【ネットの「女叩き」について】
日本がジェンダーギャップ114位、女性管理職や女性議員が一割の国…
日本が、男性がほとんど決定権のある職業に就いている男尊女卑の国であることはご存知だと思います。
それだから、ネットの『女叩き』がひどい。(在日差別書き込みも酷いですけどね。)
犯罪部門では、女性被害者に対する叩きがひどい。
痴漢問題では、女性被害者の心身を気遣ったり、痴漢(性暴力)をいかに減らすか、男子の意識改革を!人権教育、ジェンダー教育の見直しを!という話題よりも、「女の自衛が足りないから、女も悪い」「性犯罪被害よりも、男性の社会的地位のほうが大切である」「痴漢冤罪!」のほうが強調されます。
「ハニトラ!ハニトラ!」と言う中二病たち…
ハニートラップというのは女スパイが敵のアジトで機密情報持ちだすときに行う『色仕掛け』だったような?
性犯罪だけではなく、加害者が男性で、被害者が女性のストーカー事件のときも、女性被害者をこれでもかと叩く者たちが、ネットに現れました。
男性も犠牲になる犯罪については、「加害者の人権のほうが守られていているぞ!おかしいぞ!」とネットに書き込まれますが、女性や女児ばかりが犠牲になる性犯罪報道のときのみ、「その被害者は、被害者といえるのか?」「冤罪かも」「女は自衛したか?」と、加害者擁護、セカンドレイプ書き込みが大量にされるのです。セクハラ問題も同様ですが。
逮捕されたとしても容疑者が「黒」と確定するまでその人物を「白」と扱わなければいけない、というのは正しい。しかし、性犯罪や女性が犠牲になったストーカー殺傷事件のときだけ「冤罪かも!」「被害者にも要因ないか?」と大量に書き込まれるのは悪意ある人達が書き込んでいるとしか。
また、性犯罪報道のときばかり「冤罪かも!」と言われるのに、被告が命を落とすかもしれない死刑裁判において冤罪問題があまり叫ばれないのは、おかしい。
参考:
女性蔑視、女性が被害者となった事件の被害者叩きがはやく無くなってほしい。
【昔から当たり前のように垂れ流される…“男は理論的で冷静、女は感情的”説】
ニュース見てれば、男性逮捕者のほうが女のそれよりもずっと少ないのは、みんな察しているでしょう。しかしなぜか女性が逮捕されたり、女性が交通事故を起こしたときだけ、加害者が男性の何倍も叩かれる。よくネットで見かけるものを以下、例にあげますと…
・「女が事故ったぞ!これだから女は!女は空間認識能力が低いから!」
・「男は理論的で、女は感情的!だから女は自分がコントロールできず、犯罪をおかすのだ。」
・(なんでこんなに男の犯罪者ばかりなんだろ…というため息混じりの書き込みに対して)「女の殺人者、女サイコパス、女犯罪者、山ほどいますッ!」
・「数には表れてないだけで、実は女の潜在的犯罪者のほうが多いんだ。」
・「司法は女に甘い。女の死刑囚はなかなか執行されない。」
・「女ってだけで許されるよな~」
「にしても、報道眺めてると性犯罪や殺人実行者って男ばかりだよなあ…半々だったらともかく…」というのは、子供大人関係なく、“言いたくないけど、言いたくなる”のは仕方ないのではないかと。
それに対して“女だって山ほど!”とは…山ほど、とは、具体的にどれほどでしょうか?
