介護サービスほっと通信

「暖か介護でほっと一息」をモットーにしています。日々の仕事の中から感じたことなどを発信していきたいと思います。

研修で学んだことを実践するということ

2011年08月11日 18時39分02秒 | 雑感
え~、とある方から「最近ブログの更新していないよね」って言われてしまいました。
言い訳すれば、なかなか書こうとする気力がわいてこなかったのです。
ねたになるくらいの出来事がなかったということ(実はネタを探す気力もなかったということでもありますが…)

さて、ケアプラン点検では「より利用者にとって有益なプランにして行くために、現在のケアマネジメントの課題を一緒に明確化して行きましょう」という狙いを持って点検作業にあたります。

その中で「安全等」の言葉の【中身】を確認し、その中身がきちんと把握できているか、その中身が個別性のある中身なのか、その中身が利用者さんにとってのものなのかを確認し、それができていればその内容(話されたこと)を記載するようにお話をし、できていなければそれを掴み取ることがアセスメントになりますよってお話をしてきます。

しかし、これだけで【中身】がつかみ取れるわけではありません。
中身を掴み取るためには、今までとは異なるかかわり(行動)をしていかなければいけないのです。
そしてそのためには、自分が何をどのようにすればその【中身】を掴み取ることが出来るのかという「方法論」を考えて行動しなければいけないということになります。
その方法論が適切なものであれば掴み取ることが可能になると思いますが、そうでなければ「次の方法論」を考え出して実行し、これを繰り返していくしか方法はないのです。

口で言うのは簡単なんですが、実際に行動に移して効果を得ることはとても難しいことなのです。

必然的に個人の実践力には「差」が出てきます。
上手な人がいれば不得意な人も必ずいます。
でも「私は太くだからダメなんだ」とあきらめてしまうわけにはいきません。
頑張って、苦労をして、涙を流し、汗をかいて「なんとかできるようにする」ことが責務として求められています。

このような時、1人で悶々としていても埒が明かないことが多々あります。
だからこそ事業所内での「事例検討」などの取り組みが有益になって行きます。
そして1人ケアマネ事業所など、事業所内で事例検討が困難な場合には、近隣の事業所との協働での事例検討などの実践が必要となっていきます。

このような努力をして方法論を掴み取ることと、その引き出しを増やしていくこと。
そのためには、研修などで学んだことを実践に転換するための作業が不可欠です。
そしてこれは、【何をするのか】を考えることであると同時に、それ以上に【なぜそれをする必要があるのか】を考え、理解したうえで方法論を考えるということでもあるわけです。

こんな例を引いてみましょう。

「もう生きていても何の楽しみもない。早く死んでしまいたい」
利用者さんがこんなことを言われました。

このとき
「そうですか。ではここの梁が丈夫そうですからここに紐をかけましょう。その紐はこういうものがいいでしょうね」なんていう計画を作る人はいません。
このように「利用者が言われた言葉をそのままで受け止めて理解する」ことを【評価的理解】といいます。
言い換えれば【言いなり】です。死にたい⇒死ねる方法という対応です。
この例は極端としても、「デイサービスに行きたい」⇒「どのデイサービスに行きましょうか?」という対応のことです。

必要なことは
「なぜデイサービスに行きたいと思っているのか」「デイサービスにいって何を得たいと思っているのか」を確認しようとすることです。
このことを【分析的理解】といいます。
利用者さんは【デイサービス】という種別の役割・機能・専門性などを理解したうえで「デイサービスに行きたい」といっているとは限りませんから、「デイサービスに行きたい」という言葉に「何を意味している言葉・どんな意図をこめている言葉」なのかを考えてみないとデイサービスで何をして欲しいのか側からなくなります。そうしないと「デイサービスに行く」とか、もう少し進歩すると「デイサービスで入浴する」というプランになってしまいます。

しかし利用者さんの思いを分析的に理解したとしても、その理解したことを検証してみないと【独りよがり】になってしまう危険性があります。
そこで「こういう思いがあるのですね」という自分がつかんだことを利用者さんと「共有」する作業が必要となります。
この共有のための検証作業を経て言葉とその裏にある医師・気持ちを理解することを【共感的理解】といいます。

利用者さんの言葉を受け、そこから共感的理解が出来上がるまでのプロセスを、コミュニケーションを用いて面接という場面で明らかにして行くこと=アセスメントをすることになります。

したがって【安心等】についてもこの言葉の意味を明らかにするための面接を行うことが必要になり、
それをどのように展開していくことが必要になるのかを自分で考え出してこと内と共感的な理解にはいたらないということであり、研修で学んだことを習得するということに結びついていかないということになるわけです。

このように研修で学んだことは、個別の支援に直接的に活用できることは殆ありません。
もし個別の支援に直接的に活用できるようなことを学び得たいとするのであれば、それは事例検討や事例研究、そしてスーパービジョンを行わなければ不可能だということになります。


そのために実践にむけて様々な形の「努力」がないと研修したことが実践に応用できないということになってしまうのです。

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2 コメント

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CMとしての資質?でしょうか。 (よっち)
2011-08-14 18:27:52
久しぶりのコメント書き込み、しかもネガティブで失礼します。

自事務所にいます、評価的理解しか出来ないCM。別名=サービス請負屋。

常日頃から「選択の理由は?」「必要性は?」「利用者立場での判断?」「根拠は?」などと管理者でもないのに、「分析」「モニタリング」などと問いかける同僚CMの私をさぞかし煙たく思っている事でしょう。

自立支援のかけらもなく、家族の介護力をも奪い、適切な説明もしない、勉強する機会も持とうとしない…そんな彼女を今後、どうやって対応するかを、管理者や経営者と悩み、迷っています。

貴重な利用者への対応に当てたい自分としては一番の不本意な時間…。

兼任CM様の書き込みを元に、来週にでも事業所内で話する時間を持とうと思い、自分の中で良いきっかけになった事をご報告させて頂きます。

文末ですが、更新楽しみにチェックさせていただいています。
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事例検討 (兼任CM)
2011-08-16 10:13:41
節分を楽しみにしていただいていてありがとうございます。
更新が滞っていて、本当に申し訳ありません。

さて本題。
よっちさんの地元では「ケアプラン点検」はありませんか?
点検の際に指導されたことを「事業所内で共有」すること。その際にまず「分析的理解」へと思考を進めるために「なんでそういったのか」を考える機会。それを一番簡単に出来るのが事例検討会ではないかと思っています。

「この言葉、利用者さんはなぜそういったのか」などを、ます「考えること」から訓練してみるのはいかがかと思います。

考えたことがないからこそ考えてみる。
文字に記していはいないかもしれないけど考えているかもしれない。
そこを確認してみてはいかがでしょうか。
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