親は、時として切ない存在になります。
世界で一番、我が子を愛する存在なのに
子どもの成長が進むほど
我が子の「ホンネ」が
聞けなくなってしまうのですから。
親の愛情が、深ければ深いほど
親の期待が、強ければ強いほど
親の願いが、大きければ大きいほど
子どもは、あなたの愛、期待、願いを感じ取り
親の愛や期待や願いに沿うような答えを
言うようになるでしょう。
あなたのお子さんは、良い子なんですよ。
そうなるようにあなたが育てたのですから。
親の気持ちを分かってるんですよね。
親であるあなたが
何を言って欲しいか分かってるんです。
本当はそんなこと考えてもいないのに
「そうしたいんじゃないの?本当の気持ちを言って!」
と親に言われたら
「そうしたい」って言うんですよ。
そう答えれば、親が安心するって分かってるから。
その積み重ねによって
子どもの中に「擬似的そうしたい欲」が生まれます。
ある程度までは「擬似」であっても
子どもは、それを理由に頑張ることはできます。
でも、目の前の壁が高くなった時
もう「擬似的そうしたい欲」だけじゃ無理なんです。
その時、何が起きるか。
中には「擬似」が「本物」に変わる子もいます。
刷り込まれた欲によって
自分自身が高められ、周りの評価も高まります。
それによって自己肯定感と自信を持った子は
自分の中からも「そうしたい!」って思うようになります。
それは正解の一つ。
でも、中には、その時になって
「本当はこうしたいわけじゃなかった!」
と、擬似だったことを暴露する子もいます。
親として
目の前の何かが崩れ落ちたと感じる瞬間です。
だって、そうしたいって言ったじゃないの!
そう叫びたくなりますが、違うのです。
あなたの子供は素直で良い子だから
親を安心させたいだけだったんです。
切ない。そして、この先が不安になりますよね。
我が子はどうなんだろうか…と。
子供に対し、「欲」を目の前にぶら下げて
自己確認させることは
子育てとしては正解だと思います。
「そうしたいよね?」
「うん、そうしたい」
親子の間で、当たり前になされる会話。
この「うん、そうしたい」には
子どもの本音と親の気持ちの汲み取り
これが必ずどちらも入ってることを
親は忘れちゃいけません。
親から見て、良い子だなと思えば思うほど
「親の気持ちの汲み取り」は多いんだと
知っておいた方がいいです。
子どもは
もう、そういう生き物なんだと思った方がいいです。
プロになりたい!
そう言い切って頑張ってる子だって
あの高校に行きたい!
そう言って頑張ってる子だって
その気持ちには間違いなく
「親の気持ちの汲み取り」は混ざってます。
子どもがダラダラしてる時
めんどくさがってる時
「あなたが望んだんでしょ?」
その言葉はダメです。
「まあ、そういう時もあるよね」
そう言えたらいいですね。
それにしても親って切ないです。
子供の本音が聞けるのは何歳くらいまで?
2歳か3歳まででしょうね。
親を「他者」として認識するまでなんだろうね