金鉱株投資 始めました!

松藤民輔さんのセミナーに感動し、金鉱山株への投資をはじめました。北米の鉱山株は結構、利益がでてきました。

金鉱山投資家その5 中規模の金鉱株について1

2013-12-17 10:08:30 | 金鉱山株投資入門
三章 中規模金鉱株
スコット・ライト(Scott Wright)

 今世紀にはいってから金関連株がもっとも注目を浴びている市場であることに議論の余地はないでしょう。あのHUI金鉱株指数はこの6年間の安値高値で1000%上昇しました。その指数に含まれる株式に投資した投資家や投機家に伝説的ともいえるリターンで報いました。ですがこの金鉱株の世界には指数に含まれていなくとも非常に魅力的な成長性を秘めたサブセクターの会社群があります。アンダーグラウンドの流血を売り物にする競技や大都市の地下カジノのように、普通の投資家のレーダーには映ることはありませんが、真剣に宝を追い求める投資家の目にのみとまるのが中規模金鉱株です。
 
 この中規模金鉱株に張ることですっからかんになって流血と打ち身で放り出されるか、ラスベガスのオッズメーカーですら予測つかないほどのまさに投機のもたらす大きな報酬で報われるか。平均的な投資家にはあまり知られていませんが、この非主流の金鉱株セクターは多くの投資家の持っているレーダーにはうつらない資本市場を支えているのです。
これらの企業の株式はあまりに小さく主要なメディアで取り上げられることはまずないでしょうし、あなたのブローカーから売り買いの推薦を受けることもないでしょう。ただこの中規模金鉱株の後を追いかける投資家の数は少ないながらも、その人気は近年、急激に高まっています。中小型の金鉱株が月までとどくかと思うまでに株価をあげることとなりその周辺、つまりゴールド・サークルの内側、そして外側においてであっても、もてはやされます。
 
 この中規模金鉱株の中からどの銘柄に投資するべきか、まず最初に取り組むべきはこれらの銘柄を知ることはもちろんのこと、どの会社が良い会社かを知ることです。何百とある銘柄からこの強気相場の中でどの銘柄が一番この機会をとらえて上昇していくかじっくり腰をすえてリサーチしてきました。これには大変な熱意を必要とします。ただそのリターンは私のトレーディングポジションだけでなく、私のニュースレターの読者にとっても見合うだけのものがあると確信していたのです。そこで、数か月、もっとも成功する可能性が高そうな会社をさがすことに費やしてきました。時に、これは冒険として心ときめくものでした。会社群を精査し、一枚一枚その会社を覆っている皮をはいでその芯ともいうべき鉱脈を明らかにする。実際、この作業は本当に楽しいものでした。金鉱山業界のジェネレーションXに属する人たちの活躍を見るのがいかに楽しかったことか。
 
 総称して、これら中規模金鉱株会社は将来の金経済のカギを握っています。直接的であるにせよ間接的であるにせよ、中規模金鉱株会社は金の供給におおきな役割を担っています。私がこの2章のエッセイの前半記事で伝えたいのは、この中規模金鉱株を分析する際に最も有用な調査項目をみなさんにお伝えすることなのです。

●歴史/マネジメント
 中規模金鉱株会社をリサーチする際にはその会社の歴史と現在の経営陣がについてちゃんとディスクローズしているか注意深くみてみることです。こういった会社は自分たちがいかにこの領域に適しているか、自分たちの実績をアピールしています。ですが、より深く注意してみてみましょう。古い目論見書や報告書MDAレポート、昔のプレスリリース、さらにはオンラインリサーチなどの材料から見ていきましょう。幸いなことにインターネットもあります。このコモディティ市場のいい時もわるいときも経験している社歴をもった会社をみつけるかもしれませんね。さらには、この足元の金の強気市場で生まれたばかりの会社かもしれません。なかには過去を隠し、あるいは戦略的な転換のために社名や経営陣をかえた会社を見つけるかもしれません。
 
 もし、歴史というものがあるのなら、それから何を学び、客観的に何を見ることができるのでしょうか。その経歴書になにかがあるとして、なにを成し遂げたのか?その会社は資産を増やしたのか?それとも価値を高めたのか?どんな変化を遂げたのか?そしてそれはマーケットが逆境期に入るとどうなったか?これらはリサーチの過程において当然、なされるべき問いかけとなります。そしてあなたが見出す答えもさまざまなものとなるでしょう。ある会社はただ探鉱したいだけのものもあれば、それが探鉱が上手な会社もあります。長い歴史をもつ会社なのに、その会社が金の生産業に転換しないからといってそれが悪い兆候ということにはなりません。いくつかの会社はそのビジネスプランはその金鉱山のプロジェクトの最後で事業売却に主眼を置いているからです。
 
 発見に特化した会社もありますし、その中には莫大な資金調達リスクの伴う自社開発を嫌がり手をつけない会社もあります。それらの会社の経営陣は地下に金がある状態でその採掘のプロセスをまわせるだけの規模をもった大規模業者に売却することが株主価値の最大化につながると信じているのです。もちろん勇ましく聞こえる話の中にうさんくさい話もあります。何十年も大した進展もなく、そのプロジェクトの上に乗ったままという会社もあります。市場が厳しいときには雲隠れし、上向いてくると日の当たる場所に出てくる、そして疑うことをしらない投資家をみつけては犠牲者の列に加えていく。

 経営陣について言えば、ジュニアでの成功体験は欠かせません。ジュニアの金鉱山会社というのはその操業において、ミスが許されるほどの経営の余裕はなく、経験をつんだ経営陣はなんといっても重要なのである。成功する経営陣というのは大体において、訓練をつんだ、地質学者か、経験と実績から業界内でも一目おかれているセールスの達人のいずれか、あるいはその両方で構成されていることがすぐにわかるだろう。会社、あるいは経営陣の過去の歴史を見れば、その会社がどんなものかはすぐにわかる。経営陣が過去、重要な意思決定の際に成功したかのか、あるいは失敗したのか?チーム、あるいは個人が航海を成功に導いたことがあるか、それとも沈み行く船の船長を務めていたか?取締役は業界のベテランか?どこにでもいるプロモーターか?

