かへる 東の国探訪記

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ウィーン軍事史博物館(41)

2016-01-05 12:06:51 | 旅行
これはガラスケースに入った軍服や装備品。
チラシの説明によると、国防軍か義勇軍か第一線予備役のものと思われるが、
後ろに掲げてある赤い旗は、いったいどこのものだろうか。


このケースは壁際ではなく展示室の中にあるので、向こう側の物も見える。
額や写真やポスターの他、ベンチのような物が置いてある。


これも軍服(たぶん民兵)。
第一次世界大戦のものと違うのは、色や形だけでなく、襟の形状である。
すぐ後ろにある大きな新聞記事(拡大したもの)の表題は、3段目の『Österreich』だけは読める。
昔のいわゆるドイツ書体は読みにくい。
その横にあるポスターは、反共産主義の団体のものである。
左側のポスターには『今日は赤(共産主義)、明日は死』と書いてあり、
右側のポスターには燃え上がる国会議事堂が描かれている。

大戦間にあたるこの時期には、経済的困難や共和国になったばかりのごたごたから
ファシズム(右翼)、社会民主主義(左翼)などが入り乱れて政情がかなり不安定だったのである。

上記写真の足下にある装備品など。
ネクタイや制帽の他、何かのマークの入ったマグカップや会員証など。
会員証に書いてある文字から判断すると、これは義勇軍のものだろうか。

また、↑の左下においてある物に入っている『15-16, Jul, 1927』の日付が気になったので
後に調べてみたら、この日にウィーン市内で暴動が起こったのだった。
1927年初頭に起こったブルゲンラント州における発砲事件とその裁判(被告人3名とも無罪になった)が発端で、
ウィーン市内でゼネストが起こり、治安部隊がデモ隊に発砲し、多くの死傷者が出たという事件だった。
https://en.wikipedia.org/wiki/July_Revolt_of_1927
この後、墺国は政治闘争がますます激しくなった。

これは警察の応急バリケードである。
一緒に展示してある軍服や装備品は、国防軍か治安部隊のものだろう。


バリケードの後ろに貼ってあるポスターは、(見えにくいが)
それぞれ社会主義とファシズムの宣伝用と思われる。


追記;3枚目の写真にある例のドイツ文字だが、1行目の文言はVolkであるとわかった。
意味は『人民、民族』である。
やはり、民族主義に関する内容のようだ。

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