英語と書評 de 海馬之玄関

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経済学の英単語

2011年12月04日 19時53分33秒 | 英語の話題



歴史的な円高の進行と、その同じ現象の楯の裏面であるギリシアとイタリアの経済破綻を契機にユーロ圏全体どころか世界を金融不安の<暗雲>が覆ってしまいました。正に、不幸は単独では来ないの、鴨。そう、不幸は単独では来ない。

経国済民の技量はもとより国家経営の標準的な能力さえ欠く民主党が、すなわち、日本語で言うところの「ガバナビリティー:統治の能力と技量」の乏しい民主党が(cf. 英語のgovernabilityは「被統治可能性-統治者・為政者に対する被統治者の信頼が厚く、被統治者が統治者・為政者に従順な状態」のことです。而して、「統治能力」はgovernance capacityとでも表現すべきです。)、政権の座にあるということの不幸を、<2011年3月11日午後2時46分>の「天災→人災」への移行プロセスに際して実感した日本国民は、加之、現下の円高の昂進に無為無策に等しい、そんな政権が国の政治を弄んでいるシュールな情景を日々目の当たりにしている日本国民はこの格言の時空を貫く正しさを嫌でも思い知らされているのではないでしょうか。

б(≧◇≦)ノ ・・・不幸は単独では来ない!
б(≧◇≦)ノ ・・・Misfortunes never come singly!



とかとか不貞寝を決め込んでいるわけにもいかないのもまた事実。
そう、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラの台詞でもありませんが、

б(≧◇≦)ノ ・・・After all, tomorrow is another day!
 


蓋し、国が頼りにならない以上、日本国民は皇室と自衛隊を頼りに、自力更生するべきのみ。而して、そういう国に頼らず自分達で頑張ろうよと態度こそ、言葉の正確な意味での<保守主義>の基本的な心性でもありましょう。ならば、山中鹿之助でもないけれど、現下の国内外の艱難・暗雲と民主党政権のとんでもなさは、不幸なことながら<保守主義>を信奉する者にとっては寧ろ望む所というべきもの、鴨。





ことほど左様に、2008年のリーマンショックや、2011年のギリシア危機に端を発する今般のEUの財政・金融危機。これらの事態に直面して、謂わば、羹に懲りて(あるいは、福島の原発事故に悪乗りして)膾と法螺を吹く、而して、「資本主義は終わった」とかのたまう論者が日本では少なくないようです。けれども、世界的に見れば、寧ろそれは恥ずかしいことなの、鴨。

なぜならば、「社会主義の勝利は歴史の法則」と強弁して、「マルクスの史的唯物論の無謬性」を詐称したマルクス主義者達とは違い、保守系の論者は、史上誰一人「資本主義が完璧な制度だ」などと言ったことはないのですから。というか、そんなこと、夢にも思ったこともないでしょうから。

ただ、チャーチルが民主主義について語った顰みに倣えば、「資本主義は、所得と資源の分配と交換に関する最悪のシステムである、ただし、「社会主義」を筆頭に今まで存在したシステムを除けば」とは言える。保守系の論者の中にはそのように考えた論者もいたのかもしれませんけれども。そして、「マルクスの史的唯物論」などは「マルクスの唯の私的な呟き」にしかすぎなかったこと。このことを1989年-1991年の社会主義崩壊の前後に全人類が目撃したのではないかと思います。

ならば、確かに、資本主義は、例えば、①利潤の追求が自己目的化する(資本の自己増殖を基本的には制御できない)、②資源と所得の分配が基本的には<市場>に任せられ、<欲望の暴力>が支配する無政府状態的システムではあるが、人類は当座それと添い寝するしかない。畢竟、この諦観というか、現世利益を期待しない大人の態度からは(要は、保守主義の前提に立てば)、「倒産こそ資本主義の強靱さ(robustness)と資本主義社会の活気(vitality)の裏面」でもある。そうも言えるの、鴨。私はそう考えます。