“男は理論的で男は理数系に強い”説を吹聴しておきながら、“山ほど”!と理論的とは言い難い返答をする男さんたち…
結局、そういうデマを拡散している人たちの目的というのは男社会・男性の既得権を保持するためでしょうが…
余談ですけど、私個人納得できなかったのは…都内の電車を二十年以上利用していて、駅や電車内で喧嘩や駅員に絡むといった行為は男性しかやっているのを見たことがない。なのに超珍しく女乗客がトラブルを起こし電車が止まったときだけ、ネットでニュースとして報道され騒がれたことがあった。そりゃ、女も騒ぎ起こすのはゼロではないでしょうが完全なレアケースでしょう。あの報道を見たとき、ああマスコミまで完全な男社会だなあと思いました。
セクシスト・ミソジニスト・ウヨも分かった上でくだらないデマを流してるのだと思いますが…全体から見て女の確定死刑囚は少なすぎて、女性のみ死刑執行が故意に遅らせられているのか否か立証することはできません(男性確定死刑囚にも病死が多いからです。)また、2016年3月に、吉田純子という女性が死刑執行されています。
男性加害者で、複数名犠牲者を出している無残な事件でも、死刑にも無期懲役にもなってない例はあります(大分・子供4人焼死 父の海自1尉に禁錮4年6月の実刑)たぶん判例調べればけっこうあると思いますよ?
どうしても「司法は女性優遇」説を言い張るのであれば、似たような事件を起こしている男女判例・数百~数千列挙・比較し、データを提示、考察を書いて発表するべきでしょう。
【男性犯罪者も叩かれてはいるが…】
男性犯罪者もネットで、「去勢だ!死刑だ!」と責められてはいるのですが、「これだから“男”は」と身体の性別について指摘され責められる書き込みはあまり見ません。もしも見るとすれば『女叩き』に辟易した人達がミラーリングでやりかえしているのでしょう(ネットで女性差別書き込みされる側の気持ちを知れ、と)。それに対して「見ましたか!?これぞ女尊男卑だ!男性差別だ!」と騒ぐ男さん達。このジェンダーギャップ114位の国で、悪質な男性ネット民がデマ吹聴を止めるのが先でしょう。
もしくは、「男はやはりダメなんだ」と書き込まれるのは男性保育士が性犯罪を起こしたとき。しかし…それを書き込んだ人たちは、そこから「やはり家事育児系の仕事で低賃金の仕事は全て女性に押し付けるべき」と、日本男性全体の家事育児放棄を促し、性的役割分担推進・肯定に話を持っていく。どのみち悪質。
【ミソジニスト・セクシスト達はいつまで使う?映画「それでもボクはやってない」ネタ…情報が古い】
『それでもボクはやってない』という10年以上前の映画を、男性差別・女尊男卑ネタにまだ利用しようとする輩をネットで見かけますが…
あれは、周防監督もしきりに言っていますが、女性を叩くために作った映画ではなく“司法に責任追及した映画”です。
現在は痴漢が発生すると、男の手に女性の服の繊維がついてないかどうか検査をします。女性被害者側の言い分を一方的に受け入れるというのは無いそうです。女性側も下着の提出が求められ精神的にボロボロになります。
もし仮に示談金目当てで痴漢を捕まえようと思ったら計算違いだったと気づくだろう…『痴漢被害者の証言』。
【「女は感情的で男よりも劣っている」…この現実でよく書き込める】
「女は感情的で自己をコントロールできない」説は、おそらく昭和時代、いやその前、江戸明治大正時代から、“男社会という風潮の影響を受けた者たち”が男の既得権保持のために言いふらし続け、それを次世代が受け継いでいるんだろう。以下の資料を見ても、まだそれをネットで書き続けるというのは非常に恥ずかしくないだろうか?
