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『土門拳 腕白小僧がいた』 土門拳

2024年08月20日 22時15分48秒 | ■読書
土門拳の写真集『土門拳 腕白小僧がいた』を読みました。
写真集は、昨年10月に読んだ赤瀬川原平の『老人とカメラ―散歩の愉しみ』以来なので久し振りですね。

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あの頃、路地裏にはいつもこどもがあふれていた

土門拳は昭和20年代後半から30年代初頭にかけて、精力的にこどもを撮影した。
みな貧しいけれど、生き生きと目を輝かせて遊ぶこどもが町に溢れていた時代。
土門はとりわけ東京の下町のこどもを愛し、彼らの中に溶け込んで、その仕草や表情をみごとに捉えたスナップを数多く残した。  

それらを収めた「東京のこどもたち」、戦前の代表作を含む「日本各地のこどもたち」、昭和35年の発表当時、大きな話題となった名作「筑豊のこどもたち」の3部構成による土門拳の写文集第4弾。
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根っからのこども好きの土門拳が、戦前・戦後・昭和の行く先々でのスナップを収めた写真集です。

 ■下町のこどもたち
 ■路地ですべてを学んだ(群ようこ)
 ■日本のこどもたち
 ■こどもの心で撮った父の写真(池田真魚)
 ■筑豊のこどもたち
 ■時代を超えたメッセージ(柳田邦男)

『下町のこどもたち』や『日本のこどもたち』では、幼い弟や妹を背負っていたり、お古と思われる繕った服を着て、左右で違う靴や地下足袋、下駄を履いている子どもたちがいて、経済的には恵まれているとはいえない境遇におかれているにも関わらず、素敵な笑顔で楽しそうに写っており、経済的な豊かさと心の豊かさは比例しないのかな……と感じたのですが、、、

『筑豊のこどもたち』では、崩れそうな炭鉱住宅で電気やガスもなく、食うや食わずの極貧の生活を送っている子どもたちを見て、経済的に一定の水準以上の生活が確保できないと、笑顔ってなくなちゃうんだ、人生って、そんな甘いモノじゃないよなー と考えを改めさせられましたね。

作ってなくて、飾られていないリアルな描写……市井の人々や子どもたちの視点で撮影されていることが、土門拳の作品の魅力なんでしょうね、、、

考えさせられる一冊でした。

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