いずれにせよ、今般の経済危機の凄まじさ、真面目な話、(少なくとも、ユーロ圏の崩壊や良くて再構築はかなりの確率で、それどころか、)EU自体の崩壊にさえ至りかねない現下の国際経済の動向を思えば、超マイナーな弊ブログとしても、今後、経済ジャンルの英文を題材に取り上げることも多くなる、鴨。

ということで、それらの経済関連記事に対する「共通の補註」として、「経済用語のプチグローサリー」を弊ブログに搭載させていただくことにします。蓋し、「馬鹿の壁」程ではないにしても、ジャンルにかかわらず「専門用語の壁」は英語読解のモティベーション維持に関して最大級の障害でしょうから。

ただし、このグローサリーは用語解説を割愛した単なるリストにすぎません。また、今後、改訂・補充していく心づもりの試作品にすぎない。しかし、こんな「オマケの試作品」でも今後紹介する英文記事紹介の理解に際して皆様に少しでもお役に立つようであれば嬉しいです。而して、日本のために、共に闘わん。

б(≧◇≦)ノ ・・・共に闘わん!!







◆プチ経済用語集

・新古典派経済学:Neoclassical Economics
・ケインズ経済学:Keynesian Economics
・新古典派総合の経済学:Neoclassical Synthesis
・労働価値説:labour theory of value
・厚生経済学:welfare economics
・行動経済学:behavioral economics
・ゲーム理論:game theory(cf. 「囚人のジレンマ」は、the prisoner's dilemma)

・円ドル(為替)レート:yen-dollar rate
・需要曲線-供給曲線:demand curve-supply curve
・過剰-過少:surplus-shortage
・均衡/均衡点:equilibrium/equilibrium point
・限界費用:限界費用 marginal cost(cf. 「限界生産物」は、marginal products)
・限界効用:marginal utility
・限界効用理論:marginal utility theory
・限界効用逓減の法則:law of diminishing marginal utility



・比較優位:comparative advantage
・ヘクシャー=オリーンの定理:Heckscher-Ohlin theorem
・価格弾力性:price elasticity
(cf. 「弾力性が高い/低い」は、the demand is elastic/inelastic)
・代替効果-所得効果:substitution effect-income effect
・代替材-補完財:substitutional goods-complementary goods
・賃金の下方硬直性:downward rigidity
・機会費用(≒逸失利益):opportunity cost





・IS曲線-LM曲線:investment and saving curve-liquidity and money curve
(cf. LM curve=liquidity performance and money supply curve)
・流動性選好:liquidity preference
・有効需要:effective demand
・乗数効果:multiplier effect
・流動性の罠:liquidity trap(s)
・パレート最適:Pareto efficiency
・ナッシュ均衡:Nash equilibrium



・美人投票:Keynesian beauty contest(←「Keynesian」は省略しない方が無難)
・逆選択:adverse selection
・情報の非対称性:asymmetric information, asymmetry of information
・メニューコスト:menu costs(←「cost」ではなく「costs」ですよぉー!)
・現状維持バイアス:status quo bias
・ただ乗り:free rider
・共有地の悲劇:tragedy of the commons

・公共投資:public investment
・公共財-私的財:public goods-private goods
・インフレ率:inflation rate
・失業率:unemployment rate
・悲惨度指数:miserable index
(cf. miserable index=the combination of inflation rate and unemployment rate)
・フィリップ曲線:Phillips curve



・市場の失敗:market failure(cf. 「政府の失敗」は、government failure)
・合成の誤謬:fallacy of composition
・社会的費用-私的費用:social cost-private cost(cf. 「外部費用」は、external cost)
・経済の外部性:externality
(cf. 「外部不経済」「外部経済」は、negative externality and positive externality)
・独占-独占的競争:monopoly-monopolistic competition
(cf. 「寡 占」は、oligopoly、「自然独占」は、natural monopoly)
・失敗国家-破綻国家・崩壊国家:failed state-collapsed state
(cf. 北朝鮮やギリシア等の「失敗しつつある国家」は、failing state)




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