1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 さあ、そろそろ今年も、幽霊相談が拙僧の耳に。子孫を祟る先祖(精霊)などおらんちゅうねん。先祖を愚弄するも大概にせにゃ。

2024-08-03 07:18:13 | 法話

【8月5日投稿分】


さて、先日、20代の檀家男性が「住職さん、地縛霊って、ほんとに存在するの」と。「地縛霊ってか、また、妙な話を振ってきたな。だけど、ほんとに好きだな、その手の話が。先を話してみな」と拙僧。対し、男性が「ある家に60代の夫婦が2人で住んでいて、度々浴槽の底に足跡が付くので気味悪がって。それも決まって左足だけが。自分達の足跡かも、と思ったが、主人の足のサイズは26センチで、奥様は22、5センチだから、21、5センチの足跡は、この夫婦のものではないと。気持ちが悪いので、有名な霊媒師に尋ねてみたら、その家の近所を彷徨(さまよ)っている地縛霊が、その家を選んで住み着いた、と言われたんだって。そんな事って、本当にあるんですか」と興味津々の顔で。


対し、拙僧「地縛霊の足跡が21、5センチだったの」と尋ねると「はい」「ほう、そうなんだ。普通に考えたら、生足の裏を定規で測る様な人は、まずもっていないから、奥様の22、5センチは恐らく、靴のサイズの事を言ってるんじゃないかな。という事は、その浴槽の底の足跡は、奥様のものと考えて間違いないじゃろ」と。「じゃ、何故、主人の足跡は付かず、奥様の足跡(21、5センチ)だけ、それも左足の跡だけ残ってるの」と。「奥様は常に、風呂の湯を抜いた後に、右足から先に浴槽から出るが習慣じゃないの。それと、ご主人よりも奥様の方が、油足だったって事じゃないのかな」と返すと、檀家男性は暫く沈黙して「この話だけど、実はですね、テレビの番組で取り上げられたものなんだ。その道に明るい専門家が検証した結果、住職と同じ見解を出してましたよ」と。


対し「何だ、お前さん、拙僧を試したんかい。ところで、そのテレビ番組は『地縛霊だ』と言った霊媒師を番組に呼んでたかい」と尋ねると「いや、呼んでなかった」「そうか、呼んでなかったか」「その番組の最後にお笑いの加藤浩次さんが『テレビの中で、こんな幽霊騒動を企画する度に、映像を見て芸能人が、ギャーギャーと騒ぐのは、もうやめようよ。『また、やっとるわい』と視聴者から白い目で見られるから』と言ってました」「そうだね、今は様々、検証が出来る時代だもんな。心霊写真といわれる物も、プロのカメラマンさんなら、簡単に心霊写真らしき物を撮れるそうだよ。光の屈折を利用して、この位置で、このタイミングで、シャッターを切ったら、その周辺にいる人達をカメラの中に、写し込む事が出来るんだって。まあ、そんな事が解明されてきたこんな時代になっても、一定数はこの様な話(幽霊、悪霊、祟った)が好きなマニアは、存在し続けるだろうけど。信仰は特別なものではない。特別なものにしている者がいるだけ、だもんね。ところでだが、君は、そっち側(悪い事が起こったら、何でもかんでも先祖、精霊のせいにする)のタイプの人間だったっけか」「いえいえ」と。


更に、この20代檀家男性に「人間の思い違い(勝手な判断)といえば、こんな話もあるんだよね。『夜の蜘蛛は、親に似ていても殺せ。朝の蜘蛛は、鬼に似ていても殺すな』という言葉(迷信)が。この言葉の意味するところは簡単なんだよ。夜の蜘蛛は、抜き足差し足忍び足で、夜に侵入してくる泥棒さんに似てるから、殺せと。が、どこかの田舎町で見たな、『泥棒の昼寝は昔の事』という看板を。朝の蜘蛛は、巣を作っていく様が繁栄を象徴しているから、殺すなと。これに対し、恐らく蜘蛛さん達は『おいおい、勘弁してくれよ。人間の勝手な思い込みで、殺したり、殺さなかったり。朝出ようが、夜出ようが、あんた達(人間)の前に出てきているのは、同じ俺なんだよ』と、わが勝手な都合で良し悪しを決め付け、命まで奪おうとしてくる人間に、呆れ返っているだろうね」と。


更に続けて「蜘蛛といえば、数年前だったか、檀家の子供ちゃんに『ほら、あそこに大きな蜘蛛の巣が。真ん中に大きな蜘蛛さんもいるな。あれを見て諺(言葉)か何かが、頭に浮かばないかい』と難しい質問をした事が。通常ならだよ、こんな難しい問い掛けを子供にはしないよ。が、この子(女の子)は大変利発な子で、本も沢山読んでる様だし、親の教育も多方面から。どんな答えを出してくるか、楽しみでね。すると、結構に時間を費やした後、この子が『果報は寝て待て、かな』と。対し拙僧『やっぱ、君は、視点、思考が違うよな』と。これ以上出来ない程の努力をして、後は天命を待つが、この諺の意味だもんね。この子には、この説明はしなかったけどね」と、この20代檀家男性に。


【余談】

因みに、蜘蛛といえば、こんな話もありましたね。檀家で幼稚園の先生(現在71歳で引退)をしていた女性が「蜘蛛の巣に捕まっていた蝶々を『あら、可哀想』と逃してやると、幼稚園児(男の子)から『蜘蛛が可哀想じゃないか。蜘蛛だってご飯が必要なのに』と注意をされ、ハッ、とさせられました。『蝶々は綺麗、可愛い、良いもの。蜘蛛は醜い、怖い、悪いもの』といつの間にか、勝手にその様な判断を、私は」と。「そうですよね。この蜘蛛が命尽きるまで、餌を与え続けるという責任を、私が負える事など出来ませんもんね、住職」と。「そうだね。これは、人間の親子の関係にも、通じるところがありそうだね」「幼稚園で勤めておりますと、子供から教えられる事って、結構に沢山あるんですよね」と猛省されていました。


ついでにもう1つ。檀家の社長が「住職よ、先日な、同系列の社長とゴルフへ行った時、バンカー内で蛇がカラスに襲われているのを見て、思わず咄嗟の判断で、クラブを振り回してカラスを追い払ったんだが、2人して顔を見合わせて『これって、正解だったのかな』と。この出来事の少し前に『幼稚園の先生が、蜘蛛の巣に掛かっていた蝶々を助けて、園児に怒られた』という話を住職から聞かされていたのに。咄嗟にその様な対応を。人の上に立つ自分達が、その場の個人的感情で動く様では、先が思いやられるわい」と猛省を。


【付録】

約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。近頃は、有難い事に、他宗のご住職様達や、寺院の奥様(坊守、寺庭)達から「住職(拙僧の事)の法話を、檀家さん達に使わせてもらっていいですか」との連絡が頻繁に。「お役に立ちますれば、幸にて」と快諾を。SNSとは、良きご縁も頂けるので、有難いですね。


拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。


約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。


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                   拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」

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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。


次回の投稿法話は、8月10日になります。