 これら疑問を問いかけることで、より慎重な投資の意思決定が可能となるだろう。そこで得られた回答はあなたを驚愕させることになるかもしれない。ちょっと例を挙げてみましょう。外側からみるとたしかに良く見える会社があります。が、それらの会社の実際の運営を取り仕切っているのは過去に天然資源の探鉱会社を破産させてしまった経歴のもち主だったのです。別の会社の例では資源開発の経験はほとんどない、前職がテクノロジー関連の会社だったという人物によって経営されていました。長い目でみて、成功すかどうか、この手の会社で期待するのは難しいでしょう。良い経営者と過去の生産にいたった歴史こそが金の強気市場でジュニアの成果が開花する確率をグッとあげることになるのです。この事前の精査こそがリターンに大きな差を生むのです。

●探鉱
 ジュニア・ゴールドといったらジュニア・エクスプローラーと同義です。これは、ジュニア・ゴールドに分類される会社の主要な目的は探鉱にあるから、なのです。殆どのケースにおいて、ジュニアに分類される企業が金を実際に生産することはありません。金を市場へ流通させることが最終目的とも言うべき業界のサイクルの中で、これらジュニアの企業の立ち居地というのは鉱脈の発見、あるいはすでに保有している鉱脈の開発であったりプロジェクトの推進であったりするのです。
 
 大きなリターンを期待しがちなジュニアですが、それら企業の多くが探鉱段階にある金採掘プロジェクトのポートフォリオを抱えています。そして、株式市場がこれらジュニアをどう評価するかによってDeduceできます。多くのジュニアが分類されることになる初期の探鉱段階をグリーンフィールズと呼びます。グリーンフィールズは天然資源があるとあされないかあったとしてもそれほどの量があるとは思えないような、それでも地質学的に有望とされる広大な地域を突いて、なにかとれないか探すやり方を取っているような会社です。これは金の産業にとっておそらく、もっとも重要なフェーズといえるでしょう。なぜなら、これこそが金の鉱脈の長さを測定できるからなのです。このグリーンフィールズ式の探鉱プロセスなくしては世界の金の供給が数十年で先細りに陥ってしまうでしょう。金のターゲットが鉱物資源のデポジットとなる可能性は低いことが判明しています。多様な研究調査の結果、その狙ったターゲットがハズレだったとします。そうなるとそれまでに費やした投資資金はすべて、どうでもよいことに使われてしまい、まさに溶けて消えてしまうのです。探鉱プロセスというのは決して安易なものではないのです。原野からスタートする鉱脈さがしが重要なのは、何もジュニアに限ったことでなく、メジャーとよばれる大手にとっても重要なのです。多額の埋没費用(事業に投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用をいう。初期投資が大きく、他に転用ができない事業ほど埋没費用は大きくなる)がこのステージで発生します。かなりの生産者はこの原野での探鉱プロセスによって生じる埋没コストを消化できるか、そのことをすでに織り込んでいます。なぜならそのくらい金の鉱脈をさがすことは世界のどの地域であっても難しいことを携わる人はみな、知っているからです。ただ、ぎりぎりの資金で起業したジュニアの中にはこの原野の探鉱段階でおおきなレバレッジを効かしていることになります。多くのジュニアはこの原野の探鉱段階で失敗すると、そのまま経営破たんに陥ってしまいます。だからこそ経験を積んだ地質学者がジュニアの給与支払い表に名を連ねていることがそのジュニアのバイタル・サインとなるのです。

 地図作成、地表のサンプル調査、ドリルなどから良い結果がでればプロジェクトそのものを、次のステージへむけて押し上げることになります。この段階ではより広範囲のドリルやコア採取など、より詳細な技術的調査にとりかかります。ここでは多くのケースである条件をみたした独立したコンサルタントがこの調査にとりかかることになるのですが、このことをさしてスコーピング・スタディと呼ばれています。スコーピング・スタディは鉱物資源の経済的価値への換算という過程において最初の通過点となります。もし、このスコーピング・スタディによる結果が良いものであるならばプロジェクトは次のステージであるフィージブル・スタディへと進展します。フィージブル・スタディは多くの場合、あまり時間をかけない、プレ・フィージブル・スタディとともに開始されます。この調査の結果、荒削りでは合ってもだいたいはこんなところだろうというプロジェクトのコストと作業の工程が見えてきます。熟練した鉱山開発業者(あるいはメジャー)のなかで資金に余裕ある人達の中にはこのプレ・フィージブル・スタディの段階で諸インフラの建設の決定をくだす人もいます。ジュニアはこういった贅沢はできません。銀行は自分たちの資本をコモディティ市況に振り回される金鉱山にまわすときめたからには、ジュニアのプロジェクトをバルク、つまりまとめて管理し、銀行がいうところのフル・ローン、貸出上限、あるいは、決定的なフィージブル・スタディの結果で与信をしているからです。

 このフル・フィージブル・スタディというのは金の鉱脈の本当の深さ、幅(breadth)について調査した地域を拡張しておこなったドリルプログラムの総括的技術的なレポートになります。

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