男は黙って石川直宏

明らかにAkiraKaji改め、石川直宏を全力で応援するメンズによるブログ。

バルセロナ紀行(後編)

2005年12月30日 03時50分01秒 | London Life
(後編)長々すいません。



その事件は、帰りの空港へ向かう駅で起こった。

カタルーニャ語とスペイン語が入り混じったバルセロナ。
そのため、案内標識において英語は第3の言語なのである。
そのせいか、駅でどの電車に乗ればいいかとかが凄く分かりづらいのです。

で、めんどくさいからインフォメの人に聞けばいっかーと軽く聞いたら「5番ホームの電車に乗りなはれ」と。

で、5番ホームで電車を待ってるとなにやら新幹線のような電車が来た。


「ほう。バルセロナもゴージャスだのう」と、周りの乗客もスーツケースをたくさん持ってたし、疑いもなく乗り込む。


で、出発。
「確か、駅まで10くらいだったな」と快適に待つ。


5分過ぎ…


10分過ぎ…


15分過ぎ…




電車は走り続ける



おかしいな。

と思っていると、タイムリーに乗務員が切符をチェックしにやってきた。
で、私の切符を見るなり「どこ行く気なの?」と半ば呆れ顔。

「え?くうこぅ…」と自信を完全に失った声で答える。


「これは空港には止まらないよ」


もう状況的に予想ができる答えが返ってきた。
「もう切符はいいから次の駅で乗り換えなさい」と言われて見せてもらった路線図。

その次の駅。



15個先!


どうやら特急に乗ってしまったようだ!

小田急線で説明するなら、新宿から代々木上原行きたかったのに、ロマンスカー乗っちゃって箱根行っちゃった感じです。


この瞬間、私の背筋が凍って砕けた。

飛行機、間に合うか!

すぐさま乗務員に次の駅につく時間と、折り返しの電車が発車する時間をチェック。
18:25着。
18:30発!


時間がねぇ。

飛行機の時間的に、この電車に乗り遅れたらサヨウナラ。
バルセロナ空港でサタデーナイトフィーバー決定です。

だがしかし、地下鉄と対照的に案内標識が極端にない地上線。
不安は募る。

そして、駅に着く。
あたりは過疎化した町ゆえに漆黒。
案の定、どこがバルセロナ行きのホームかなど記してはいない。
しかし、時間がない。
とにかく、近くにあった電車の運転席をガンガン叩く。
人間追い詰められたら行動的になるもんだ。

私「どの列車がバルセロナ行きですか?」

運ちゃん「あれだよ」

と指差したのは、3つ先のホームにある電車。

時計は28分。
正規のルートを通って行ったら間に合わないかもしれない…。

人影は少ない。


時は来た。


やるしかない…



そう、私はやってしまったのです。


ホームからホームへ。

線路大横断

しかもマッハで。



で、なんとか列車に滑り込み近くにいたお爺さんにこの電車が空港駅に止まるか尋ねる。
でもこのお爺ちゃん。
ワンツースリーも分からないほど英語が通じない。
身振り手振りで尋ねる。



「止まる!」

これで、あとは着くのを待つのみです。

でも、この約1時間。
ほんと、落ち着けるわけがありません。
飛行機に間に合うか。
ホントそれだけです。

例えるなら、タイトルがかかった試合の1点リードしたロスタイム。
そんな緊張感が私を包みます。
それにしても1時間のロスタイムは長かった…。

で、空港にめでたく着くことができ、無事間に合うことができました。

そして、無事セキュリティチェックを抜け、飛行機に乗り、波乱も入り混じったバルセロナ旅行は幕を閉じる…







はずだったのだが!


なんと、飛行機がディレイド。
1時間の遅れです。

なんだよ、焦る必要なかったじゃんよ。
と、安堵と同時に苛立ちを感じながら遅れてきた飛行機に乗る。

ふう、これで帰れるぜ。


すると、なにやらアナウンスが…。


カタルーニャ語だかスペイン語だか分からないが理解できないでいると、ゾロゾロと乗客が降りだすではないか!


で、出て係の人に尋ねる…。




すると、でました。





キャンセル!


それを聞いた一同、大ブーイング。
しかも、カタルーニャ語優先で話しているため、よく理解できません。

混乱が収まった後、英語の説明を聞くと、詳細は理解できませんでしたがどうやらこの飛行機は飛べなくなり、代わりの飛行機がこっちに向かっているがたぶんキャンセルになるだろうとのこと。

新しい飛行機が来てるのになんでキャンセル?
と聞くと驚くべき答えが。

「だって私たちの仕事は23時で終わりだから」

事実、この人たち23時になったらお客さん置いて帰っちゃった。
その時のお客さんは当然怒り心頭で、中にはルーニーばりに皮肉を込めた拍手でスタッフを見送ってる人もいたり、「いくら払ってもいいから今日帰らせろ」なんて言うリッチマンがいたりして少し面白かった。

で、怒りが収まらない乗客のもとに係員が来て「どうしても今日帰りたい人はゲート○○へ。もし帰国が明日に延ばせる人はホテルを手配し、且つ50ユーロあげます」



50ユーロ…







ムフ。



この瞬間。
怒り狂う群集が静まり返ったのを私は確かに感じた。
もちろん、私を含めて。


私はもちろん、電車が終わっているヒースローに無理して帰るより、50ユーロ貰って延泊することを選択しました。

それにしても、ホテルはゴージャスだったし、終わってみれば当たりくじでした。
ただ、そのおかげでクリスマスはスコットランドの旅行の準備だけで終わってしまいましたが。

そんな訳で、無事帰ってこれました。
知らない言語に囲まれた中でのトラブルは、とても緊張しましたが、それもいい経験ですね。


では、スコットランド旅行のレポートはまた後日書きたいと思います。
ただ今一言だけ。


俊輔ナイス!
と言わせてください。

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