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サッカーあれこれ(34)

◎逆目が出たW杯の予想
 私は若いころからサッカーの勝負を予想しても、カンが悪いといいますか、さっぱり当たりませんでした。
 今回のブラジルW杯では「日本は一次リーグを突破する」と予想していました。だが、「予想が当たらぬ」という予想が、またも当たり爽快?な気分です。
 かと言って、逆目を期待して「日本よ、負けろ」と予想するわけにもいかず、そんなことを言えば、非国民扱いをされかねない日本ですから、つらいところでした。
 前回のコラムで、南ア大会での岡田監督の采配が、(長谷部主将の言葉によれば)「ベスト16に入っても、日本が20年、30年先の長い目でのビジョンを考えたとき、自分たちのサッカーでない」ことを紹介しました。
 しかし、これは守備本位だった岡田さんを批判しているわけではありません。現場の監督は、目前の勝利を目指し、いろんな策を弄するのが当り前のことだからです。
 長期計画にあたるのは現場監督ではなく、あくまでも日本サッカー協会のお偉いさんでしょう。彼らは、自分たちの義務を果たそうとしているのでしょうか。そして果たせなかった場合、誰がその責任を追及できるのでしょうか。また、お偉いさんは、「自分たちのサッカー」をどう考えているのでしょうか。

◎意味のない国際試合
 こんなことを言い出したのは外でもありません。9月5日と9日に、国際試合をやるというのですから、ひとこと言いたくなります。この時期、無理やり代表を選んで試合することが、日本の長期強化計画にとって、どれだけの意味があるのでしょうか。
 これは年度初めに決まったスケジュールだからかも知れません。また、来年1月のアジア・カップの準備かも知れません。だが、この時期、欧州で働く選手を招集するわけにもいかず、無謀ともいえるこの考えのなさ。これをチェックできる人もいないのか。
 ブラジルW杯前の皮算用では、ベスト16に入って、高らかに選手団歓迎会でもやって、そのバンザイの勢いで日本代表の試合をやって、大儲けする予定だったのでしょう。だが、そうは問屋が降ろさない。サッカーは文化ですが、お金儲けを目的としたサッカーは文化といえない。私の予想では、たぶん観客席はガラガラ。

◎わがJリーグ改革論
 これからの日本の選手強化には、「Jリーグの底上げ」しかないと私は思っています。今回のW杯でのドイツ優勝の背景には、常に5万人以上の観客を集めるブンデスリーガの隆盛にあります。
 Jリーグも大改革が必要です。そのためには、何度も指摘しているように、次の6項目が大切です。
(1)イングランドのように、チームの参加条件をさらに厳格にして、新しくプレミアリーグを作る。日本の現状では最高でも16チームが適当。試合の中身を濃くすべきである。
(2)現行の1日9試合をやめて、1日2試合を限度とする。2試合を金、土、日、月曜日に分散して8試合を行う。熱心なファンやレポーターは、一週間に8チームを見ることが出来る。
 こうすればマスコミの露出も増えるはず。新聞が、現行のように1ページに9試合も詰め込むような、中身の薄い紙面も解消される。殊勲選手を大きく紹介することができる。マスコミの発信力が大きく人気に響くことを認識すべきでしょう。
(3)プレミアを支えるJ2以下のチームの財政安定が、大きな課題である。そのためには、初代チェアマンだった川淵氏が固執したスポンサー名をチーム名から外す制度をやめる。
 具体的にはプロ野球がヤクルト、ロッテ、楽天など、スポンサー名をチーム名にしている。かつて東京ヴェルディは読売ヴェルディと名乗ることが許されなかった。地方の弱小チームはスポンサーの社名や商品名をチーム名とすることで助かるところが出てくるのではないか。
(4)外国籍の選手の枠を拡大すること。外国選手を増やすと、日本選手の働き場所が狭まるといわれていた。だが、無理をして弱い日本選手を採用することはない。それこそ過保護である。
 在日外国人(例えば韓国とか北朝鮮、ブラジルの人たち)だけのチームをつくり、どこかの地方から名乗り出ても、それで切磋琢磨できればいいのではないか。
(5)昔、サッカーはウインタースポーツといわれていた。夏の暑さは体力と技術を低下させ、いいサッカーを見せることができない。できるだけ早くシーズン制を秋-春型と、欧米に合わせるべきである。
(6)応援に鐘や太鼓の持ち込みを禁止する。今のようにリーダーの合図によって画一的に応援する。その個性のなさが日本サッカーの進歩を阻んでいる。周囲にも迷惑だ。試合の流れを直視し、声だけで応援する習慣をつけるようにしたい。

◎ドイツ人監督は?
 今のJリーグ方式、指導者の養成や資格制度、若年選手の育成制度などは、すべてクラマーさんから発し、ドイツの制度を真似たものです。また、日本の指導者の中にはドイツ信奉者が多いように私は感じています。
 それなのに代表監督はイタリア、フランス、オランダ、ボスニアなどとドイツの周辺をウロウロしているのが気になります。なぜドイツ人を監督にしないのか。私の憶測と偏見に過ぎませんが、日本サッカー協会の中にドイツ嫌いのボスがいると、私は感じています。それが、日本の進歩を阻んでいます。
 今度のW杯でのアメリカの監督は、かつてのストライカー、クリンスマンでした。トルコやギリシャなどの中堅国は、ドイツ人を監督に採用して大進歩をとげました。
 次期監督に元メキシコ監督が決まったようですが、私は日本を知り尽くしている元名古屋のストイコビッチか、ラモス・ルイの方が、まだマシだと感じています。ま、選ぶ度胸はないだろうな。メキシコ監督が、長谷部主将がいう「自分たちのサッカー」ができるのでしょうか、疑問です。
(以下次号)

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