
プラユット氏の2代前の陸軍司令官でクーデターの「黒幕」との見方もあるプラウィット元国防相が副首相兼国防相として入閣。両氏と同じ陸軍派閥の直系に当たるアヌポン前陸軍司令官を内相に起用した。また、タナサック国軍最高司令官が副首相兼外相、プラジン空軍司令官が運輸相、ナロン海軍司令官が教育相に就くなど、首相を除く閣僚32人中11人と約3分の1を占める軍関係者が、運輸、商業、内務、教育、外務、国防、法務といった主要閣僚ポストに就いた。
一方、経済分野については、国家平和秩序評議会(NCPO)も専門知識が必要と判断。これまでNCPOで経済を担当していた者ではなく、プリディヤトン元副首相兼財務相が経済担当の副首相を務めることになった。また、軍関係者が大臣となった省でも、その分野に精通した高級技術官僚などが副大臣に任命された。
組閣を前に「軍人が閣僚の大半を占める」といった見方が出ているなか、プラユット首相(国家平和秩序評議会議長)は8月29日放送のテレビ番組の中で、「治安が完全に回復されたとは言えない現状では、信頼のおける軍人に国家統治に協力してもらう必要がある。」と述べて、軍人色の強い内閣が誕生することへの理解を求めた。
同時に、「仕事をしない者は代わってもらう。役に立たない者は出ていってもらう。汚職をした者は牢獄に行ってもらう。それだけだ。何も心配はいらない。」と述べて、閣僚が軍人であろうが誰であろうが、その仕事ぶりを注視し、不適格者なら排除する意向であることを強調した。
新閣僚は9月2日、都内シリラート病院で入院中の国王陛下をお迎えして執り行われる宣誓式に臨む予定。
