まず、私も死刑廃止派ですし、『厳罰に依存して犯罪をなくす』という考え方に賛同していません。
本当に、究極の理想論を言うなら、
「無刑罰」「更正プログラム」「市民たちと前科者が共生しあえる社会」これで解決できればいいな、とは思っています。
しかし、ネットの女性達の様子を見ていると、
リベラルや死刑反対派の女性達も含め、性犯罪については厳罰化を強く求めている傾向が見てとれます。
それに対して、厳罰化に反対の死刑廃止派、要するに、左寄りの死刑廃止派が、
女性やフェミニストたちに対して、「厳罰化を訴えないで落ち着いてくれ」と訴えているようです。
その代表的な人が、月刊『創』編集長の篠田博之さんじゃないかな~と思ってるんですね。
参考:千葉県の女児殺害事件報道に、あの奈良女児殺害事件と同じ危うさを感じる
上の篠田さんの記事内容には、私も同意というか、理解できるのですが…
1つ、ひっかかることがあります。
それは、篠田さんのような主張をする死刑廃止派は、フェミニズム、ジェンダー、女性差別問題、女性心理にうとい、ということなんです。
要するに、この男社会に生きる女性達の苦悩を、あまり理解できてなくて、
「獄中者は可哀相でしょ?!犯罪者も好きで犯罪者になったんじゃないんだよ!
犯罪者も、社会的弱者であり、被害者なんだよ!
犯罪は、社会病理の現れなんだよ!獄中者はね、獄中者はね!」
と、獄中者の方ばかりに肩入れしすぎてしまうこと。
これが問題なんです。
そういうタイプの死刑廃止派はまあまあおられます。で、私も貴方がたのご意見はわからないわけではないです。
だけど、そればかりだと、その死刑廃止派(厳罰反対派)は、女性達から理解や賛同は得られないと思います。
例えば、ネットで性犯罪被害者がどれほど叩かれてるか、セカンドレイプがどれほど酷いか、
女性がセクハラや就職差別、性犯罪を受けながら、この社会で生きていて、どういう気持ちでいるのかとか、
そういうことを理解を示した上で、「厳罰化だけでは、解決できない」と訴えないと、
女性達の理解は得られませんよ、と、私は言ってるんです。
「獄中者ばかりに寄り添うのではなく、犯罪被害者になりやすい方々にも
同時に寄り添わないと、反感を食らうだけですよ」と申し上げているのです。
篠田さんの記事を読んでいて、篠田さんが、「無論、性犯罪はあってはいけないですが」と、まるで
とってつけた、おまけのように書いているのが、私はどうもひっかかるんです。
これは、怒られるかもしれませんが…
死刑廃止派の中でも、とくに、政治思想が左寄りだったりすると、
犯罪者や獄中者を、反体制の英雄とみる傾向がある方々がおられます。
とくに、全共闘世代がそれにあたるのではないかと…
私も左寄りだから、その心理は、私も理解できないことはないですが…
そういう方々ほど、被害者や、獄中者以外の社会的弱者のことが、頭からすっぽ抜けがちです。
なので、死刑廃止派の方々は、あまりに獄中者中心主義にならないよう、お願いします。
本当に重度の獄中者中心主義の死刑廃止派になると、
「性犯罪は、ほとんど冤罪だ」
などという、ほぼ、セクシストや女叩き厨と変わらないような失言をしてしまっている人たちもいます。
そんな、人達が、死刑廃止や厳罰反対を訴えても、まず、女性達から理解されないでしょう。
「自分が該当するかもしれない」と思われた死刑廃止派の方々は、以下の勝部元気さんの記事を参考にされてください。
男性は「女性の男性不信」にどう向き合えば良いのか?【勝部元気のウェブ時評】