“男以上にもっと少ない女性加害者報道”に対する『女叩き板』だの、セクハラ被害者叩きだの、セカンドレイプ現象だの、「日本社会は女尊男卑ダー」だの見かけなければ、こんな、“男さん犯罪者はクッソ多いんやで~データ”なんて、いちいち出す必要もなかったんだが…
数を出すと、「パヨク、フェミの陰謀ダー捏造ダー」とこれまた男さんからテンプレが来るしなあ…
犯罪者男女別数くらい、ネット使ってる皆さんは一度は見てると思うんですが…
「男のほうが犯罪者が多い」という事実は、知ってても触れてはいけない的な、うちの国で“ほんのりタブー色”を感じるのは私だけだろうか?そのわりには「ほら見ろ女が●●起こした女は劣ってる」「女の犯罪者は山ほどいる!」等、バカスカ書く男さん達の存在の不思議さ…
女性が加害者の交通事故が報道されると鬼の首をとったかのように「女は空間認識能力が低いのだ」厨がネットで湧きますが、『危険運転致死傷』…交通関係の罪はずっと男性のほうが起こしている…これが現実です。
「そもそも、そんなに男のほうが空間認識能力が高いのであれば男はめったに事故んなよ?絶対事故んなよ?」と言いたくなる。
「女ってだけで許される」←危険運転致死傷罪おかしても女の場合だけ無罪放免というのはありえないだろ。
…にしても、暴力系犯罪は『男数百人 対 女性1人』…すさまじい『差』ですね…あんま言いたかなかったが
「女ってだけで許される」←「男だからヤンチャは仕方ない、男だからスケベは仕方ない、セクハラや痴漢も大目にみろ」というジェンダーを先にどうにかすべき。
「男は感情的ではない、男は冷静な生き物だ」というのであれば
リアル暴力団組員がテレビに映ると『100%男』というのは、どう説明つけるのでしょうか?
●男性受刑者19,000-女性受刑者2,000=17,000人
この、17,000人分、刑務所がいらなくなったらどれほどいいか…と思ってはいけないのでしょうか?
こういう話をすると、こっちの訴えたい内容を汲み取らずにおかしなことを言ってくる男性達がいますが…「女の罪人が少ないから女は反省しなくていい、女は更生プログラムを受けなくてもいい」という話ではありません。
ただ、強烈なセクシストやミソジニストではない男性でも、性暴力の恐怖も知らず「女性専用車両は甘え」「女が自衛しないのが悪い、痴漢はそんなに酷い犯行ではない」と言う人に遭遇するくらいなので教育機関での男子への意識改革は必要だと思います。
【自分たちがやられていやなことは人にするな、という話】
こういう話をしていると、おかしな方向にわざと解釈する人達がいるので念を押して申し上げますが、私はここで「男の犯罪者が多く、男は差別する非道な奴らばかりで、男のほうが劣っているのだから、女尊男卑・男性差別社会にしよう!」と提唱してるのではありません。
「犯罪者は男の一部、少数派なのだから男をひとからげにするな!男を犯罪予備軍扱いするな!ノットオールメン!」というのであれば、女性犯罪者や女性の事故加害者が出たからと、「女は感情的」「女は●●に劣る」と女性全体をひとからげにするな!という理屈も成り立ちます。
女性の逮捕者は男性の逮捕者より遥かに少ない。その遥かに少ない女性をネタにして女性全体を叩くほうがずっと非論理的です。
男性犯罪者の多さを指摘すると男性のノーベル賞受賞者の多さを言う人が決まって現れますが、「一部の男性を例にあげて全体をひとくくりにするな!」というのであれば、その“男性ノーベル賞の方が多い”説にも言えるでしょう。都合がいいときだけ男性全体の功績のように言うのは“理論的”ではありません
男社会が垂れ流してるデマの1つに「女は噂話、陰口が好き」というのがあるが…『女叩き』を見ていると、彼らほど噂話と陰口好きな連中はいるのだろうか?
【男だって生きずらい…“男だって大変男子”】
何やらネットでは、女ばかりが大変なわけじゃない!“男だって大変男子”を多々お見掛けします。しかし…なぜ、「男が大変だから、女も同じくらい、もしくはそれ以上に苦しめ!女性労働者も男性労働者と同じくらい過労死しろ!」的な発想になるのでしょうか?
そういう発想をして得をするのは誰だろう?
