1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 日本は本来、神国。そこに仏教が伝来を。先祖を大切に思う心を持つ日本人と、仏教の教えがマッチしたんでしょうね、

2023-06-15 09:28:41 | 法話
【7月5日投稿分】

先日、投稿させてもらった法話「病院側の度々の通達に対し、子供が親の遺体を『いらん』と言って、引き取り拒否をしたと言う話。恩を受けた人の通夜葬儀に出席しない人の理由が『この人(故人)からは、もう、何もしてもらえないから』という話。他界された人を24時間、病院に置きっぱなしにして、直接火葬場に連れて行き、遺骨はそこに置き捨てる話。その話に対し『葬儀をしないのは、日本人が貧乏になったからではないですか』という意見を拙僧に送ってきた読者の男性がいた。

対し、拙僧、その読者の男性に間接的に法話で「北九州のわが寺に、1人の若い男性が来て『ここのお寺で納骨堂の契約を。実は、北九州に住み着く事になって、菩提寺が遠くなったので』と。『菩提寺はどこですか』と尋ねると『山口県で、北九州から車で1時間半のところです』と。『その菩提寺には、どれほどあなたの家は、世話になってるんですか』『恐らく、100年以上ではないかと 』『そうですか。拙僧は年に何度も、関西、東海、関東へ檀家参りに伺っておりますが、遠いと感じた事は1度もないですよ。葬式にも現地へ赴きますしね。あなたが遠いと思うは、距離ではなく、心の問題と違いますか」と。

続けて「そりゃ、あなたを受け入れた方が拙僧も助かりますよ。どこのお寺も今は、維持していくは大変な状態にて。檀家が増える事は有難い話です。が、あなたの話を聞けば、菩提寺を変更する必要のない話ですよね。100年も先祖が世話になっているお寺に対し、後ろ足で泥をかける様な事を、拙僧があなたにさせる訳にはいかない。これ、どう思われますか』と問うと、何かに気づかれた様で、山口の菩提寺を離檀するをやめられました。葬儀をしなくなった理由をあなたは『日本人が貧乏になったから』と言われましたが、果たしてそうでしょうかな。拙僧はこれまでに、本当にお金を持たない人の葬儀を、1000円で請け負った事が、数回ありました。そのご家族の故人を敬う気持ちが尊いものだったから、ですね」と間接的に法話で、この読者男性に。

【こんな疑問を中学生が】
読者の中学生が「住職は松尾芭蕉の『閑かさや、岩に染み入る、蝉の声』って詠んだを知ってるよね」と。「ああ、知ってるよ」「山形県(出羽国)の立石寺に参詣(1689年7月13日)した時に詠んだ句だけど、友人との間で『この蝉は、何蝉か』で討論になったんだ。住職は、何蝉だったと思う」「そんな疑問を持ったのか、君らは。ほう、素晴らしいな」と。

この中学生が「兎に角、住職の見解を聞かせてよ」と。「この句を芭蕉が詠んだは、初夏の頃だろ。なら『クマゼミ』や秋ゼミの『ツクツクホウシ、ヒグラシ』は消えるよな。残るは『ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ』かな」「僕らもその結論になった。それから先がなかなか」「そうだよな。時代、時代の気象変動によって、生態系が変わるもんな。拙僧の子供時代は、九州でミンミンゼミは鳴かなかったもんな。が、数年前の夏から鳴き出したんだ。こうなったら、松尾芭蕉本人に聞くしかないで」「そらそうだ。なら、住職。芭蕉さんに聞いとって。僕らより先に逝くでしょ」と。

芭蕉の『閑けさや、岩に染み入る、蝉の声』の何蝉論争は、斎藤茂吉の解釈が発端で勃発したものだそうで。斎藤茂吉さんは『アブラゼミ』と言ったが、小宮豊隆(漱石門下)が「岩に染み入る、とくれば、声は細く澄んでいて、糸筋の様な印象が。なれば『ニイニイゼミ』だったと考える方が自然かと」と。

次回の投稿法話は、7月10日投稿分。





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