松藤民輔氏の新刊「2014年!アメリカ、中国、そして日本経済の現実を30分で理解できる本」をよみました。
アマゾンのキンドルです。安かったし、久しぶりに松藤本の大法螺でもきいて気分転換でもしようかな、と思って。
ところが、意に反して、大変がっかりしました。
まずは中国について。
長谷川慶太郎氏の話のパクリです。
習近平と人民解放軍は一枚岩ではない、という主張の例としてあげている戦闘機のデモの話は長谷川慶太郎氏のずいぶん前の著作でもふれられていました。さらには、軍閥だというくだりも。この極端な主張も長谷川慶太郎氏の著作で何度も繰り返しでてきます。長谷川慶太郎氏は非常に独自な、そして、信頼のおける情報源を持っています。残念ながら相場は良くはずしますが、それは氏の情報が待ちかがっているというわけでなく、彼の分析結果が間違っているという話。なので、長谷川慶太郎氏の著作は、おもしろいのです。その独特の分析を自説の補強に用いている。正直がっかりしました。
出展、あるいは参考文献として明記すべきでしょう。
松藤氏らしくない、オリジナリティの欠如にがっかりしました。
そして、日本国債が無敵だという話。
これはよくある日本の国債の保有者は日本人だから大丈夫、という話の焼き直しです。
いざとなったら輪転機をまわせばよい、ともいっています。
しかし、これは米国も同じ。なのに、米国はデフォルトしていて、日本はデフォルトはありえない、という。なぜなら国債の保有者が米国は外国人。日本は日本人だから。
そうでしょうか?
本当にそうなのでしょうか?
米国だって紙幣をすればいいのでは?
日本だって国民の富の合計以上の額を発行するのには難があるのでは?
結局、程度の問題を取り上げているだけであって米国と日本の財政危機について、両国のおかれている環境に大きな差はないと思います。
むしろ議会が厳しく政府を管理している米国政府の方がこの問題に関して言えば、きちんと国民のことをかんがえているのではないでしょうか?
書籍のタイトルも残念ですが、中身は、お粗末です。本当に本人が書いたのでしょうか?