インテグラな日々

本、音楽、そしてスポーツ…!

忍者

2007-08-27 03:30:29 | そのほか
昨年から、テーマを持って小説を読んでいます。

そのテーマが「忍者」。

司馬さんの忍者ものは大好きで、おそらく2年に1回は「梟の城」や「風神の門」
や「最後の忍者」などの短編を読んでいます。

とにかく、司馬さんの忍者ものは面白く、ワクワク、ハラハラさせられ、葛籠重蔵や霧隠才蔵の活躍に胸を躍らせてしまいます。ちなみに葛籠重蔵は「梟の城」の主人公、霧隠才蔵は「風神の門」の主人公です。

短編も下記作品があります。


「下請忍者」「伊賀者」「最後の伊賀者」「果心居士の幻術」「飛び加藤」「伊賀の四鬼」「忍者四貫目の死」

そんな中、いつか池波正太郎さんの忍者ものも読もうと思い、現在読んでおります。
かつては「忍者丹波大介」を読んで挫折したのですが、今回は「司馬さんの忍者ものの世界観が正しいのではなく、まったく別物と思わないと!」と自分に言い聞かせ、成功? 中です。

読んだ順で行くと…

短編集の「忍者群像」、長編ものの「忍者丹波大介」「忍びの旗」「夜の戦士」「蝶の戦記」「忍びの風」「忍びの女」「火の国の城」、短編ものの「霧の女」と「戦国無頼・真田ゲリラ隊」です

現在「真田太平記」の10卷を読書中です。

まあ、このあとは津本陽の「真田忍侠記」、早乙女貢の「風魔小太郎」、南原幹雄の「信長を撃いた男」を読もうと考えているところです。ただ、忍豪作家の山田風太郎は読むか悩んでいますが…。そうそう、藤沢周平の短編「忍者失格」も読んだっけ。

話を戻すと、司馬さんと池波さんって、同い年だったとか。関西在住の司馬さんに、江戸っ子の池波さん。非常に仲も良かったらしいです。何が言いたいかっていうと、二人は互いのテリトリーを侵さなかったってこと。忍者の世界において。

司馬さんは伊賀忍者ものを書き、池波さんは甲賀忍者ものしか書いていない。これって面白い

「梟の城」の重蔵や「風神の門」の才蔵はもちろん伊賀忍者。数あるフィクション、ノンフィクションの短編の主人公もすべて伊賀忍者。

一方、池波さんの主人公はすべて甲賀忍者。逆に、伊賀忍者がほとんど出てこない。(司馬さんの長編ものには、甲賀忍者は必ず登場)甲賀以外には、伊那忍びが出ます。これって、池波さんの創作かな…。あと、女忍びが非常に多いのが特徴。

それと、すぐ主人公が甲賀を裏切る…! 読んでて、また裏切るの…、と何度思ったことやら。長編ものの主人公で、女忍び以外はみんな裏切ります。(6作品中4作品)。これじゃ、誰も甲賀に仕事は頼まないな・・・

池波忍者もののもうひとつの特徴は、丹波大介、お蝶、小たま、向井佐助、奥村弥五兵衛など、さまざまな作品に顔を出すこと。そこがまた面白いんだけど、毎回微妙に(極端に)設定が違ってたりも。

以下のできごとです

「明智光秀の密書強奪事件」
「明智光秀殺害者」
「徳川家康襲撃と家康護衛」
「奥村弥五兵衛の死んだ状況」

など、作品によって違う。

ぱっと思いつくのは「家康襲撃」。

家康が石田三成との決戦に向けて関が原に向かう途中の話で、家康が長良川を渡っている時に真田側の襲撃を受ける

以下の感じ。別バージョンもあるかも。

①「真田太平記」
舞台は長良川
襲撃→真田の草のもの・お江   護衛→甲賀・猫田与助

②「忍者丹波大介」
舞台は長良川
襲撃→甲賀・丹波大介      護衛→甲賀・お万喜

③「忍びの女」
舞台は揖斐川
襲撃→真田忍び・権左      護衛→甲賀・小たま  

こんな感じ。

それぞれの話が関連しているようで関連していない。パラレルワールド?

ちなみに長編の「忍びの旗」と短編の「寝返り寅松」は同じ話ですが、オチだけ変更。
逆に長編の「忍びの女」と短編の「霧の女」はまったく同じ話。いわゆる長いか短いかだけ。

今後、二人の忍者小説をレビューしていきます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