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『その雪と血を』 ジョー・ネスボ(著),鈴木恵(翻訳)

2024年08月13日 22時51分26秒 | ■読書
ノルウェーの作家ジョー・ネスボの長篇ミステリ作品『その雪と血を(原題:Blod pa sno、英題:Blood On Snow)』を読みました。
ヨナス・ヨナソンの『天国に行きたかったヒットマン』に続き北欧ミステリです……ジョー・ネスボの作品は5年前に読んだ『贖い主 顔なき暗殺者』以来なので久しぶりですね。

-----story-------------
ノルウェー発・翻訳ミステリー大賞受賞作!

1977年のクリスマス前夜。
殺し屋のオーラヴは麻薬組織のボスから仕事を依頼され、準備に取りかかっている、いつも通りに始末するつもりだった。
標的である、ボスの妻をひと目見るまでは……愛に翻弄された彼の選択は、敵対する組織をも巻き込んでオスロの裏社会を大きく揺るがすこととなる。
ノルウェーを代表するサスペンス作家がみずからの故郷を舞台に描く、美しくも凄惨なパルプ・ノワール。 
解説/川出正樹
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2015年(平成27年)に発表されたオーラヴ・ヨハンセン・シリーズの第1作です。

車の運転と恐喝が下手で、惚れっぽいうえに意志薄弱、文学の知識は豊富だが、計算が苦手……そんな男、オーラヴ・ヨハンセンは殺し屋だ、、、

麻薬組織のボス、ホフマンの指令を受けて標的を暗殺してきた……クリスマス休暇前最後の任務としてオーラヴが請け負ったのは、浮気をしているらしいホフマンの妻コリナの始末だった。

いつも通り、淡々と準備を進めるオーラヴ……暗殺のタイミングを見極めるため、ホフマンの家の向かいに陣取って偵察をはじめる、、、

しかし、コリナが視界に現れた瞬間、彼の運命の歯車は大きく狂いだす……標的の女に一目ぼれしてしまったオーラヴのさまよう銃口は誰に向けられるのか。

敵対する麻薬組織〈漁師〉をも巻き込みながら、彼は破滅に向かって突き進む……雪降りしきる70年代の冬のノルウェー・オスロで繰り広げられる、美しく凄惨なパルプ・ノワール。

殺し屋を主人公とした物語って、ローレンス・ブロックの殺し屋ケラーシリーズや伊坂幸太郎の各作品、石持浅海の殺し屋探偵シリーズが大好き……映画だと『レオン』ですかねー 実生活との間にギャップがある人物の方が好みなんですよね、、、

そういう意味では、オーラヴ・ヨハンセンは思い切り好みのキャラクターでしたね……車の運転と恐喝が下手、惚れっぽい、意志薄弱、文学の知識は豊富だが計算が苦手 ですからね、感情移入しながら読んじゃいました。

標的の女性に惚れてしまったところからオーラヴの人生は狂い始めます……ボスを裏切り、商売敵に近付くが利用されて裏切られ、そして女にも、、、

美しい世界と容赦ない殺し合いの交錯……純白の雪と深紅の血に収斂するラスト・シーン、読後に深く息をついてしまうエンディング、どれも良かったですねー 本シリーズは続篇があるようなので、ぜひぜひ読んでみたいですね。

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