kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ひろしま美術館特別展「ミュシャ展〜運命の女たち」

2018年04月24日 | 展覧会
「ミュシャ展〜運命の女たち」
会場:ひろしま美術館
会期:2018年2月24日(土)~4月8日(日)

毎年、どこかで開催されているミュシャ展。
今年はひろしま美術館でチマル・コレクションの展示。(ちなみに来月、米子市美術館でOZAWAコレクションの展示もある。)

チマル・コレクションは以前、海のみえる杜美術館で展覧会があった時、そのボリューム感に驚いたことがあるので、今回も楽しみにしていた。

今回は彼にまつわる女性をテーマに全体構成がされており、ほぼ時系列に作品を観覧することができる。

学生時代・無名時代のミュシャのノートや素描など、やはり作品としてなかなか見ることができない。「ジスモンダ」で有名になる以前の作品に後年「ブルネット」などに見られる横顔の大きな耳飾りがすでに描かれていることなど興味深い。

ミュシャと言えば、まずは、サラ・ベルナールのポスター作品となる訳だが、今回は展示ケース内ではなく、壁面での直接展示なので、間近に寄って作品を観覧できるのは実に嬉しい。手抜き部分を含め細かいタッチや印刷の色などよく分かるし、周辺の縁取りが針金のようにひねって描かれていたことなど、これまで全く気づいていなかった。

チマルコレクションの特徴として、本の挿絵や雑誌の表紙が多いのもマニアックで面白いのだが、やはり今回の目玉はホーム・デコ社の装飾パネル4点セットだろう。図録にはその入手過程が紹介されているが、非常に珍しい作品。当然のことながら、こんな作品は初めて見たし、作品的にも面白い。まだまだこんな作品が出てくるのかと思うとワクワクしてくる。(完全にコレクター目線で一般の観客にはあまり訴求していなかったようだが・・・)

他にも繻子に印刷された連作パネル「四季」なども珍しいのだが、素材ゆえに損傷が激しいのは涙。

あと写真の展示が多いのもコレクションの特徴で、ミュシャの作品の裏側が垣間見えて面白い。

同じチマル・コレクションの「知られざるミュシャ展」の図録と今回の図録を見ていると、ミュシャ財団のコレクションとの違いも見えてくる。

次にどこかで開催されるのが楽しみ。

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