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インテグラな日々

本、音楽、そしてスポーツ…!

藪の中

2008-02-25 01:28:31 | 芥川龍之介
芥川龍之介さんの「地獄変・偸盗」から「藪の中」を紹介します。

ちょっとジャンル的に違うかもしれませんが、久々に黒澤明さんの「羅生門」を見たので。

この作品は映画が先で、その後に原作を買いました。

映画☆☆★ 本☆★ という感じです。

映画はDVDを持ってますし、何度も見て、人にも勧めてますので☆☆☆と言っていいかもしれません。

本の評価が低いのは、単純に古文が苦手で、あまりよく分からないからです。つまり、自分の実力不足。もっと勉強しとけば良かったな、と悔やんでおる次第です。

<内容>
ある男が殺され、事件を目撃したきこりの証言から話が始まります。

彼は、世に悪名高い盗人・多襄丸が武士を殺し、その美しい妻を犯した一部始終を語ります。

この話の面白く、ミステリアスなところは関係者の証言がみんな違うところです。

多襄丸は「おれが男を殺した」と言います。

美しい妻は「私が殺した」と言います。

死んだ男は霊媒者の力を借りて「自殺した」と言います。

そして、真相は明かされません。

つまり、真相は藪の中…。ノーバディノー。神のみぞ知る…ということです。

<感想>
これは芥川さんが平安時代の史実を脚色したもので、元ネタはロシアの作家の話などとも言われています。

で「羅生門」は「藪の中」より複雑になっています。

上の3人のほか、もう3人が主要人物として登場します。

一人が小説に出てくる、きこり。もう一人も小説に出てくるお坊さん。

そして、この二人から話を聞く下人です。

この3人が深い話をしていきます。

いわく、

「人間は都合のいい嘘をつく」

「都合の悪い真実は隠す」

などなど。

そして、映画は多襄丸、妻、夫のほか、一部始終を目撃したきこりも事件について語ります。

きこりも3人と違うことを言います。そして、下人がきこりに突っ込みます。

「お前も嘘ついてるじゃねえかと…」

う~ん、いったい真実はどうなんでしょうね。

毎回、DVDを見るたびに推理しますが、分かりそうで分からない。

最初から答えはないのかもしれませんね。

<羅生門シンドローム>
この作品は日本で酷評されたそうですが、海外では絶賛の嵐でベネチア国際映画祭やアカデミーで賞を取っています。

となると、日本で騒がれるのはいつものことですね。

以後「羅生門」のプロットはさまざまな国内外の映画で使われてきましたし、証言が食い違うことを羅生門シンドロームと海外ではいうそうです。

この作品の影響力の強さを感じます。

なんか、小説より、映画の話になりましたが、だれかに事件の全容を解いてもらいたいですね。

<次は>
松本清張シリーズということで、「ひとりの武将」です。


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