男性が“男らしさの押し付け”や、職場待遇、パワハラで悩んでいるのであれば、男性達もそれと闘えばいいだけ。労組に相談するとか、大企業経営者とベタベタの政党は支持しない、など。
女性が苦痛を訴えているのを見てひがみ、さらに女性達の足を引っ張るのはやめましょう。
そんなことをしてもメンズリブ(男の生きづらさ問題解決)が達成されるどころか遠ざかるでしょう。女性を弱者に追い立てるほど、男性は強く・高収入であることが求められます。
セクハラ・パワハラ両方とも「強者―弱者」構造から生まれるものです。「セクハラ問題だけ無視してパワハラだけなくせないかな…へへへ…」なんて虫のいい話です。
「稼ぎのある女は、稼ぎがない男と積極的に結婚しろ!(女は下方婚しろ)」と主張する、メンズリブ男性モドキ(?)の人たちがいるそうですが…
その前に男性達は約束しなければいけないことはないですか?
結婚したら女が姓を変えるのが当たり前!(選択制夫婦別姓法案化に賛同しない)、家事育児をほとんど女性にやってもらうのが当たり前!の状態で女性(妻)に食べさせてもらうことを主張したり、職場での男女平等を強いるのは愚考以外なにものでもない。
【次から次へ「女の世界は陰湿」説】
これも…
バリバリの男の世界、角界や日大アメフト部の問題等、よく「男の世界は陰湿ではない(さっぱりしている)」と言えたもんだと思います。
女子校と男子校、イジメ件数にかなり差があるという正式な数値データも存在しないでしょう。
そもそもネットがなかった昔から、「女は感情的、女は男に劣る」と、男の既得権キープのために女性を貶めるデマを拡散し続けているのは“男社会”行っているのだから、どこが「女が陰湿」で、どこが「男が陰湿ではない」のでしょうか?
【参考資料】
●女性専用車両は“男性差別・女性優遇”か?
「痴漢は環境に反応して行われる犯罪」「被害について話したら労って欲しい」—— 性犯罪をなくすための対話が開催
●「女は夜出歩くな!」「女は通勤ラッシュ時電車に乗るな!」被害者(女性)のみに自衛を強いる価値観。これでは女性活躍社会は無理!男も被害に遭うイジメ問題はイジメっ子が責められるのに、なぜ女性ばかり被害に遭う犯罪は被害者側ばかりに自衛を強いられるのか?
「男だって自衛をしている」と主張する人がいるが、「男が服装に気をつけろ!」「男は夜一人で出歩くな!」「男は電車や公園で寝るな!」と、防犯のために行動の制約を強いられる説を一般論として耳にしたことはない。
●「男というのはスケベな生き物なんだから理解して自衛しろ」からの「でも男全体を性犯罪者予備軍みたいに言うな」という矛盾。
●労働条件、環境を“男女平等(同条件)”にすれば、本当に平等になるのか?
「女性だけ特別扱い」ではない法律 男性議員多すぎは男性にも損?
●「女の神は嫉妬深い」にこめられた洗脳メッセージ=女は神ですら感情的、女は女が嫌い、女同士は不仲、女同士団結しあえない。女系、母系の否定、母娘がいつまでも仲がいいのを否定。「男系」と母と息子がいつまでもベタベタなのは肯定。男社会が作り上げた「空想の神」。女性崇拝に見せかけ女性蔑視。
嫁姑問題、小姑問題というのは「女性問題」ではなく「男系社会の弊害」。
女性蔑視思想の男達が“リアルのレズビアン”(女同士仲いい)を目の敵にするのは道理(ただし、男達の目を楽しませる空想レズビアンエロチック作品は除外。)
上のリンクに載ってる論文にも書かれていますが、“聖域”と男達が勝手に決めた場所から排除対象にされたのは女性だけではなく、被差別男性も含まれる。「男社会」というのは、格差競争社会であって、男全員に平たく幸せを分け与える社会ではない、ということ。詳しく知りたい方は、木津譲著『女人禁制』、源淳子著『仏教とフェミニズム』等々、一読してみてください。