良いという選択肢もあるのではないだろうか。

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