この地形を見よ!
今週の出張先は仙台である。
今回も前日のうちに入る予定であり、今回こそ、その前日に仙台、宮城を堪能しようと意気込んでいた。
さて、どこに行こうか。
とはいえ、所詮は、しがない一人旅。
いわゆる景勝地へ一人で行っても面白くない。
むしろ、一人でしか行けない場所、すなわち、家族を含めて誰も一緒に行ってくれないような場所であり、かつ、それでも自分はどうしても行きたい場所、を選ぶべきであろう。
こうして私は選定基準を自らに課して、グーグルマップで宮城県の航空写真を当てもなく眺めていた。
すると、気になる地形が目に入る。それが、冒頭の写真だ。
ここは、浦戸諸島と呼ばれ、松島湾の沖合に位置する島々。
調べてみると、本塩釜の港から定期便が出ている。
しかも、観光船ではない、島の人々が生活に使っている船のようだ。
地元の人たちに混ざって、都会の生活に疲れた男が一人、船に乗り込む。
行く先は、人口わずか数百人の島。
島に到着した男は、あてもなく島内を彷徨い、誰もいない岩礁に佇む。
夜、島に一軒だけある酒場の暖簾をくぐると、その見知らぬ男に、美しい女将が言葉をかける。
―「おかえりなさい」
あ、すみません。
いや、そこまでのことを期待しているわけでもないが、まあ、見知らぬ島に船で行くって、なんだか楽しそうではないですか。
ちなみに、浦戸の島々をフツ―の地図で見ると、こんな感じ。
この地形。三陸のリアス式って感じだし、関東では考えられない。
この入江はどんなふうになっているのだろう。
地図を見ているだけで、ワクワクする。
行き場所を浦戸諸島に決めて、新幹線の時間などを調べると、朝の出発がずいぶんと早くなってしまう。
これでは朝の保育園の送りができない。
そこで、相方に朝の送りを変わってもらうように頼む。
(むろん浦戸諸島のことは一言も触れない)
さあ、これで準備万端。明日、出発だ!(つづく)